「何で素直になれないんだろ。本当はあんなこと言うつもりなんてなかったのに」
須藤涼風とのデート編第三話。まだ勉強会は続く。
春上がメールを読み喜んでいた頃須藤は女子トイレの中でため息を吐いていた。
「何で素直になれないんだろ。本当はあんなこと言うつもりなんてなかったのに」
須藤は少し言い過ぎたのではないかと思っていた。その言葉で春上を傷つけているとしたら、彼とは話せないのではないだろうか。
春上を傷つけるわけにはいかないからだ。
須藤は強がりだ。そのため傷つけるような言葉を話すこともある。しかし一度出た言葉をなかったことにはできない。もう少し考えて物事を話すべきであると須藤は考えている。
彼女は手を洗い、気を落ちつかせた。これで彼女は勉強会に集中できる。
須藤は女子トイレから帰ってきた。須藤涼風は元気よく春上の前にある机に近づく。
「さあ。勉強会でも始めましょう」
須藤の声からは怒りを感じなかったため、もう怒りは納まったと春上は思った。
だが彼は須藤涼風が開催する勉強会の恐ろしさを知らない。普通の勉強会といえば、勉強を口実にした遊びが定番だ。カラオケボックスで勉強会を開催すると言えば、カラオケ大会が始まるというように。だが須藤涼風のような真面目キャラはそんなことをしない。
須藤涼風との勉強会は遊び要素ゼロの真面目な内容になるだろう。春上側から遊びを提案しても、「そんなことしてる暇があったら勉強しろ」と言われるに違いない。
つまりこの勉強会は過酷な物になるだろう。
春上は早速プリントを机に並べる。彼は一応須藤がトイレから戻ってくるまでプリントをこつこつ記入していた。須藤は彼が記入しているプリントを凝視する。
「大問1の④。答えが違うよ。ほら。そこは二次関数のグラフだから・・」
春上は須藤が凄いと思った。須藤は何も書かずに春上の問題の間違いを指摘した。須藤は頭がいい。教え方も上手い。春上は須藤に勉強を教えてもらってよかったと思った。
春上は須藤の指導の下プリントを直していく。それからも須藤涼風は春上の間違いを指摘して、丁寧に教えていた。
11枚目のプリントの最終問題。これは春上が苦手な二次方程式だった。
「二次方程式か。苦手なんだよな」
「大丈夫だよ。どんなに苦手でも私が教えてあげるから。まずは因数分解してみて」
「だからその因数分解というのがよく分からない」
須藤はため息を吐いた。
「分かった。まずは因数分解から教えるから。・・・」
須藤涼風の教え方が上手かったため、二次方程式は簡単に解けた。こうして数学のプリントは全て終わった。
現在の時刻は午前10時30分。数学のプリントだけで一時間経過した。だが過酷な勉強会はまだ始まったばかりだ。
過酷な勉強会は終わらない。数学のプリントが終了したら、現代文の問題集。その後は日本史の問題集というように終わりが見えない。昼食を摂る暇もなく勉強会は続く。
勉強を教えるシーンは諸事情により、三点リーダーでごまかしました。
次回からデートらしいイベントが発生するかな。




