第135話 神と傀儡の十帝
どうもゼロです。
最近の楽しみはアメリカの中間選挙!
あんなに接戦になることなんてあるんですね。
日本は一党優位制なので面白みに欠けるんですよね。
アメリカのような二大政党制かドイツのような連立政権になるのなら、選挙も面白いと思うんですが。
まぁなんにせよ日本は野党が弱すぎてだめですね。
※注意※
今回の話、自分の表現力が無いのでそこまでだとは思いますが、グロ注意です。
想像力豊かな方はどうぞお気をつけて。
「私はエグゼディア神皇国王太女にして、十帝冠位序列第8位〈傀儡〉アリア=グランギニョル=マリオネイティ。貴方の国、私にちょーだい♡」
そう言うと少女――アリアは手から糸を伸ばし、俺達を拘束しにかかる。
成程、目的はそれか。
つまりはウチの国を傀儡国家にしたいと、文字通りの意味で。
だが、そう都合よくはいかせない。
俺は糸が到達する前に結界を張ろうと、右手を前に翳す。
「『遮断結界』」
パァァァンと糸が弾かれ、驚きの表情を見せているアリアの手の中に糸が戻る。
「くっ、まさか弾かれるなんて!でも、これならどうかしら?『傀儡追走曲』!!」
アリアは玉座からスッと立ち上がり、両手を広げる。そこから出た無数の糸と共に、ザッザッという音が響き渡る。
そして部屋の両脇にある扉から何十人もの兵士が現れ、俺達の前に立ち塞がった。
「さぁ、私の前で無様に踊りなさい!『傀儡諧謔曲』!!」
アリアはまるで指揮者のように腕を振る。
その動きに合わせて、何十人もの兵士が俺達に襲いかかる。
兵士達の目に光はない。
やはりアリアに操られているのは明白だ。
しかし、これ程の人数を同時に操れるとは、第8位とはいえ流石は十帝だな。
俺が素直に感心していると、ライムが俺に話し掛けてきた。
「ゼロ様、如何致しましょうか」
「ああ、取り敢えずそれぞれ応戦するか。それと殺さないようにな。イーゼルも大丈夫か?」
「うん、問題ないよ」
「ですがこれだけの人数、殺さずに捌けるでしょうか?」
「うーん、糸切れば良くね?」
その会話を聞いていたのか、アリアは「アハハハハッ」と高笑いする。
「糸を切る、ですって?私の魔力糸をがそう簡単に切れるとでも「スパッ」・・・え?」
俺は即座に異空間収納の中から銃剣ラグナロクを取り出し、アリアの両手から出ている糸を一閃する。
指揮系統を失った兵士達は次々と、人形のようにバタバタ倒れていく。
「な、何が・・・!?私の魔力糸が切られた!?」
アリアは糸を切られることを想定していなかったのか、驚愕と共に項垂れてしまった。
漸く終わったかと、俺が銃剣ラグナロクを異空間収納に戻した時、「アハ、アハハッ、アハハハハッ!!」とアリアは狂ったように笑い出した。
その刹那、倒れていた兵士達が突然起き上がり、俺達の周りを包囲した。
「アハハッ!掛かったわね!この兵士達は既に私の傀儡。私はこの糸で行動を操っていただけ。貴方達は指揮系統を失った兵士達を一気に相手できるかしら?私の魔力を纏い、狂気に満たされ暴走する兵士達を!さぁ、踊り狂いなさい!『傀儡狂詩曲』!!」
兵士達はアリアによって統率された動きを見せていたが、それが無くなったことにより兵士達は暴走し、見境なく襲って来るようになってしまった。
「あー、これはちょっとヤバいかも。イーゼル、結界張るから離脱してくれ」
「うん、分かった!」
俺はイーゼルに結界を張ると同時に『光学迷彩』を掛ける。
これでイーゼルは誰にも視認されず離脱することができる。
イーゼルが大勢の兵士達の上を飛び越え、部屋の隅に移るのを確認した俺は、ライムと背中合わせになり、兵士達と対峙する。
「さて、ライム。さっさと片付けようか。大丈夫だよな?」
「はい、この程度問題ありません」
「よし、それじゃあ・・・蹂躙の時間だ」
俺がそう言うのと同時にライムは足元に、そして俺は頭上に魔法陣を展開する。
俺達の上下にある魔法陣が兵士全体を覆う程の大きさまで広がると、下に展開した魔法陣から緑色の光が兵士達を包み込む。
これは『回復』。
ライムは兵士達に回復魔法を掛けているのだ。
「な、何!?なんで回復魔法!?まさか私の傀儡を解除する気!?」
実際ライムの回復魔法によって兵士達は足を止めている。
だが、回復魔法では傀儡は解除できない。
足を止めているのはその暖かい光に傀儡状態ながらも感じているからだ。
さぁ仕上げと行こうか。
俺は上に展開した魔法陣から無数の鉄の弾丸を降らせる。
鉄の弾丸は兵士達の鎧をいとも簡単に貫通し、次々と兵士達は倒れていく。
しかし、ライムの回復魔法によってすぐに回復し、また立ち上がろうとする。
そこをまた鉄の弾丸が兵士達を貫き、倒れては回復、倒れては回復のループ状態となった。
ライムの『回復』は身体の傷だけでなく、失われた血液をも再生させる。
そのため、兵士達の周りには夥しい血の雨が降り注いでいた。
「「『エリュシオンに血の雨』」」
俺とライムによる合成魔法によって部屋全体が血に染まっていく。
既に結界を張っている俺達には血は掛からないが、アリアには当然兵士達の血が飛び散って来る。
時間が経てば経つほど降り注ぐ血の雨は多くなる。
正直言ってグロいだろう。
ライムは回復魔法を掛けている間は目を瞑っているので見ていないので無事だが、このような光景を目の当たりにして平静を保てる人はそう居ない。
アリアは既にその場でへたれ込み、涙を流しながら失禁している。
少しやり過ぎたか?
俺は上に展開した魔法陣を解除して、『浄化』を掛ける。
すると、一面を覆っていた血はすっかり消えて無くなり、元通りの光景に戻る。
俺がライムに声を掛け、回復魔法を解除させると、最後に回復したにも関わらず、兵士達は全員その場に倒れ込んだ。
操られたとはいえ生と死を何度も何度も繰り返す経験をすれば、そりゃ身体は持たないだろう。
ちゃんと生きているし、記憶にも残らないから問題ない。
アリアも多少は平静を取り戻したのか、俺達に怯えた声で話しかけてきた。
「あ、あ、あ、貴方達、、、一体何者、、、?」
アリアは掛かった血と流した涙と尿に塗れながら、ガタガタと震えながら俺達に尋ねてくる。
流石に哀れだったので、アリアにも『浄化』を掛けて綺麗にしてあげると、俺とライムはこう答えた。
「私は十帝冠位序列第7位〈回復〉ライムリー=アヴァンドン=リカバールです」
「同じく十帝冠位序列第1位〈絶対〉ゼロ=グランディオ=アブソリューティアだ」
アリアはそれを聞いて、自身より格上の存在だと認識したのか、項垂れて降伏を宣言した。
『エリュシオンに血の雨』は誰も殺していないのに破壊力がエグいです。
流石にこのような魔法はもう出てくることは無いとは思います、知らんけど。
次回はついに魔法神が登場します!