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神魔変転 ~転生した絶対神はその力で全てを超える~  作者: Absolute ≪ZERO≫/夢神零
第4章 国境開放と神々の邂逅編
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第124話 神の龍の回顧録

お久しぶりの第124話です!

いやー、一回書き直したんで遅れてしまった。

まぁ同時平行で別の作品書いているからというのもあるのだが。

絶対神リュート=グロースが転生する10年前、便宜上ルーヴァー暦前10年と呼称する。


この年に1体の名も無い風竜が生まれた。


当時新たな竜が生まれる事はごく一般的な事であり、その風竜もまたごく一般的な竜種であった。


その風竜が2歳となった頃、幼い風竜はその好奇心で、住処を出て飛行を楽しんでいた。


しかし、何処からかやって来た雷雲に気付かず、その風竜は雲の中に突っ込んでしまった。


激しい雷雨の中、その風竜は脱出しようと必死に(もが)いたが、巨大な雷が直撃し、墜落してしまった。


翼や足は傷付き、移動する事が出来なかったその風竜は落ちた場所で、ただじっとしている事しか出来なかった。



「(我はここで死ぬのだろうか)」



幼い風竜は死ぬ事への恐怖で震えていた。


冷たい雨がその風竜に降り注ぐ中、風竜は何かが近付いて来る気配に気が付いた。



「(ああ、何かが来る・・・我の命もここまでか)」



そう思っていた風竜だったが、その思いは良い意味で裏切られた。



「あー、何だ?竜だと?こんな所で何してんだ?」



その風竜は震えた。


勿論雨に濡れた事による寒さへの震えではない。


その男の神威に、風竜は震えざるを得なかった。


彼は絶対神リュート=グロース、唯一の絶級神族であり、この世界の頂点に君臨する、文字通り絶対的なる存在である。



「・・・翼に、足もやられてんのか。雷でも直撃したのか。大人しくしてろ。『超回復(エクストラヒール)』」



風竜は分からなかった。


何故絶対神が一介の竜を気に掛けるのか。


何故路傍の石とも言える自分に救いを与えるのか。


その風竜は考えるのを止めた。


風竜の心には絶対神への絶大な感謝と忠誠が芽生えたのだった。



≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡



それから約2000年後、その風竜は再び絶対神と再会し、ヴェレアスの名と絶対神の眷属としての地位を与えられ、今は・・・ルナとカーシャのお守りをしている。



「ルナ!あのブレスレット、(とて)も綺麗ですわ!」


「ホントだ!何の宝石使っているんだろ!」



現在、首都イエルダムを観光中のルナとカーシャは装飾店のアクセサリーに夢中である。


ヴェレアスにとって装飾品など興味ないので、少々退屈そうにしている。


(いえど)も、主であるゼロから2人の護衛を頼まれた以上、しっかりと(こな)している。


ヴェレアスのゼロに対する信頼と忠誠は2000年経ってもなお変わる事は無かった。


それ故、今日はゼロの婚約者(仮)であるルナとカーシャを、主に相応しい人物かを見極めるいい機会となった。


この光景を見れば、珍しい物に(はしゃ)いでいる、ごく一般的な女子にしか見えない。


しかし、ヴェレアスは気付いていた。


ルナとカーシャは"立場的"にも不釣り合いではない事に。


ヴェレアスは見守る。


主と共に横を歩く2人の"女神"を・・・



≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡



「で、どうしてこうなった」



俺は観光を終えたルナとカーシャの足元に、大量のお土産が積んであるのを見て、そう呟いた。



「珍しい物が一杯あったから、つい(*´ω`*)エヘヘ」



ルナのお土産は殆どが食べ物である。


一部アクセサリーや小物もあるみたいだが。



「やっぱり文化が違うと様々な物があって(とて)も興味深かったですわ!」



カーシャの方はルナとは逆にアクセサリーや小物が殆どを占めていた。


いや、別に良いんだよ?


観光して来いって言ったのはこっちだし。


だがまさかここまで大量に買ってくるとは。


昨日の魔物退治の報酬の金貨1枚、全部使ったな。



「はぁ、それどうやって持って帰るつもりだったんだ?」


「「・・・( ゜д゜)ハッ!」」



これだけの大荷物、馬車には載らんぞ。


まぁ実は、帰る時の移動は転移で端折るつもりだったから良いけど、それが無かったらどうするつもりだったのだろうか。



「帰りは転移で移動するから、それ全部馬車の中に突っ込んどけよ」



俺がそう言うと、ルナとカーシャは嬉しそうに荷物を馬車に積み込む。


因みに観光中の荷物はヴェレアスにも持たせたらしい。 


ヴェレアス本人はそんな大変じゃ無かったらしいが。



「イーゼル国王陛下、少し宜しいでしょうか?」



聖女ライムがイーゼルに向かってそう尋ねる。



「ん?何でしょうか?」


「聖母様の命により私もあなた方の旅に同行させて頂きたいのですが」


「聖母陛下からそのようにと?僕は構わないけど、一応リーダーはゼロだから」



ライムは「え?」と言うと俺の方に顔を向ける。


確かに立場を考えればイーゼルがトップなのだが、冒険者で言えば俺の方が上だからな。



「俺は(名目上)白金(プラチナ)ランクだからな。冒険者ランクだと、俺の方が上だ」


「そう言えば貴方も(・・・)白金(プラチナ)なのでしたね。それで、同行を許可して頂けますか?」



アルマが何の為にライムを同行させたいのかは知らんが、まぁ別に同行は問題ない。


問題ないんだけどなぁ。



「いや、良いんだけどさ。帰りは転移使うから、グランツ王国まで一瞬だぞ?」


「・・・は?」

因みにルーヴァー暦1年の前は0年です。

こっちの西暦のように1年の前が紀元前1年だと計算がずれるんよね。

分かりやすいからルーヴァー暦には1年と前1年の間に0年を設けました。

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