宮殿にて
宮殿のざわめきはスルタンの登場前にやんだ
マゴーネ殿入場、男の登場はおしゃべりはどころではない、わずか数年で、インド洋を制した噂の男、
宮殿の誰も顔も知らないトルコ始まって以来の
功績を上げた男が姿を表した
両の目を細めた男は時折右目を見開いていた
まるで隻眼ようだ
その働き、見事なり、スルタンが姿を表した
古今聞いたこともない功績、望みがあれば述べよ
全てスルタンの威光でございます。臣は与えられた任務を全うしたまで、スルタンへのお言葉を成し遂げることができ、ただ安堵しております
何も望まぬ、か、しかし余は何もしておらん。
ことをなしたのははそちだろう
汝がインド洋で船に乗っている間
余は穴を掘らせていただけだ、違うか
地中海とインド洋、2つの海をつなげる運河の建設は
まさに、人を超えた事業でございます
臣のなした事は、人の技に過ぎません
余が認めているのだ、なんなりと述べよ
では、部下への褒賞をお約束ください、彼らを酷使しましたので、臣はいささか恨まれております、どうか臣のため彼らに報酬を与えてください
汝自身は何も望まぬと言うのだな
スルタンに任された仕事を果たす、これほどの喜びはございません、できますれば、仕事をお与えください
わかった、部下への報酬は約束しよう。だが、汝への仕事は、今は何も思いつかぬ下がってゆっくり休むが良い
礼を述べると、マゴーネは退室した
人々は、戦場から無事、生還した男を見送った




