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11~発見

ゆっくりと目を開けていく。


先ほどまで何かの夢を見ていた気がするが、今は思い出すことができなかった。


日差しが目をさすこともなく、石か土でできた天井が見えた。

寝ぼけ眼で首を動かし、あたりをゆっくり見渡してみると石と土でできた部屋のようだった。


上体を起こし意識を覚醒させていく。

固い床で寝かされていたせいか、体全体が少し痛いがそこまで問題ではないようである。

ここはどこだ?とも思うが、目を先ほどより覚ましたあと、眼鏡眼鏡・・・と探したが見つからず、自分の顔の目の付近を触り、そして耳を触ったところで完璧に思い出した。



…夢の続きじゃなかったよ。



はぁ、と一度ため息を付いた後、まだ幾分ぼーっとしている頭を使い、記憶をさらに思い出す。


森の中で目が覚めて…

現状に絶望して…

悲鳴を聞きつけて…

背後から襲われて…

確か、盗賊っぽいのと戦闘して負けたんだよね…




と、そこまで記憶が戻ったところで ハッ っと思い出す!


自分の体を確認したところでまたもやフリーズ。



「oh……。」



またもや全裸である。

背中に悪寒がこの上なく走るが



とりあえず下腹部確認!さらに匂い!さらにさらに股を触診で確認!




………

……



ふむ


とりあえず痛みはなし、匂いはカビ臭いがこれは部屋の匂いだろう。体臭だとは思いたくはない。

触った感触はよく分からん…。初めて触るし…。




……うん、あんまり触らないようにはしよう。菌とかはいったら怖いし。

決して疚しい気分になるとかじゃないぞ!けっっっしてな!





とにもかくにも、気を取り直し、改めて冷静に確認したところ一応は清い体なのかな。


特に不快な感じもしないし、体自体も森にいたときより何故か軽く感じる。



一瞬、一服盛られたか!とも思ったが

ムラムラしたり、考えがまとまらないとかもないし杞憂であろう。



…ただし首に何かを巻かれているようではあったが。




何はともあれ、即 BAD END ではなかったようで安心した。

まだルートに入ったぐらいであろう。ここから何とかして巻き返したいところである。



できればいつもの日常からロードしたいけどな!



と、余計なことまで考えたところで辺りをしっかりと確認する。



体を立たせ、まずは部屋全体を見てみるが、光源は無いようで全体的に薄暗くはあるが、見通せないということはなかった。

窓などもなく、光が入るところも無いようなのに不思議なことである。

ドアは壁際に一つ。少し距離があるので何でできているのかはわからないが、見た限りしっかりと作られているようで硬そうではある。

広さはそこそこあり壁から壁まで7~8mぐらいありそうである。

隅のほうに目をやると大きな壷みたいなのが3つほどあり、あとで中身を確認しようと思う。



そして、壷みたいなものの対角を見たとき、ビクッとしたあとまた固まってしまった。





その場所には黒い髪を肩ぐらいまでたらし、膝を抱えて丸くなっている人がいた。




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