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最強コーチは戦わない ~人工魔法競技~  作者: たなお
2章 タッグバトル編
96/102

96話 タッグバトル⑦ ※祐乃視点

「愛那ちゃん…?」


 スコアボードに表示される現実を受け入れられず、ボクは目を見開いて唖然とする。

 しかし、何度見ても愛那ちゃんのHPは0と表示されていた。


「『ホールド』」

「くっ…」


 愛那ちゃんのマジックギアから機械音声が流れると、縄が出現して手足を拘束する。

 試合参加資格を失い、移動と魔法が制限されたのだ。


 愛那ちゃんが…負けた…?


「――あと1人ッ!」


 カレンちゃんが《バスターソード》を構えて、こちらで向かってくる。

 すぐに逃げた方が良いと頭では理解していたが――ボクは足がすくんでしまい、動けなかった。


 脳天めがけて振り下ろされて、怖くなったボクは咄嗟に首を横に動かした。


「あぐっ!」


 肩に《バスターソード》が命中する。

 大剣を撃ち込まれた衝撃が全身に流れて、ボクは地面に背中から倒れた。


 い、痛い…!

 マジックギアの『プロテクト機能』で実際のダメージより軽減されているはずなのに…気を失いそうな痛みだ…


 愛那ちゃんは1人で、この痛みと戦っていたの…?

 ボクを守りながら…? 


 スコアボードが更新された。


【菅原愛那 脱落】

【夏目祐乃 HP45】

【✕✕カレン HP60】

【紫ハヤト HP60】


 反撃…しなきゃ…

 魔力は貯めてたんだ…反撃を…


 恐怖が襲い掛かりポロポロと涙が零れる。


 尻餅をつきながら、カレンちゃんに右手を向けた。

 

――しかし、貯めていた膨大な魔力はどこにもなかった。


 カレンちゃんの攻撃を受けたのが原因で、魔力が抜けてしまったのだ。


「そ、そんな…!」


《バスターソード》がまた振り上げられる。


 ボクは恐ろしくなり、踵を返して逃げ出した。

 

「――逃がさないっすよっ!《騒音妨害・ノイズ》!」


 ギィィィイイインンッ!!と不快な音が鳴り響く。

 

 鼓膜から強烈な音が流れ込み、足から力が抜ける。

 ボクは顔から地面に倒れこんだ。


 耳を塞いでいたカレンちゃんが《バスターソード》を握り直し、ボクの方へ突っ込んできた。


――怖いッ‼

 

 ボクは恐怖で目を瞑った時だった―――


「―――ストップだ」


 聞き覚えのある声がした。

 

 ゆっくりと瞳を開けると、ボクの前にはコーチが立っている。


「な、なんで…」


 状況が理解できず、ボクは困惑する。

 コーチは、あくまで今は審判だ。


 なんで試合に介入してるの? 


「なにッ!?邪魔するつもり!?」


《バスターソード》を握るカレンちゃんはイラつき、コーチを睨みつける。

 

 当然だった。

 あと少しで勝てるところを邪魔されたのだから。


「違う、違う。落ち着けよ。カレン。おまえ足元を見ろ」


 コーチは人差し指で、カレンチャンの足元を指差す。

 

「足元――?」


 ボクとカレンちゃんは同時に視線を足元に移動すると―――


「うにゅ…」


 そこには『ホールド』状態で動けなくなった愛那ちゃんがいた。


「愛那を踏んでるぞ」

「あ…ごめん…」


 カレンちゃんは顔を赤らめて気まずそうな顔をすると、ゆっくりと足をどける。


「脱落者が出ても、そのまま試合進行はしていいが、もし脱落者の安全配慮が必要な場合は外に出さないといけねーんだ」

「…わかった」


 コーチの言葉に異議を唱えることはなく、カレンちゃんは試合の中断を受け入れる。

 

「…喉乾いた。休憩にさせて」

「5分後に再開だ。それまでに戻れよ」

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