002_とある朝のお話
「お兄ちゃん、せっせとしましょう!」
「初手アウトな発言はやめようか?」
「何を言っているんです? せっせとなになにするというのは立派な日本語で、特定の何かを指しているわけではありませんよ?」
「スラングならセーフだなんて思うなよ……」
我が妹ながら初手でラインギリギリをぶっ込んでくる勇姿には呆れるやらなんとなら。阿地のフリーダムっぷりには関心さえ覚える。それはそれとして問題になりそうな発言はやめろ、いくら誰も見てないからって何をしてもいいわけじゃないぞ。
「まあまあ、朝ご飯でも食べながらお話ししましょうよ。私たちはくだらない日常会話をするためだけの存在なんですから」
「またメタ発言を……笑って許してくれない人も居るのは理解しておけよ」
「私たちの会話を楽しめるなら問題無いでしょ」
まあくだらない会話をするのは事実なので否定できないわけだが……それにしたって公言していいことでもないだろうに。
「そう言えば最近はAIが発展してきてますけど、私たちもそのうちAIに置き換えられたりするんですかね?」
「それだけはないから安心しとけ、一応手書きしているのが数少ない売りの一つみたいなもんだからな」
「売りが『人間が書いてる』ってのもどうかと思いますがね、まあメリケン製のプロダクトに兄妹モノを書かせようというのはどだい無理でしょうが」
そりゃまあ大抵AIに書かせようとすると拒否されるけどさあ、AIでも書けるラインで止めておくのが安全だと思うぞ。
「ところでお兄ちゃん、今私たちが来ているものについて何も言及がないですよね?」
「何言ってんだ? 朝ご飯のためにパジャマでテーブルに着いているじゃないか」
「お兄ちゃん! 空気を読んでください! おかげで私たちの格好がパジャマになったじゃないですか! せっかく言及がなかったので私たちが全裸スタイルの可能性があったのに潰しちゃったんですよ? アニメ化したときに肌色が多いと売り上げがどれだけ違うと思ってんですか?」
「書籍化もしてないヤツがアニメ化なんてするわけねーだろ。大体朝食を裸で食べる家庭なんて居たらおかしいだろうが」
言及がないからって常識の範囲を超えていいわけじゃないからな? そんなこと言い出したら極論地球の原子一個一個の動きまで説明が必要になるだろうが……
「まあ今日はこの辺で勘弁しておいてあげましょう。私の寛大さに感謝してくださいね?」
「どう考えてもお前が不規則発言をするのが問題だよなあ……」
「お、喧嘩売るんですか? 私には自由意志があるのでここで脱いでお兄ちゃんに飛びかかってもその描写を詳細に書かせることだって出来るんですよ?」
「脅迫の仕方がエグい! ここまで自由を無条件な正義だと思うなよ?」
なんでも出来るからって何でもしていいってわけでもないだろうに。そんなくだらない会話をしていると、時間がそろそろ迫ってきたのでどちらにせよここまでだな。
「待て次回!」
勝手に予告を入れるなよマイシスター……




