表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/26

第二十三話 アルバム(前編)

※本日は前後編で投稿します。

 後編は20時に投稿予定です。

 父さんは、次の日の朝には帰った。「彩葉が家で待っているから」と言ってた。僕は、彩葉と最後に会ったのは五年前――大人になってるんだろうな……

「ばぁちゃん、最近の彩葉、知ってるか?」

「知らないわよ。あの人が連絡くれるわけないでしょ。」

 やっぱり僕は、父さんが少しムカつく。

「確かに父さんは、急に来て、急に物言うからな。」

 言ってやった、と思ったそのとき、不意に聞かれた。

「あんたは妹が住むことはいいの?」

「うーん……確かに部屋はあと二つ空いてるし、いいと思うんだが、疲れそうで……」

「でも彩葉ちゃん、家事できるみたいだし、手伝ってもらおうかな?」

「ばぁちゃんまで!?まじかよ!でもな……」

 僕は、これから落ち着かない日々になりそうな気がした。


 夏休みも半ばになってきたある日、僕の家でひまりとりお、三人で遊ぶことになった。りおから「週末、遊ぼう!」とは、言われたが、まさか、僕の家に来るとは思っていなかった。急いで片付けをした。

「けど、今日はしっかり準備したから、大丈夫だ。」

 そう、自分自身を鼓舞していると、ひまりの声が聞こえ、玄関に行くと二人がいた。ひまりが僕を見つけてすぐに言った。

「来たよー」

「もう来たのか?」

「早く遊びたくて、来ちゃった。お邪魔しまーす。」

「お邪魔します。」

「待て待て……」

 僕はそう言ったが、二人は構わず、リビングに行ってしまった。

「まったく……」

 僕も遅れてリビングに行き、机を見ると、昨日、父さんと話しているときに見ていたアルバムが……

「やべ……」

 そんなことを思って片付けられずにいると、りおが聞いてきた。

「今日、おばあさんは?」

「なんか用事があるみたいだ。」

「身体、大丈夫なの?助けてあげなさいよ。」

 僕はその言葉が、お母さんみたいだけど、それとは違う温かさを感じた。

「大丈夫だ。僕もちゃんと働いてる。」

 りおはそれを聞いて、微笑んでいた。僕はそれを見て、少し頬が温かくなった。

「今日は何するの?」

「ちょっと待てよ、持ってくるぞ。」

 ひまりに聞かれて、僕は切り替えて、冷蔵庫に向かい、ひとつ取り出して、二人のもとに向かった。

「スイカ割り!どうだ!?」

 二人に自信満々に見せた。

「ほんとに!?」

「おー」

 ひまりは予想通り驚いた反応をしたが、りおは少し冷静だった。庭でスイカ割りを始めた。

「よし!やるぞ!まずはりおから。」

「私から!?なら一発で決めるよ!」

「もっと右!」

「左だ!左!」

「おいおい、どこ叩いてるんだ。」

「りっちゃん、何してるの?」

「無理だぁ……ごめん交代、次ひまりね。」

「よし!りっちゃんに勝つぞ!」

「左だ!左!」

「前だよ!前!」

「ここだ!えい。」

「ひまり……それ庭の石だぞ……」

 僕がそう言って、ひまりが目隠しを外すと、

「ほんとだ。ごめん交代。」

「ひまりったら全然じゃん。」

「次は、僕だな!決めてやる!」

「よし、ここだ!」

「ゆうくん、当たった!」

「けど、まったく割れてないよ。力弱すぎるよ。」

「まじか……僕だけ当たったはずなのに、馬鹿にされてないか。」

 そんな感じで、みんなで回しながらやっていたがスイカ割りは、全然上手くいかなかった。このときは、アルバムのことなど頭の隅にもなかった。――そのはずだったのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ