表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/49

036_妹とネット巡回

 その日、阿地と一緒にネットショッピングをしていた。お互い外に出るのは好きじゃないし、毎月遠方の親からプリペイドカードに補給がある。だったらネットで買えばいいじゃないかという話だ。生もの以外はだが……


「お兄ちゃん、コレ買いましょうよ!」


「やだよ……兄妹モノの青年マンガを親の金で買いたくないし」


 常識ってものを知らないのか? アカウントは自由に使えるし、親のチェックがあるだけでよほどのものを買いでもしないと問題にはしない。にしてもそれを親と共有しているアカウントで買う勇気はない。


 しかし一時を境に兄妹モノも一線を越えるのが増えてきたな……俺は十八禁のものは知らないが、それでも一般向けの漫画やラノベ、ギャルゲなどでの匂わせはある。そういう時代なんだろうなとは思うのだが、隣に妹がいるというのにそんな話題を出すわけにもいかない。


「お、良いものがあるじゃあないですか! これには十八禁フラグが設定されていないので買えますよ!」



 チキンレースをやってるんじゃないからさあ……ギリギリを攻めるのはやめないか? 怖いのでそっとそのページを閉じた。サンプルにやたらと肌色が多かったことだけで内容が想像できる。


「なあ、この辺でいいんじゃないか? 無難な買い物だし」


 俺は問題無いであろうワイヤレスイヤホンのページを開いていた。一万円以下でそこそこの評価がされているものだ。


「ダメです、お兄ちゃんの占有時間を奪うものは等しく悪ですから」


「いくら何でもそんな理由で評価されたら堪ったもんじゃないよなあ!?」


 レビューで書いたら削除されて当然の評価だった。それを至って真面目に言っているのだから困ったものだ。どう考えても与太話にしか思えないのだが、妹のまっすぐな目を見ていると否定しづらいからやめてくれ。


「あ、それとも私のASMRが聞きたいですか? お兄ちゃんのためなら余裕で耳だって舐めますよ!」


「頼むから全年齢向けの発言をしような? 耳舐めとか中学生のやる事じゃないからさ……」


 どんな発想をしたら妹の耳舐めASMRを聞かなくちゃならないんだ、というか配信者たちでさえ収益化を剥がされるリスクがあることを兄相手にするんじゃない。


「お兄ちゃんはチキンですねえ……アウトのラインギリギリを攻めるんだから楽しいんじゃないですか」


「そういうのに俺を巻き込まないでくれよ、俺は平和に生活したいんだよ。好き放題やって安定した生活が出来ないだろうが」


 安定した老後って憧れるよね、わざわざ鉄火場みたいなものを目指すのは自分一人でやってくれ、俺はそんなものの責任は取れない。


「安定した生活なんてつまらないじゃないですか? この国で兄妹が結婚できないのも妹過激派が政治家になってくれないからなんですよ?」


「それで票が取れると思う政治家には絶対に投票したくないな……」


 妹過激派ってなんだよ……どう考えても政治家に向いていない存在だと思うぞ。


「はぁ、しょうがないですね、私の方でちょっとポチっておきますから今月の予算は分けてくださいね」


「それはいいけど公序良俗に反しないものを頼むぞ」


 それだけ言って阿地は部屋に帰っていった。何を買うんだろうかとは思うが、気にしないでおこう。妹の買い物に口を挟むと責任をとらされかねないからな。俺は俺、妹じゃない。


 そうしてブラウザを閉じて妹が何を買うかは気にしないことにした。ただ、後日、妹ものの作品で有名なラノベ作家が新刊を出す日にちょうど商品が届いたのはきっと偶然で、それを開けるのは野暮というものだろう。阿地が満足するものを買ったんだからそれをとやかく言う気はない。妹が健全なものを買っているのを願いながら俺はコーヒーを一杯すすった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ