旅立った所で
「これからどうしようか...」
一息ついたところで、少年...ユーリが呟いた。
両親どころか、村ごと盗賊に焼かれてしまった今、どこにも行く場所はないだろう。
「この近くに、別の村はないの?」
まずは、夜を過ごす場所と、食事の確保が最優先だ。
多少魔法が使えるとはいえ、子供2人では心もとない。
この近くに野生の何かが出ないとは限らないし。
「あるにはあるけど...」
ユーリの説明を要約すると、たまに食料など必要なものを買い出しにいっていた町【リィズナ】が、ここから歩いて数日ほどのところにあるらしい。
ただ、二人だけで数日も歩いていけるか不安ではある。
「それしかないなら、行くしかないよね!」
俺は持ち前の楽天さをもって、にっ、と笑ってみせる。
「そうだな、がんばるか!」
こうして、俺たちの旅が始まった。
向こうの方が明るくなり、チュンチュンという雀(いるのか?)の声も聞こえてきた。どうやら明け方らしい。
旅立ちには、ちょうどいい。
両親のお墓だけを簡単に作って、歩き出す。
暇なので道すがら、この世界のことをユーリに聞いた。
この世界は、どうやら中世ぐらいの生活水準らしい。
馬車はあるが、車はない。電車もない。
しかし現代にもなかった、魔法が使える!
この世界の魔法は、精神年齢【想像力、知識】と、肉体年齢が重要で、かけ算の要領で魔法力が上がるらしい。
例えば、ユーリは標準よりすこし上くらいの知識と、12歳の身体を持っているので、
標準×12歳=12歳標準の魔法力
となるわけだ。
肉体年齢は、単純にこの世界に何年生きているかで計算するので、年をとっていればいるほど有利だ。
その年月、この世界のマナを浴びているかららしい。
もし100年200年生きている、エルフとかがいれば...その力はすごいことになるだろうな。
基本的に、魔法は誰でも年をとれば使えるようになるもので、だからこの知識も田舎の村に住んでいるユーリが知っていたわけだ。
逆にいうと、魔法についてはこれ以上分からなかった。
しかし、さっきの魔法でユーリよりも高い威力が出た、ということは。
「日本人の標準教育を受けてきてよかった...」
おそらくそういうことだろう。
いくつか質問したが、ユーリは現代日本人でいうと小学校1,2年分の知識を持っていそうだ。
文字がかけるか、かけないくらいの。




