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ウツロヤミ  作者: ミーン
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むせる

昔っからの友人と某有名コーヒーチェーン店で話していた時のこと。

会話のあいまに、なんとなく友人の視線がチラチラと私の左うしろに流れるなあ〜って思ってたけど、たぶんこの子“何か”見えているんだろうと思って気にしないことにしてた。


そのうち、私のうしろにいたサラリーマンが「ゲホッ! オホッ!」とむせる声がした。

そのとたん、友人は握った手を口にあて、「プッ!」って吹き出して、あわてて顔をそむける。

「何がおかしかったの?」

たずねると、友人はテーブルに備え付けのペーパーナプキンを取り出して、お世辞にも上手とはいえない、リスなのか子ギツネなのかわからない動物の絵を描いた。

「あの人の肩にこんなちっちゃい動物が乗ってたの。それがさっき、ちょうどコーヒーを取ろうとした時にチョコチョコ手の先に走ってって、コップにポチャンってはまったのよ。

知らずに飲んだあの人、思わずむせたんだけど、動物のほうはびっくりした顔したあと、キョロキョロしてどっかへ走っていっちゃったの。カワイイ〜!」

普段、「見えないほうが楽」とかグチられるこのクサレ縁の友人の話に、初めてちょっとだけうらやましいと思った。


私も時々むせることがある。家族も他の友達もむせる場面にも出くわす。

そのたびに、ちっちゃい動物を飲んじゃってたりするんじゃないかって、今ではおもしろビクビクしてる。


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