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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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038_妹は朝から絶好調だ

「お兄ちゃん、好きですし愛しています。おはようございます、お兄ちゃんも愛していると言え」


「おかしい話にまともな挨拶を挟むんじゃない。早朝から自分の耳がおかしくなったかと思うだろうが」


 朝から胡乱な挨拶をしてくる妹に呆れながら朝飯のカップ麺にお湯を注ぐ。もう少しまともな挨拶は出来ないのか……しかも自分のお気持ちだけならともかく、俺に発言を強要してるし……お前はそれでいいのかと訊ねてみたいよ。


「お兄ちゃん、朝ご飯にカップ麺は感心しませんよ。もう少し栄養に気をつかってですね……」


「はいはい、俺は先人がよーく考えて発明したインスタント麺を信用してんの。ほら、昭和の立てこもり事件で大活躍した由緒ある食べ物だぞ?」


 歴史もあり、技術的にももう枯れたと言っていいほどの発明だ、これ以上何を望むというのだろう?


「いいですか? 今、昭和から元号がいくつ変わったと思ってるんですか? 大体発明した人だって昔の栄養不足を解消しようとしただけで食べ物が余ってるのにこれで全部賄おうとしたわけではないと思いますよ?」


「屁理屈だ!」


「何が屁理屈ですか! お兄ちゃんの方がよほど屁理屈でしょうが!」


「はぁ……分かった分かった、屁理屈だよ。ただな、朝一でお前がする発言も大概だったってのを覚えておけよ?」


 阿地がしてきた放言に放言で返しただけなんだから俺が怒られる謂れは無いと思うんだがな。


「お兄ちゃんを愛していると宣言することのどこに問題があるんですか!?」


 マジかよ……無意識でやってんの? だったらどうしてあんな話し方をしたんだ? 正気とは思えなかったぞ? どう考えても自分の発言がまずいからそう話しただけのようにしか聞こえないんだがな。


 自分のしていることを問題無いと思いつつ非常識な発言をするほど厄介なヤツはいないと思う。そういう類いの人間なのだろうか?


「まあ個人の好き嫌いは自由だと思うが、加減ってものを考えろよ? 日本は内心の自由も言論の自由もあるが、何言ってもその結果どうなるかまでは保証してくれないんだからな、大手を振ってそんなことを言ったらどうなるかわかんないのを覚えておけよ?」


 言論の自由は言うのは自由だがその結果に責任をとらないものだろう。頼むから家の外でそんな発言をしないで欲しいと思う。


「お兄ちゃんは細かいですね……まあいいでしょう。分かりました」


 お、あっさり引き下がってくれたな。正直ちょっと意外だ。コイツがこんなに物わかりがいいとは意外だな。


「お兄ちゃん、以外だって顔をしてますね? ふふふ、お兄ちゃんにしかこういうことを言わないでくれって言われるとなかなか気分がいいんですよ」


 歪んでる! この妹歪んでるよ!


 無敵みたいな理屈を通す我が妹に議論は無意味なんじゃないかと思わされた朝だった。余談だが、明言していないだけで家の外でも俺にベッタリなので言うか言わないかだけで、確定しているかそう思われているか、俺と妹の関係はそんな違いしかない。まあ、本人は満足げだし放っておけばいいだろう。

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