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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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050_妹とチートアイテム

 朝の光が部屋に差し込んでいる、久しぶりの気持ちいい朝だな。カーテンを開けると綺麗な朝日が窓の向こうに見える。これは気分がいい。さわやかな朝というのは良いものだ。ふと、刺激的な臭いが鼻をくすぐる。


 まあ朝だからと言って心地よい臭いまでは保証できないだろう。今日は生ゴミを出しても良い日だっただろうか?


「お兄ちゃん?」


 青空に太陽という気持ちの良い組み合わせなので窓を開けた。スッキリするなあ!


「兄ちゃん! 朝ご飯出来ましたよ!」


 そろそろ現実逃避も限だな……階下から声がするのを無視できなくなってきた。それ自体は問無い声なのだが、昨日見てしまったのだ……郵便受けに差出人不明の郵便が入っていたので開けてみると、中に入っていたのはハートマークの付いた液体入りのボトルだった。どう考えてもまともなモノじゃない。


 そう考えて捨てようとしたところで大急ぎできたであろう阿地が俺からそのボトルをひったくり『私が買ったモノです!』と言って持ち帰っていったその時に妹はボトルを奪って大急ぎで部屋に帰ったので忘れたのだろう、納品所が残っていた。


 それには『媚薬』とか『気になるあの人に』とか書かれた商品だった。どう考えてもまともなモノじゃない、そうしてその日の夜、阿地は『明日の朝ご飯は作りますね』と言って部屋にこもってしまった。


 そうなると朝食の臭いの正体が嫌でも想像がついてしまう。見た目はいたって普通の白米と味噌汁なのだが、どう考えてもそのメニューからはしないような臭いがしている。阿地の方と取り替えてくれと頼もうか? いや、妹に負担をかけたくはないな。


 俺は鋼の意志を持って食事を口に入れた。味噌汁なのに甘さがたっぷり感じられる。味噌汁ってそういう料理じゃないだろ。白米の方は見た目がまともなので安心していたのだが、口に含むとあり得ない味がした。米から酸っぱい臭いが漂ってくる。この前買ったばかりなので痛んでいるはずが無い。


 美味しくないのを我慢して食べ続け、完食したところで水を一気飲みした。その時に阿地がニヤニヤとこちらを見ていたのは覚えている。結果から言えばあの怪しい液体には気分を操る効果は無かった。


 俺が席を立つのを見て妹はハッキリ聞こえるほど舌打ちをしていた。怪しい商品でなんとかしようとするんじゃないっての。


 食事は終わって部屋に帰るとなんだか気分が悪くなった。椅子に座ると耐えきれず寝てしまった。


 目が覚めた頃には夜であって、背中に上着が掛けられていた。そしてテーブルの上に『ごめんなさい』と書かれた紙が置いてあって、それは妹の字だった。


 どうやら流石に罪悪感はあるらしい。あの胡乱な食事を出されたのはその日だけだった。もう二度とあんなものを出されないことを祈るばかりだ

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