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華ちゃんと 〜ゲームの後で〜

才花の家で、また三人でゲームをしていた。今日は才花が途中で「ちょっとコンビニ行ってくるわ」と出て行ってしまい、リビングには俺と華ちゃんの二人きりになっていた。

ゲームは先日と同じ協力パズルゲーム。華ちゃんは俺の隣にちょこんと座り、コントローラーを両手で握っている。

「……ここ、タイミング合わせて……ね?」

華ちゃんの声はまだ小さいけど、前より少しだけ自信がある。二人で息を合わせてボタンを押し、難しいステージをクリアするたびに、華ちゃんの目が少し輝く。

「やった……! ボクたち……また勝ったよ……」

華ちゃんは小さくガッツポーズをして、俺のほうをチラッと見た。その笑顔がとても可愛くて、俺は自然と「華ちゃん、今日も上手くなったね」と褒めた。

ゲームが一段落して、画面に「クリア!」の文字が出たとき、華ちゃんはコントローラーをそっと置いた。

「……ふう……楽しかった……」

華ちゃんは俺の隣で少し身体を寄せてきて、膝の上で指をモジモジさせながら言った。

「……君とゲームするの……本当に好き……ボク……一人でやるより……ずっと……楽しい……」

俺が「俺もだよ」と返すと、華ちゃんは耳まで赤くなって、クッションを抱きしめた。

しばらく沈黙が流れた後、華ちゃんは勇気を出したように顔を上げた。

「……あの……ボク……今日は……がんばったかな……?」

「うん、すごくがんばってた。華ちゃん、えらいよ」

その言葉に、華ちゃんの瞳がとろっと溶けたように見えた。

「……えへへ……ありがとう……」

華ちゃんは少し身体をずらして俺のほうに向き直り、恥ずかしそうに目を伏せた。そして、ゆっくりと顔を近づけてくる。

「……ご、ご褒美……もらっても……いい……?」

小さな声でそう言ったかと思うと、華ちゃんは目をぎゅっと閉じて、俺の右のほっぺにそっと唇を押し当てた。

ちゅっ……

柔らかくて、少し湿った、温かい感触。ほんの数秒の短いキスだったけど、華ちゃんの甘い息が頰にかかった。

「……っ……!」

華ちゃんはキスをした直後、すぐに顔を離して両手で自分の頰を押さえた。耳まで真っ赤になって、身体を小さく縮こまらせている。

「……あ……ご、ごめん……急に……ボク……どうしてこんな……」

華ちゃんは慌てて視線を逸らしながら、蚊の鳴くような声で続けた。

「……でも……君が……大好きだから……ゲームの後で……キスしたかった……の……」

俺が驚きながらも「可愛いよ、華ちゃん」と微笑むと、華ちゃんはさらに赤くなって、クッションに顔を半分埋めた。

「……もう……からかわないで……ボク……心臓が……ばくばくしてる……」

それでも華ちゃんは、クッションの隙間から俺の顔をチラチラ見ながら、嬉しそうな小さな笑みを浮かべていた。

「……また……ゲームしようね……?次は……もっと……がんばるから……その時は……また……ほっぺに……キスしても……いい……?」

華ちゃんの声は恥ずかしさで震えていたけど、最後の言葉は少しだけ甘く、期待を込めた響きがあった。

そのとき玄関のドアが開く音がして、才花の声が聞こえた。

「ただいまー! 二人とも何やってんだ?」

華ちゃんは慌てて身体を離し、いつもの引っ込み思案モードに戻ったけど、俺のほっぺに残る温かい感触と、華ちゃんの赤い耳が、今日の甘い思い出をちゃんと刻んでくれていた。

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