第3話「ドイツ軍降下猟兵(後編)」
「ははっ!! いいじゃないかッッ!!」
総員、230名!!
Ju52/3m───戦術輸送機×10
そして、DFS230───軍用グライダー×10
ナセルの召喚した、最強の兵力───ド空挺降下のプロフェッショナルのイツ軍降下猟兵が一個中隊だ!
その内訳は、一機当たり15名、グライダーにも完全武装の一個分隊8名が搭乗している。
「は……。はははッ!───……あはははははははははははははははは!」
軽く手を叩いて喝采!
いっそ騒然とした満面の笑みを浮かべたナセルが、小気味よく謡う。
あははははははははははははははははははははははははははッ!!
「──そうだ! これが俺の空挺だ!!」
これが俺の軍隊だ!!!
これが俺の力だ!
……まさに、一撃必殺───強襲降下という本作戦のために召喚されたような兵士たち。
だから、
「さぁ、見せてやろうっ───兵士の能力差が、戦力の決定的差であることを!!」
これがドイツ軍である!
これぞ降下猟兵であるッ!
これこそ空挺作戦である!!
「──今日を最後の戦いにするッ! 総員、密集隊形!!」
『『『了解ッ!』』』
マントの下の軍装とともに、持ち込んでいたドイツ軍の無線機に呼びかけるナセル。
チャンネルは広域!──同時使用だ!
『集結ッ』『集結ッ』『集結ッ』
──グォォォォオオオオオンンン!!
──グォォォォオオオオオンンン!!
練達の操縦手が重々しい機体を巧みに駆りながら綺麗な単縦陣を作っていく。
その見事な編隊機動よ───。
その圧倒的な武力行動よ───!
その頼もしき鉄十字の紋章よ───!!
朝焼けの始まる空に、ドイツ軍の戦術輸送機の群れが舞う。
ナセルを中央に挟むようにして飛行し……北の大空にドイツ軍の鉄十字が舞い狂うのだッ!
「──時は来たッ!!」
スパァァ……!
と、ナセルは懐から、突撃拳銃を取り出すと、昇り始めた朝日に照準する!
「朝焼けの空に強襲は成り、」
あとは、我らが空から地上を圧するのみ!
──……のみッッ!!
すぅぅ、
「……目標────リズ!」
ナセル・バージニアの最後の家族!!
ジャキンッ! 突撃拳銃に27mm信号弾を籠めると、高らかに宣言する!!
「……では、降りようか、諸君ッ!」
『『『了解、指揮官殿!!』』』
さぁ、
──歌え!
──笑え!
そして、
「……戦えぇぇぇえええ!!」
──パァァァンッ!
「……凱歌をッ!」
『『『凱歌をッ』』』
~~♪
~~~~~♪
ギラギラと輝く信号弾の明かりを突撃ラッパとして、輸送機の群れが一層速度を上げて突進を開始!
さらに、景気づけとばかり輸送機の操縦手たちが一斉にスピーカーを最大にして掻き鳴らす!
本来ならば訓練時に使用する降下開始の放送を、蓄音機の音に乗せて、ワーグナーのごとき謡いだしたのだッ!
──これぞ、戦場音楽!
──これぞ戦太鼓!
ダン───ダンダンダンダダンダン♪
ダーダンッダンダンダンンダダダン♪
太陽が燃ゆる歌
明日の命を拝む歌
降下猟兵たちが自らの短い命を燃やし尽くすように声を張り上げていた。
♪
♪
そして奏でる。
戦友よ、ともに行こうと
搭乗そ、振り返ることなかれと歌う──。
東へ
ロシアの凍てつく大地へと落りたつことを勇みて歌うのだ!
恐れずに行こうと、
Ju52/3mから飛び降りようとッ!
それは音の割れたスピーカー音とともに朝焼けの空に、下品に響き渡る。
それは雌鶏の声よりも勇猛で、楽団の音楽よりも暴力的!
そして、戦術輸送機10機が外部スピーカーを、割れんばかりに掻き鳴らすのだ!
降下猟兵達も輸送機の床を踏み抜かんばかりに、機上で声を張り上げる!
搭乗せよ! 搭乗せよ!!
戦え! 戦え、共に行こうと──────!!
「あぁ、そうとも!……共に行こうッ!」
……さすがはLv7の召喚獣!!
維持するだけでも魔力をガンガン擦り取られているが──構うものか!!
朝焼けの始まる空に、ドイツ軍の戦術輸送機の群れが舞うのだ。
そして、降下せんと、DPに一斉に向かう──────朝焼けと共にッ!!
さぁ戦友よ!
降下せよッ!
降下せよッッ!
共に行くのだ
恐れることなくに
「……そうとも、恐れずに行こうじゃないかッ!」
朝日をぶち破る様に、真正面から陽を受けてナセルは口角を吊り上げる。
ドイツ軍空挺部隊を満載したJu52/3mが10機に軍用グライダーも同数。全員完全武装───……負ける要素など一つもないッッ!!
だから歌う!
降下猟兵達は歌うッ!
降下せよ! 降下せよ!!
戦え! 戦え、共に行こうと──────!!
(あぁ、そうとも……!)
降下しようッ!
……リズのもとに飛んでいこう!
かつての戦友たちの首を刈り、かつての戦場をを駆け抜けて────!!!
家族のもとへッ!!
「……目標! |王国軍野戦師団───第二騎兵連隊!」
鳴り響くエンジン音と降下猟兵たちの力強い歌声を聞きながら、ナセルは万感の思いを解き放つ───。
そう、家族を救うために……。
そう! 理不尽を叩きつぶすために!!
そう!! 万感の思いを籠めた叫びと、
そして、輸送機の凶暴なまでのエンジン音が北の大地を殴りつけんがためにッ!!
すぅぅぅぅぅぅぅ……。
「───これより、空挺作戦を開始するッッ!!」
『『『了解っ、指揮官殿!!』』』
──ガァァァン!!
ナセルの命令一過、
一斉に輸送機の側壁が開放されると、一番降下員が降下合図を待ちつつ側扉の縁にしがみつく!
内部からは減光された淡い光がチカチカと灯り、今や遅しと降下の合図を待つ!!
……さぁ、行こう!
……さぁ、逝こう!
──最高じゃねぇかッ!!
さぁ!
さぁ!!
さぁ────!!
我が血は熱きて
死すら恐れずに!!
全てを打ち砕けッッ
ああ祖国 ああ我がドイツよ《マインドイチュラント》
戦いに勝利するぞ
さぁさ
武器を取れよ! 取れ!
「──さぁ、武器を取れッッ!!」
……そしてぇぇぇえ!
すぅぅ……、
「総員、降下用ぉぉぉぉぉぉぉぉおお意──────!」
了解ッッッ!!
───ヴォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
北の最前線にドイツ軍降下猟兵が舞い降りんとする。
この日、異世界初の空挺作戦が敢行されようとしていた。
無数の輸送機と一騎のドラゴンを駆る復讐者改め救援者───ただ一人の男、ナセル・バージニアの手によって……!
お読みいただきありがとうございます。
久々更新です!
また、新作も更新しました。
『ミミック』転生~ダンジョンで冒険者を食べてたら、いつのまにか「厄災の箱」呼ばわりされてたけど、希望はありません~
下記にリンクを貼ったので是非ともお読みいただければ幸いです!




