表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第三部・キャプテンパンダと愉快な仲間達号の冒険

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/360

襲来! オススマン!!

襲来! オススマン!!



「オススマンと名乗る人物から、公開チャネルによる通信要求です。ど、どうします?」

 ミーマが情報表示盤に現れた、オススマンからの通信要求におびえる。

「うー……。ちょっと、待たせておいてくれ……」

 アークはミーマに無理な注文をつけると、ヘッドセットマイクのスイッチを入れる。

「ちぐにゃにゃん。いや、サディよ。至急応答せよ。至急応答せよ」

「配信中なんですけど?」

 アークの自席の情報表示盤に、自室でRADIO・ちぐにゃにゃん配信中のサディからメッセージ。

「オススマン。という名に心当たりはあるか?」

 アークの問いに

「オススマン! あの野郎! ぶっ殺す!」

 と情報表示盤に四倍サイズの赤い文字が現れる!

「ぶっ殺す前にブロックはしたけどね!」

 アークが返事をする前に、さらに続いて四倍サイズの赤い文字が現れる。

「にゃるほど。状況は理解した」

 アークはそれだけ言うと、ヘッドセットマイクのスイッチを切った。

「つないでくれ」

 アークの言葉に、ゴクリとつばを飲んだミーマが、公開チャンネルの通信をつなぐ。

「ちぐにゃにゃ〜ん。どうしたのぉ〜? なんだか最近コメント全然読んでくれないし、スーパーチャージにも無反応。オススマンさびしいから、ちぐにゃにゃんの電波を追っかけて、直接スーバーチャージしにきちゃったよぉ」

 艦橋に流れたボイスに、アークの身体がぐらりと揺れる。

「……。こちらは、ちぐにゃにゃん運営・二次大惨事にじだいさんじのスタッフ、眉毛まゆげはいという者だ。端的たんてきに言ってDMは事務所管理、ダイレクトアタックつまりはDAに対しては完全にご法度はっととなっている。ということで、ちぐにゃにゃんとの直接のやりとりは一切禁止させてもらっているのでな。この俺が今のメッセージはちぐにゃにゃんに届けるかどうか判断することになる。そんでもって、直接のスーパーチャージはちぐにゃにゃんはお断りでな。どうしてもというなら、ちぐにゃにゃん運営・二次大惨事の眉毛ガ灰がそちらに受け取りにうかがうが、そういうことはおまえさんも求めちゃいないだろ。ということで、早々にお引取り願いたいのだが……」




 アークはなぜオススマンのことを? 配信を自室にうつしてからオススマンはくるようになったから、アークはオススマンのことなんて知らないはずだけど?

 そんなことを思いながら、サディはなめらかに次の言葉をひねりだす。

「ちぐにゃにゃんは子猫になりたいのニャ。子猫になるにはどうするか? お腹に虫がわくんじゃないかと思うほど、お魚を食べるのが1番ニャン。そうしたら猫のお耳と尻尾までは生えてきたニャ……」

 自室でアークが開発した秘密平気! ちぐにゃにゃんスイッチを背負い、頭にはヘッドセットマイク付き猫耳カチューシャ、つけ尻尾のフルアームドちぐにゃにゃん状態で、異次元へとサディ人格をブッ飛ばした配信を続けるちぐにゃにゃんの視界に……

「!?」

 あの憎きクソキモコメントの嵐によって、ちぐにゃにゃんの心に焼印のように焼き付いた……、あのオススマンのアイコンと同じマークをつけた貨物航宙船が、お部屋の窓の外に浮かんでいるじゃありませんか!

「ごめんなさいにゃ。急用ができたのにゃ。ナニカがふらっとやってきたにゃ。今日の配信はここまでにゃ」

 猫耳カチューシャのヘッドセットマイクのスイッチをまずはOFF。

 そしてちぐにゃにゃんは器用に自分の背中に手を回し、秘密平気! ちぐにゃにゃんスイッチをバチンとOFFにする。

「あの野郎ぉぉぉぉ!」

 通常の三倍カワイイちぐにゃにゃんから、通常の三倍以上に危険なサディに戻り、漆黒と深紅の着物と猫耳とつけ尻尾をかなぐり捨てる!

 脱ぎ捨てた着物の中から現れたのは、肉体を縛り上げる拘束具のように、ベルトと金具が全身に交差する黒革のドレス。それが身につける者がもつ女性特有の身体の線をこれでもかと強調する。ドレスに合わせたボトムスはやっぱりハードな黒革製。なのだけど、デザインがフレアミニスカートの形でなんだかとってもぐっとくる。そこからのびる左脚には傷口をふさぐ赤いい目のような編み上げが走る、太ももまでおおうハイヒールのサイハイブーツ。右足にはサイハイブーツとは対象的に、足首からフレアミニスカートまでの距離を無防備なまでに肌をむき出しにさらすハイヒールのショートブーツ。

 ゴツ! ゴツ! ゴツ! 

 ボンテージなサイハイブーツと、魅力的な足をだいたんにさらすショートブーツが、キャプテン・パンダと愉快な仲間達号の回廊かいろうを走りだす。



「運営さん? ちぐにゃにゃん企業勢なの? 二次大惨事ってなんかどっかの有名どころパクってない? またまたそんなこと言って、ちぐにゃにゃん本当は個人勢でしょ? わかってるんだからぁ」

 オススマンの発言に、アークが頭を抱えていると……

「公開チャンネルに割り込み通信!?」

 AXEが突然告げる。

「エアロック稼働!? キャプテン・パンダと愉快な仲間達号の格納ハッチが、いつのまにか開放されています!」

 ミーマが驚愕きょうがくの状況報告!

「ななな?」

 アークが状況を理解できずに混乱。

「私、ちぐにゃにゃん。いまあなたの貨物運搬航宙船のエアロックにきているの」

 サディの声が公開チャンネルに突然流れる!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ