第132話 神は参加しない
ゼロです。
やる気が出たので続きを書きました。
尚全体的なやる気は微妙。
なので第4章はあと4話くらいで終わります。
今まで振り返って見ると第1章だけ50話と長いですね。
最初の想定では1章100話で考えていたので、第1章だけこんなに長く。
まあ結局50話で終わってるし、その辺は段々と適当に(笑)
ザンザルヴェート王国から帰国して数日後、俺は久しぶりにゲールノーア学園に登校していた。
2年次は基本的に学園には通わないのだが、今日は数少ない登校日である。
2年次には担任が居ないので、代理の先生がHRを行った。
「どうも、代理です。今日は登校してもらったのは、去年と同様に魔導祭の出場者を決めてもらうためだ。今年のパンフレットも配っておくから、後は自由に決めてくれ。以上だ」
代理の先生がさっさとパンフレットを配り終えると、教室から退室していった。
それにしても魔導祭ね。
あったなあそんな行事も。
どうでも良すぎて忘れてたわ。
「じゃあ早速、代表者3人決めようか」
五英傑の1人、アルフレッド=レーゼンバーグが取り仕切る。
ちなみに五英傑メンバーのうち、唯一の銀ランク冒険者である。
イーゼルやルナ、カーシャは未だ鉄ランクなので、相当頑張っていたんだな。
まぁこっちはそもそも依頼なんて受けている状況じゃなかったわけだが。
「前回は僕とイーゼルとゼロくんだったけど、今年はどうする?」
アルフレッドが俺とイーゼルに尋ねる。
俺とイーゼルは目を合わし、お互い頷くと、アルフレッドに向かって回答した。
「僕はパスかな。国王としてやることもあるし」
「俺も同じく」
俺達がそう言うと、アルフレッドは納得したかのように頷いた。
「分かった。じゃあ2人は除くとして、どうする?僕も去年出たし、今年はレオンとカイザーとギオンにしようか」
アルフレッドが3人にそう提案すると3人は椅子からガタッと立ち上がった。
「ふっ、この私に任せなさい。連覇させて見せましょう!」
「ああ!俺達に任せておけ!」
「しゃあ!去年暴れられなかった分、存分に暴れてくるぜ!」
アルフレッドが他のクラスメイトに同意を求めると、全会一致で賛成となった。
皆闘うより見る方が楽しいのだろう。
こうして魔導祭の代表は五英傑のレオン=フェルアーマとカイザー=メーメルとオーレギオン=ヴォルクスに決定した。
「よし、代表者も決まったことだし、今日は解散だな、皆お疲れ!」
HRが終わってからものの数分で今日の登校日は終了した。
普通は誰が代表者になるのかかなり揉めるらしい。
現に他のクラスでは誰が代表になるかギャーギャー言い争っていた。
すんなり決まって良かったな。
そう思っていると、イーゼルが俺に話しかけてきた。
「僕が言うのも何だけど、ゼロは結局出なくて良かったの?僕は国王という立場から遠慮させてもらったけど」
「まぁ俺も一応大閣だし、一国の首相が出るもんでもないだろ」
「それもそうだね、でも出ないとガルシアが騒ぎそうだけど」
「げ、確かにそう言えばそんなやつ居たなぁ」
ガルシア=エーゼンベルツは3年生となり、現生徒会長でもある。
ガルシアは確実に魔導祭に出場してくるだろうな。
ま、別にいっか。
闘ったところでどうせ俺が勝つんだし。
「うぉぉぉぉぉぉ!何でゼロは出てないんだよぉぉぉぉぉ!」
その後、魔導祭の出場者名簿を見たガルシアは地獄のような叫び声で騒いでいたという。
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「あっ、そうそう。俺大閣辞めるわ」
「うん、うん?・・・へ?」
俺の突然のカミングアウトにイーゼルは硬直した。
「いや、エグゼディアには一緒に行くよ。終わったら辞める」
「うん、それはそうしてもらわないと困るから良いんだけど、何で辞めるの?」
俺は困惑したイーゼルに向かって、真面目に回答する。
「魔法神グリーツィア=エグゼドと再会したら一回神聖アーク帝国に行こうと思ってな。最近世界の魔力の乱れが激しくなっている。何か起こる前に神同士で協議しておきたい。暫くここを離れるからな、辞めるということだ」
魔力の乱れが激しくなっていると言ったが、これを一般人が感知するのは難しい。
イーゼルは少し不服そうだったが、俺の辞任を了承した。
「分かったよ。じゃあ新しく大閣を誰にするか決めないとなぁ」
前国王暗殺の時に多くの貴族の爵位が褫奪されたから、閣僚を務められる貴族があまり居ないんだったな。
俺のせいだが元々不正をやってる方が悪いのだから仕方ないわな。
まぁあれから1年経ったから、イーゼルも流石に閣僚の選定は進めてはいるんだろうな。
「まぁ、頑張れ。それと別に大閣じゃなくていいからな。首相で良いんじゃない」
「首相って確か首席宰相のことだっけ?ゼロがそう言うならそうしようかな」
大閣は大儀閣僚の略なのだが、元々神代用語だし、神以外が使うのは不自然なのだ。
それに現代で大閣と言っても誰も理解できなかったからな。
俺でさえ結局首相と名乗っていた程だ。
「よし、ゼロが大閣辞めたら侯爵に陞爵させよう!」
「いや、何で」
こうしてイーゼルの気まぐれによって、俺は大閣を辞めると同時に侯爵になることが決定してしまった。
俺の爵位を上げても何も意味ないだろうに。
まぁイーゼルがそれで良いなら別に何か言うほどのことじゃないが。
「さて、今頃魔導祭はどうなっているかな?」
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「がぁぁぁぁぁぁ!物足りないぃぃぃぃぃ!」
ガルシア率いる3年Aクラスが圧倒的な勝利を収めていた。
消化不良なガルシアの雄叫びがゼロに届くことはなかった。
魔導祭は全カットです。
ゼロ出てないからね。
ルナ達はゼロが居ないことにしょんぼりしつつも、何だかんだ魔導祭を楽しんでいました。
そう言えばゼロってまだ11歳だよね。
そんな幼い侯爵なんて居るのかと。
見た目は子供、中身は神なので問題ないです知らんけど(笑)
次回はエグゼディア神皇国へと向かいます。