パン食い競争は無理
あれから1ヶ月が過ぎ、美月さんの病室によく行くようになった。(賀奈子さんと悠仁も一緒に)
最近は前よりも笑ってくれるようになった。
学園生活も安定してきて、油断していた。
「体育祭で出る種目を決めてくださいね」
そう、体育祭があったのだ…。
(私、本当に運動だけは出来ないのよ…)
私に何に出ろと言うのだ。
「委員長、副委員長。前に出て決めてくれ」
(委員長私だし…)
そして嬉しくないことにあのチャラ男が副委員長なのだ。成績が二人とも優秀だからと先生に押し付けられた。
まずは実行委員から決めるか。
この前にある机が邪魔な気がする。
私、小さいからこんなものがあっては絶対背伸びをしてたっていないと見えない。
と言うか何気にこの学園、ものがでかくないですか。
背の小さい人のことを考えてほしい。
そう苛立っていたら「しかたないなぁ~」と悠仁が机をどけてくれた。
そう言うところがあるから女子にモテるんだわ。
体育祭は全員種目に1つは出ないといけない。
「今から決めていきたいと思います。まずは実行委員から。やりたい人はいますか?女子二人男子二人の4名までです」
それから次々と種目が決まっていき、私が出場できるのはパン食い競争と借り物競争だけになっていた。
(なら借り物競争を…)
「委員長、この二つやるのはどうですか?」
「それいいな!」
「…でも、委員長の身長じゃ…」
(何で私が二つやる流れになっているの?)
「なら玲花チャンはこの二つで!先生!決まりました~」
(ちょっと~!!?!)
「そうか、なら後は自習をしてくれ」
そういって先生は教室から出ていってしまった。
(嫌よ!やりたくないわ!)
誰か代わってほしい。切実に。
こんなチビがそんなのしたって一生取れない。
でも決まったものを変えるなんてことはしたくない。
よって私は…この競技に出ることになった。
(覚えてろチャラ男…)
今からでもジャンプの練習をすればいけるかもしれないと一瞬思ったけど、その時自分が運動音痴であったことを思い出した。
(覚えてろチャラ男~!!!)
私は心を落ち着かせるために勉強することにした。
◇◇◇
昼休みになり、今日は悠仁の目を掻い潜って人目がないところでお昼御飯を賀奈子さんと食べている。
「玲花さん大変ですわね…」
賀奈子さんは心優しい人だ。悠仁なんかと違って。
「えぇ、私は認めたくないけど身長が低いのよ。パン食い競争なんてパンを一生とることができないわ」
私は心の中で思っていたことを賀奈子さんにぶちまけた。
「借り物競争ならまだいいのよ。足が遅いだけで。そんな人沢山いるでしょう」
借り物競争はいい。もともとそれにしようと思っていた。そして、一番やりたくなかったのがパン食い競争だったのだ。
「パン食い競争だなんて私皆の笑い者だわっ!」
少し気分が落ち着いた。人に聞いてもらうだけで少し心が軽くなるなんて友達は最高だ。
今日、美月さんの所に行こうと思う。持つべきものは優しい友人だ。
「私、実行委員ですので玲花さんの番だけ棒を低くしてもらえるように頼みましょうか?」
「本当?!」
「えぇ、頼んでみますわ」
やはり持つべきものは…以下略
それからもゆったりと二人でお昼ご飯を食べていたら肩をぽんっと叩かれた。
悪い予感がする。
恐る恐る後ろを振り返ると満面の笑みの悠仁。
(見つかった…)
「ひどいなぁ玲花チャン。俺を置いていくなんて」
「そもそも貴方と食べるなんて約束はしていないわ」
「もう!玲花チャンの卵焼きもーらい!」
そういって私の弁当のおかずを奪った。
なんてことをしてくれるんだ。卵焼きは私の好物なのに。
それから私たちは三人でお昼ご飯を食べた。
帰り際に、教室でのことをまだ根に持っていた私は私の全力の力で悠仁の足を踏みつけておいた。
「いだだだだだだ」
気分が晴れた。
放課後に美月さんの所へ行き(いつものメンバーで)パン食い競争の話をしたら、その日に外出許可を貰って来ると言っていた。
恥ずかしい姿は見せられない。
部屋のなかでジャンプの練習をひそかにすることにした。
「幸人お兄様!!私の可愛い玲花がお部屋でジャンプしているわ!!」
「あぁ、僕の可愛い玲花が部屋でジャンプしているね」
そして始まる盗撮大会。
更新遅くなってしまってすみません。更新頑張ります!




