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魔王城の赤字、原因は豪華すぎる罠でした
第2話です。まずは魔王城の支出を切ります。
魔王城の帳簿を開いて、僕は三秒で頭を抱えた。
「罠維持費、月額金貨一万二千枚」
魔王リゼリアは胸を張った。
「勇者を迎える城だからな。罠は豪華でなくては」
「この落とし穴、底に絹のクッションが敷いてあります」
「客人が怪我をすると評判が悪い」
「罠とは」
さらに、炎の廊下には香りつき魔油。毒沼には毎朝の色調整。宝箱型ミミックには接客研修費。勇者を倒す前に、罠が城を倒しかけていた。
僕は赤い線を引いた。
「半分止めます」
リゼリアが青ざめる。
「城の威厳が」
「威厳は黒字になってから買いましょう」
代わりに、安い警鐘と動線変更を入れる。罠を豪華にするのではなく、侵入者が勝手に迷う構造へ変える。古い廊下に看板を置き、壊れた階段を通行止めにするだけで、防衛効果は上がった。
黒狼部隊が試しに走り、全員迷子になった。
「成功です」
「味方も迷っているぞ」
「地図を売ります」
リゼリアは目を丸くした。
その日、魔王城で初めて売れた商品は、勇者対策ではなく職員用の案内地図だった。
次回は黒狼部隊の士気を、干し肉予算で上げます。




