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【完結】異世界転生したんだが神から貰った最強スキル【神チート】がクソ仕様  作者: Darjack
第2章

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第18話 思ttチャラレラライ

会議が終わり、リョージがカウンターに戻ると、サラが心配そうな顔で待っていた。

「リョージ様……参加されるんですか?」

「ええ」

「でも、危険です。盗賊団はリョージ様を狙っているかもしれません、本当に命がけになるかもしれませんよ?」

「大丈夫ですよ」


リョージは彼女に微笑みかけた。

「サラさんが心配してくれるなら、無事に帰ってきます」

「……約束してください」

彼女はリョージの手を握りしめた。

「必ず、無事に帰ってきてください」

「約束します」

サラは涙ぐみながら、小さく頷いた。



その夜も、リョージは『月下の酒場』を訪れた。

いつもの隅の席に座り、今日は葡萄酒のお湯割りを頼んだ。


でもお高いんでしょう? な値段設定なんだろうけれど冒険者ギルドに金貨10枚預けてあるんだし銅貨や銀貨は日々の討伐でたくさん稼いでいる。

生きているうちに楽しまなくては。

多分リョージと同じ考えなのだろうか、昼間の会議で手を挙げた連中がそこかしこに陣取って命の洗濯をしている。


やがて、ステージに明かりが灯る。

ザーラが現れた。

今日の衣装は紫色のシンプルなイブニングドレス。だが、その動きはいつにも増して激しく、情熱的だった。


曲が終わり、拍手が起こる。

ザーラがステージから降りてきて、リョージのテーブルに座った。

「今夜も来たのね」

「うん」

「……聞いたわよ。明日、討伐作戦に参加するんでしょ?」

「そうだよ」

「馬鹿ね」


二人のグラスを合わせた後ザーラは一気にグラスを傾けた。ウェイターに手を上げ。

「クリムゾンドラコ」

するりと言い放った。

ウェイターが真顔になった。


「チェイサーはいらない」

ウェイターはしばらくの間目を宙に泳がせた後深く頭を下げ下がっていった。

頭を上げたときウェイターの顔色が白く血の気が引いていたのは目の錯覚に違いない。


ショットグラスに注がれた深紅のルビーを溶かしたような液体をカパリと一口に煽り。

「ボトルで」

ザーラの口腔からあふれた芳醇な深紅の香りがリョージの鼻腔を通り頭の中まで痺れさせる。


ウエイターはリョージの前で片膝を折り小声で話しかけて来た。

「お客様、クリムゾンドラコのボトルとなりますと金貨一枚になりますが……」

金貨一枚……。

_______________________

【解説】

神チート〈ver.0.5.3β〉:金貨一枚は日本円にして約100万円。

_______________________

ひゃ……ほ、ほんの1/10エルダー・トレントじゃねーか……やっぱ俺の奢りだよね。

リョージは笑顔で――ウェイターに頷いた。笑顔がひきつっていなかったかどうかは自信がない。


「……あんた、馬鹿よ」

一杯、また一杯と、いつもより早いペースでグラスが空になって行く。あれ一杯が小金貨一枚かぁ……。


「聞いてんの?! あんた強いかもしれないけど、盗賊なんてどんな汚い手を使ってくるかわからないのよ? 分かってる?」

(なんで高い酒奢って説教されねばならんのか。解せん。まぁ、楽しいからいいけど。俺、少しMっ気あるんだろうか?)


「昨日だってしゃ、サラ連れて来るんだもん、そりゃお嫁さんにしたいギルド受付嬢ナンバーワンのサラにはちょぴっとだけ負けるけどさ――」

話が走り幅跳びしている、反復横跳びか?

「ザ、ザーラ、さすがに飲みすぎじゃ?」

「うるしゃい! 女の敵! ……今夜くらい……いいいじゃん、あんた自分が明日死んじゃうかも。っとか思ttチャラレラライ……?」


チャラレラ? 何言ってるか分からなくなってきた。

ボトルはもう空に近い。

面白半分に一舐めさせてもらったら芳醇な香りが脳に突き刺さるとともに口内も喉も舌も灼けるように痺れて咳き込んだ。堪忍してください、死んでしまいます。


急に静かになったザーラはぐったりと背もたれに体を預けている、トロリとした目は開いてはいるが瞳が小刻みに左右に揺れている。これ、ヤバいんじゃないか?


ぐっ!


急に口元を抑え宙を見据え。

…………ふぅ——。

山場が通り過ぎたのか全身をぐったりと弛緩させた。

はい、ダメです。終了~。


「リョージ……アタシ……カエル」

「……わかったよ」

全身を桜色に染めたザーラを抱きかかえて酒場を後にした。



ザーラの部屋は、酒場の二階にあった。

リョージは彼女を支えながら、ベッドに寝かせた。

「アリ……ガト」

ザーラが小さく呟く。

「それじゃあ、これで」

扉に向かおうとした時、ザーラがリョージの腕を掴んだ。


「……ザーラ?」

彼女はリョージを見上げていた。

その目は、さっきまでの酔った様子とは違う。澄んでいて、真剣だった。

「……酔ってたんじゃ……?」

ザーラは何も言わずジッとリョージを見つめていた。


彼女はベッドの端を叩き、リョージに腰掛けるよう促した。

「二人で……話したかった。でも、勇気がなくて」

「ザーラさん……」

「ねえ、リョージ」

彼女はリョージの目を真っ直ぐ見つめた。


「あんた、他所に大切な人がいるでしょ?」

ドキッ! リョージは驚いて彼女を見た。

「どうして……」

「あんたの目を見れば分かる。誰か守りたい人がいるって、そういう目をしてる」

ザーラは小さく笑った。


「……ええ、俺の帰りを待ってくれている娘がいます。でも、ザーラやサラを騙すつもりは……」

「そう……やっぱりね」

言葉を遮り少し寂しそうに笑うザーラ。


「でもね、私……あんたのこと、好きになっちゃったんだよ」

「ザーラ……」

トクトクと心臓が高鳴る。


「迷惑かけるつもりはないよ。ただ……今夜だけ、あんたと一緒にいたいの」

縋るような目つきでザーラはリョージの手を取った。


「知ってると思うけど、この国では何人でも伴侶を持つことができるの、だから……もし、もしあんたが本気なのなら、サラを受け入れてあげて欲しい」

はい? サラ? ……ザーラさん、何を?


彼女は少し頬を染めた。

「二番目でも構わないと思う、サラが本気で好きになったあなたにサラを嫁がせてあげたい」

「……ザーラ」


「明日、あんたは死ぬかもしれない。私も後悔したくない、だからあなたが少しでも生き延びたい、また私と会いたいって思ってくれるように、絆を残したいんだよ」


ザーラはリョージの腰に縋りつくように顔を埋めた。

「……お願い、そしてサラを……」

リョージは彼女の唇をふさぎ、熱く火照った身体を抱きしめた。


翌朝、リョージは目を覚ました。


隣には、ザーラが静かに眠っていた。

その寝顔は穏やかで、幸せそうだった。

「……おはよう」

ザーラが目を開け、少し照れくさそうに微笑んだ。


「おはよう」

「……行くのね」

「うん」

「そう……」


彼女はリョージの手を握った。

「必ず、帰ってきてね」

「約束する、君とまた……会いたい」

「……信じてるわ」

ザーラはリョージにもう一度口づけをした。

新作公開始めました、安心の完結保証付きです。


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短期集中投稿

次回以降の更新は

16日(土)8:00 12:00 20:00

17日(日)8:00 12:00 20:00

18日(月)8:00 12:00 20:00

以降20:00更新予定←事情により変更します。

19日(火)8:00 12:00 20:00

20日(水)8:00 12:00 20:00

21日(木)8:00 12:00 20:00

22日(金)8:00 12:00 20:00

23日(水)8:00 12:00 20:00

24日(木)8:00 20:00

25日(金)8:00 20:00

以降20:00更新予定

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