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過去6 京子編

少し長めです。


私の余命はあと3ヶ月になった。

あれから晴樹に凄く説得され、秘書をやめることになった。

私は一人暮らしをしていたが、一人にはさせておけないと言うことで、また一ノ瀬家にお世話になっている。


1日をベッドで過ごすのが日常になってきたが、毎日必ず晴樹が私の所に来てくれる。

それだけで辛くなってきた毎日も頑張って過ごしていける。


今日はいつもより調子がいい。

今はちょうどお昼頃。今頃晴樹は仕事だろうか。

そんなことを考えながら窓を眺めていた。

(晴樹に、会いたいわ…) 


私はため息をつきながらも今日のお昼ご飯はなんだろうかと気になった。

最近はご飯も少ししか食べられなくなり、体重は前よりも減った。

少しだけしか食べられないご飯でも、私は食べることができて幸せだ。


ぼうっとしていたら、いきなりドアが開いた。

「京子~!今日は京子のために仕事を全部終わらせてきたよ~!」

晴樹は今日も元気だ。

その元気を私に分けてもらいたいくらい。


この時間に仕事を終わらせるのは無理だとは思わない。

普通の人なら無理かも知れないが、晴樹は違う。晴樹は天才なのだ。

晴樹は私の方が天才だと言うが私にはデメリットが多い。

どちからといえば私は秀才よりだと思う。

そのため晴樹の方が天才だと私は思っている。


「お帰りなさい、早かったわね。」


最近は眼鏡を外している。

少し落ち着かないが、晴樹によると「『虫除け』はもうしなくていいからその可愛い姿を僕だけに見せて。」だそう。

独占欲が強めな気もするが、別に私は気にしない。


「京子、今日って体の調子いい?」

晴樹は毎日私にこの事を聞いてくる。

ちなみに晴樹は今、私を後ろから抱きしめている状態である。

想いが通じあった時からずっと晴樹はこんな状態だ。

私にすごく甘い。

大量の砂糖しゃれしゃれにならないを吐きそうだ。


「絶好調…ではないけどいつもよりはいいと思うわ。」

それを聞くと嬉しそうにして、何かを言いたそうに口を開けたのだが、閉じてしまった。


「言いたいことがあったら言って欲しいわ。」


「もし、もしだよ、もしも、」

何回もしを繰り返すのだろうか。そして彼は何が言いたいのだろうか。

「ええ。」

「今日、京子が良ければお出かけにいかない?」

「お出かけ?」

「嫌ならいいんだよ。」

晴樹は私とお出かけがしたいみたいだ。

全然嫌ではない。むしろ行きたい。いつもベッドで暇なのだ。

「いいわね、行きたいわ。」 


私はウキウキな気分で晴樹の誘いを受けた。これは世の女子達が好きな『でぇーと』と言うやつだろうか。


秘書科の女子達がそのような話題で盛り上がっていた気がする。(仕事中だったので注意した。)


「じゃあ服を着替えなきゃね。」

と言い部屋から出ていこうとしたので慌てて止めた。

「ん~?どうしたの?」 

重大な事実が発覚してしまった。


「私が持っている服は寝間着とスーツだけよ。」


そう、けして自慢出来ることではないが私は仕事人間だったために、いつでもどこでもスーツだったのだ。

「知ってるよ。だから服を持ってこようと部屋を出たんでしょ。」

(そうだったのね)


晴樹に寝間着とスーツしか持っていないと知られていることに驚だったが服をとりに部屋からでて行ってもらうなんて。自分でできるのに。


「でも、どうして晴樹が服を?」


「京子に似合いそうな服をさっき買って来たんだよ。」

(いつの間に?!)

自信満々に言ってのける晴樹だが、そこまでしてもらうのは。

私の考えていることが分かったのだろうか。晴樹は「着てもらいたかったから買ったんだよ。」と言った。


「じゃあ服とってくるね~。」

そう言って部屋からでていった。



◇◇◇


「一口どうぞ。」

現在晴樹と『でぇーと』中だ。

私はあまり食べることが出来ないので晴樹から少し貰っている。

出発する前に晴樹が持ってきた服は、とても可愛らしい服で驚いた。

スーツで良いと言ったのだが受け入れてもらえなかった。


「ありがとう、美味しいわ。」

アイスの甘さに頬が綻ぶ。それを見た晴樹が

「ヤバい…僕の彼女が可愛すぎる…」と悶えていたが、いきなりどうしたのだろうか。


「次は何処へ行こうか。」

晴樹が笑顔で聞いてきた。

「晴樹のおすすめの所で」

私がそう言うと晴樹が私に抱きついてきた。

いきなりどうしたのだろうか。

そして、ここは公衆の面前なのだか。

周囲の人たちに生暖かい視線を向けられ顔が赤くなるのが分かる。


「は、はやく行きましょう!」

私が晴樹を急かすと


「はやくはダメだよ。京子に悪いでしょ。ゆっくり行こうね。」

黒い笑顔でたしなめなれた。

晴樹が連れてきたところは宝石屋だった。

こんなところに何しに行くのだろうか。


「京子に指輪を送ろうと思って。」


晴樹に優しい笑顔で言われ、嬉しく思った。

だが私に指輪を贈った所ですぐに死んでしまうのだから勿体無い。


「そんなの勿体無いわ。」

私が拒否したのにも関わらず晴樹は「どれがいいかな~」と言っている。


「お客様、恋人同士でございますか?」

お店の人がそう言った。


「はい、そうなんですよ~。」

彼はへらー、と笑った。

彼はたまにへらへらと笑う。そこも可愛くて好きなのだか。

「美男美女でお似合いですね。羨ましいです。」

お店の人が笑顔で言った。

(美女?)

美男は分かるが美女はどうかと思う。


「そうですか?ありがとうございます。」

お店の人に褒められ、晴樹は嬉しそうに笑った。

「所で、今日はどう言ったご用件で?」

お店の人がそう訪ねた。


「彼女が3ヶ月後に遠くへ行ってしまうのです。なので遠くへ行っても繋がりを持てるように指輪がほしくて。何か良いものはありますか?」


遠くへ行くと晴樹はお店の人に伝えたが、お店の人は私が3ヶ月後に死ぬとわかっている気がする。

私すごく蒼白いと思うし、不健康さが見た目で分かる。

お店の人はいいものがあると言い私たちに写真を見せて説明した。


「お客様、これは普通のペアリングとは違って、少し不思議で珍しい指輪なんです。普通のお客様にはお出ししないのですがお客様たちはどうやら普通ではないみたいですので。」


ここのお店の人はとても鋭い気がする。

だからその人達にあったアクセサリーが薦められるのだと思う。


「このペアリングには『来世でもまた』と言う意味が込められておりまして、二人がお亡くなりになったときにまた会えると言う不思議な力を持った指輪でございます。信じるか信じないかはお客様次第ですが、どうなさいますか?」


そんなことがあるはずないと思うのだが、横にいる晴樹の目が輝いている。

(あぁ、もうダメだな)


こうなったときの晴樹は何を言っても無駄だ。

晴樹はあの写真に写っているペアリングを買うだろう。お金なんて幾らでもなるだろうし。


「買います。」

お店の人はにっこりと笑った。


「お金の方は高いと思いますよ?」


「大丈夫です、買います。」

高いと言っているのに怯まない。

まぁ、一応社長だと言うことも関係しているのかも知れないが社長でなくてもこうハッキリと言いきっただろう。


「お値段はペアで500万円です。よろしいですか?」

(高っ!)


私は思わぬ額に驚いたが、晴樹なら買える額だった。むしろ余裕だろう。

「はい、買います。」


こうしてペアリングを買ったのだが作るのに少し時間がかかるらしく出来たらとりに行くことになっている。


その時まで私が生きているのかが不安だが、なんとかなる気がした。


晴樹は私が寝る前に私のところへと来た。

「お休み、今日は楽しかったね。愛してるよ。」


寝る前にそれは達が悪いと思うが、当の本人が全く悪気もないものだから言えない。


晴樹にそう言われると幸せな気持ちになるあったかくて、ふわふわとした気持ち。


「お休みなさい、私も愛しているわ。」


私も晴樹と同じようにそう言ってはにかむと、互いの唇が触れるだけのキスをした。


今日はいい思い出となった。





すみません、あと一話続きます。本当にそれで2章へいきますのであと一話待って下さい。

PV5000越え、総合評価50、ブックマーク20越え、ありがとうございます。いつも読んでいただき感謝しております。

これからも頑張っていきますので、応援宜しくお願い致します。

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