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海賊放送船イービル・トゥルース号の冒険  作者: 悪魔の海賊出版
第三部・キャプテンパンダと愉快な仲間達号の冒険

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あたしは、ちぐにゃにゃんの用心棒

あたしは、ちぐにゃにゃんの用心棒



「私、ちぐにゃにゃん。いままでのお礼をたっぷりしたいから、このエアロックを開けてくれないかしら?」

 公開チャンネルから流れるサディの声。冷たい戦慄(せんりつ)が、アイアンブルーとガンメタルグレイの艦橋に走る。

「まさか……」

 アークが自席の操作盤を叩く。

「ヤヴァイヤヴァイヤヴァイ! これはヤヴァイ!」

 目の前で操作盤に光る、人型をした赤い点滅表示にアークが震える。

「ちぐにゃにゃ〜ん。きてくれたんだねえ。今すぐ開けるよぉ〜」

 とオススマン。

「オススマン! 絶対にエアロックを開けるな! 中にいれたら最後だ! 絶対に助からん!」

 アークがヘッドセットマイクに向かって叫ぶ!

「運営さーん。ちぐにゃにゃんの気持ちは運営さんとは違うみたいよぉ?」

 オススマンがエアロックの解除ボタンに手をのばす!

「言っていることがわからんか!? 絶対にエアロックを開けるな! そいつは宇宙で1番危険な、ブラックホールとか超新星爆発級にヤヴァイ存在なんだぞ!」

 アークがさらに叫ぶが、オススマンはそれを無視。

 ぽちり。とエアロックの解除ボタンを押したのだった。



「私、ちぐにゃにゃん。エアロックの中に入ったわ。ここは貨物室ね。はやくオススマンさんに会いたいわ」

 オススマンは走った。全力で通路をぶっ飛ばした。

 エアロックにはいま、通常の三倍カワイイ猫娘。ちぐにゃにゃんがきている!

 胸は動悸動悸(どうきどうき)! 心は沸(わ)く沸(わ)く! 頭の中はパッパラパー!

「ちぐにゃにゃ〜ん!」

 オススマンが貨物室のエアロックへ突入!

 目の前に立っていたのは……

 それは、巨大な金属のカタマリだった。悪霊退散(あくりょうたいさん)と書かれた両の鉄拳。左肩に取り付けられたのは、六本の銃身を束(たば)ねたヘヴィマシンガン。通常の三倍かわいくポップな感じに見えるはずの赤い塗装も、いまは無味乾燥(むみかんそう)な貨物室の照明に照らされたせいか、大惨事後(だいさんじご)の血塗(ちぬ)られた色に見える。

「え?」

 オススマンの表情が凍りつく。

「安心して。簡単には殺さない。あたしはちぐにゃにゃんから依頼を受けた用心棒よ」

 キュイーーーン。

 巨大な金属のカタマリからアクチュエータの動作音。左肩の六本の銃身を束(たば)ねたヘヴィマシンガンが、すみやかにオススマンへと向けられる。

 パァァンッ!

 乾(かわ)いた発射音が貨物室に反響(はんきょう)する。

 ヘヴィマシンガンからはなたれた一発の黒い弾丸が、空中で花開き十文字形へと変形しオススマンに飛来(ひらい)。オススマンは黒い十文字に直撃されて、後方へとふっ飛ばされる。

 ばっちーーーん!

 貨物室に積載(せきさい)された梱包物(こんぽうぶつ)に、黒い樹脂製のバッテンマークでガッチリバッチリギッチリ固定されるオススマン。

 ウィィィィン! ガチャン! ウィィィィン! ガチャン!

 全高四メートルの金属製の巨人が作動音を貨物室に響かせながら、梱包物(こんぽうぶつ)にはりつけにされたオススマンに向かって歩いてくる。

「あああああ……」

 ちぐにゃにゃんに会える幸せの絶頂(ぜっちょう)から、地獄の底の冷たさの中に突っ込まれたオススマン。

「あなた。クソキモコメントの嵐で、ちぐにゃにゃんに数々のセクハラをしたわね? さらに、あなたはちぐにゃにゃんをコメントでバカにし続けた。ちぐにゃにゃんに三割しか実入りのない、高額スーパーチャージをいくらしても、その罪が消えるなんてことはないの。というか、高額スーパーチャージをする分、即ブロックすることをちぐにゃにゃんにためらわせたあなたは、とにかくやたらと異常なまでに質(たち)が悪かった。そんなあなたの行為は、あなたが贈った高額スーパーチャージをあたしへの依頼に使うことを、ちぐにゃにゃんにためらわせなかった。安心して死になさい。あなたの高額スーパーチャージは、間違いなくちぐにゃにゃんが有効に活用しているの」

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