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神魔変転 ~転生した絶対神はその力で全てを超える~  作者: Absolute ≪ZERO≫/夢神零
第4章 国境開放と神々の邂逅編
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第126話 神と回復の十帝

バルバドスの共和制移行が楽しみで夜しか眠れません。

「私は、十帝冠位序列第7位〈回復〉ライムリー=アヴァンドン=リカバール、私の能力は、人を癒やすだけの能力ではありません!」



ライムがそう叫ぶと、両手を広げ、巨大な魔法陣を出現させる。



「『癌細胞増殖(キャンサー・インクリース)』!」



ライムが放った魔法によって、死霊竜(アンデッドドラゴン)の肉体に歪な痼が無数に現れる。



「これで終わり!『過剰回復(オーバーヒール)』!」



死霊竜(アンデッドドラゴン)に現れた歪な痼が瞬く間に膨張し、破裂する。


肉体はボロボロに裂かれ、尚歪な痼が増殖し、破裂を続ける。


ライムは癌細胞を死霊竜(アンデッドドラゴン)に発生させ、それを回復している。


癌細胞は他のウイルスとは違い、元々正常な細胞だったものだ。


回復魔法は基本的に欠損した細胞を修復するという効果を持つ。


癌細胞は無限に増殖するので、回復魔法を掛ければ掛けるほど増殖し続けるのだ。


成程、これがライムの能力、十帝たる所以か。


だが、まだ足りない。



「え、う、嘘でしょ・・・」



ボコボコに細胞が増殖し、原型を留めていないにも関わらず、死霊竜(アンデッドドラゴン)は動き続けている。


それでも苦しみ悶えるように咆哮を上げているが、死霊竜(アンデッドドラゴン)は癌細胞の増殖をも凌いでいたのだ。



「くっ、それなら!『過剰回復(オーバーヒール)』!」



ライムは今度は正常な細胞を過剰回復によって破裂させ、身体の機能を奪おうとした。


しかし、既に死霊竜(アンデッドドラゴン)は癌細胞に冒され、身体の全ての細胞が癌細胞に置き換わろうとしていた。


それでも死なない死霊竜(アンデッドドラゴン)を見て、ライムは絶望してしまった。



「そん、な・・・これでも駄目だなんて・・・もう・・・」



ライムは打つ手を無くしたのか、その場に崩れ落ちた。


普通の魔物ならば、確実に死んでいたのだが、今回は相手が悪かったようだ。


ライムは知らなかった。


死霊竜(アンデッドドラゴン)は心臓の核だけで動いているので、その周りの細胞がどうなろうと関係無かったのだ。


死霊竜(アンデッドドラゴン)はライムに牙を剥く。


ライムは絶望で項垂れている。



「全く、仕方無いな」



死霊竜(アンデッドドラゴン)が口から紫色のブレス攻撃を放つ。


その攻撃がライムに直撃する寸前、俺はライムの元へ行き、結界魔法でそれを防いだ。



「え?ちょ、ちょっと!貴方なんでまだ逃げてないの?!」


「何言ってるんだ。今の当たったらお前は死んでいたぞ」


「私の事は良いから、早く逃げなさい!私でも倒せないんだから、貴方だって・・・!?」



俺は死霊竜(アンデッドドラゴン)と真正面から対峙する。そして俺はライムにこう言い放った。



「俺は十帝冠位序列第1位〈絶対〉ゼロ=グランディオ=アブソリューティアだ」


「は?え?え?だ、第1位?!」



ライムが唖然としているのを余所に、俺は魔法陣を出現させる。


死霊竜(アンデッドドラゴン)を殺すには、心臓の核を滅ぼさなければならない。


しかし、心臓の核が少しでも残った場合、滅ぼす際に0.00001秒でも猶予が残った場合、そこから心臓の核は再生してしまう。


つまり寸秒の狂いも無く一瞬で消滅させる魔法が要求されるのだ。



「『閃光孛(ゲヘテル)』」



魔法陣が眩い程光りだし、その光が一点に収束する。


その光がレーザーとなり、死霊竜(アンデッドドラゴン)の心臓の核を貫く。


寸秒の狂いも無い、一瞬で核を消し飛ばされた事により、死霊竜(アンデッドドラゴン)はその身体を保てなくなり、一気に崩れ落ちる。



「さぁ、仕上げだ。『聖征星清醒(アグネシオン)』」



崩れ落ちると共に瘴気を撒き散らす死霊竜(アンデッドドラゴン)に対し、俺は浄化の魔法を掛ける。


普通の浄化ではなく、死霊竜(アンデッドドラゴン)が荒らした一帯を浄化するこの魔法によって、死霊竜(アンデッドドラゴン)諸共瘴気は消え去り、何も無い真っ新な大地へと還った。



「さてと、大丈夫だったか、ライム」



俺は座り込んでいたライムに手を伸ばすと、ライムはその手を取り、立ち上がった。



「あ、えっと、その。貴方が十帝の第1位様だったなんて」



おどおどしているライムを見て、ハハハッと笑う。



「な、何が可笑しいんですか!」


「いや、態度が変わったのが笑える」


「そんな真顔で言われても。白金(プラチナ)と聞いた時も驚きだったのですが、まさか十帝、それに第1位様なんて、貴方一体いくつなんですか?」



俺が「11、今年で12だな」と答えると、ライムは絶句した。


イーゼルやルナは今年で15歳、即ち成人するのだが、一緒にいる俺も同い年だと思っていたようだ。


まぁ確かに端から見れば、他の人よりも背が低い15歳に見られなくもないが、俺の身長は年相応である。


そんな遣り取りをしていると、「おーい!」と言うルナの声が聞こえた。



「どうやら、向こうも終わったようだな」



俺が振り向くと、手を大きく振っているルナとその後ろを歩くイーゼル、カーシャ、ヴェレアスが見えた。


ルナ達が合流すると、「お疲れ様」と声を掛けた。



「ゼロくんもお疲れ〜、ライムさんは無事だった?」


「ええ、第1位様の御蔭でね」



ライムがそう応えると、それに反応したのかイーゼルが訊ねて来た。



「ゼロ、十帝の事を教えたのかい?」


「ああ、かく言うライムも十帝の第7位だとよ」



俺がそう言うと、ルナとカーシャは「えぇ!」と驚いていた。



「第1位様、私が十帝である事は、ここにいる皆さんを除いて内密に」


「ああ、俺の事も内密にな。だから第1位様と言う呼び方はやめてくれ」


「分かりました。ではグランディオ様とお呼びします」


「長い、ゼロでいい」


「・・・分かりました。ゼロ、、、様」


「ん、それでいい」



ライムが照れているのに気付かない俺を見て、イーゼルは「はぁ」と溜息を吐くのだった。

ライムはゼロに好意を持ち始めました。

尚ヒロインにするかは不定です。

次回で一劃りとなりそうですが、章はそのまま継続です。

あと2カ国、長い。

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