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神魔変転 ~転生した絶対神はその力で全てを超える~  作者: Absolute ≪ZERO≫/夢神零
第4章 国境開放と神々の邂逅編
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第121話 神は聖なる光と共に

この物語、方向性だけ決まっていて、内容は書いている時の気分と流れによって決まるので、どういう話になるのかは直前まで未定な事が殆どですが、この話は一番最初から決まっていた話の一つです。

「・・・成程。まさに聖なる光、聖光(アークライト)だな」



俺がそう感想を述べると、聖母アルマは俺に向かって訝しみながらこう言った。



「貴方、グランツ王国の"大閣"でしたね」


「ああ、久し振りだな。"アルマ"」



俺がそう答えると、聖女ライムは血相を変えながら、「アルマ様を呼び捨てにするなんて、何たる無礼な!」と叫んでいたが、聖母アルマがそれを制止した。



「!?アルマ様、何故止めるのですか!」


「・・・ライム、下がりなさい」


「え・・・で、ですが!」


「下がりなさい」


「・・・分かりました」



聖女ライムは俺を睨みながら、渋々と聖母の間を後にした。


聖女ライムが部屋を出ると、聖母アルマが純白のカーテンを開け、その姿を露わにする。



「・・・貴方、一体何者?」



その神々しい姿に圧倒されながらも、イーゼルは俺に質問をした。



「ゼロ、聖母陛下と知り合いだったのか?もしかして、神代の?」


「ああ、彼女こそがこの国、神聖アーク帝国の主神にして、聖光を司る神。最高神アルマ=ト=イエロだ」



俺が彼女の本名を告げると、聖母アルマは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして俺に詰め寄る。



「貴方・・・私の正体を・・・本当に一体何者?」


「なんだ、まだ分からないのか、俺だよ」



俺は力を開放する。


額には絶級神族の紋章が現れ、背中には3対の白い翼が顕現する。


そして俺の両眼は紅く輝き始める。


その姿は嘗て、神界(ヘヴン)を統治していた絶対神リュート=グロースそのものだった。



「俺を忘れたのか?」


「あ・・・あ・・・ぜ、絶対神様ぁ」



アルマの目から一筋の涙が零れる。


まぁ実に2000年振りの再会だからな。


泣くのも無理はない。



「うっ、うっ、絶対神様ぁぁぁぁぁ!私はずぅーっと会いたかったですよぉぉ!うわぁぁぁぁぁぁん(´;ω;`)」



先程の神々しさから一転、子供のように泣きじゃくり、俺を抱き締める。


余りのギャップにイーゼルどころか俺まで絶句する。



「え、えーとゼロ?本当に最高神なんだよね」


「あー、うん。まあ、そうだな。おいアルマ、いつまで引っ付いてるんだ」


「だって・・・だって・・・ひぐっ・・グズ・・・」



アルマは俺の胸の中でぐずぐず泣いている。


と言うか聖母どころか最高神の威厳よ。


それで良いのか。



「あー、アルマ。一国の主が他国の王を前にして泣きじゃくるのはどうかと思うぞ」


「( ゜д゜)ハッ!これは失礼しました。絶対神様にお会い出来たのが嬉しくてつい、テヘ」



アルマは舌をペロッと出して、俺の胸から離れる。



「では改めまして、神聖アーク帝国皇帝にして聖母、そして聖光(アークライト)を司る最高神、アルマ=ト=イエロと申します」


「あっ、じゃあ僕もそれに倣って。グランツ王国国王兼外務卿にして絶対神ゼロ=グランディオ様の使徒、イーゼル=グランツです」



アルマとイーゼルは互いに握手を交わす。



「そう、貴方が絶対神様の使徒となられていたのですね・・・いいなぁ(ボソ」


「おい、アルマ聞こえているぞ。それに最高神は俺の右腕だぞ?使徒より立場上だからな」


「絶対神様ぁ、私もイーゼル陛下の手にあるような紋章が欲しいです〜。絶対神様を身近に感じていたいです〜」


「無茶を言うな、無茶を。それより、こんな事をしに来た訳じゃないからな。ま、後はイーゼルに任せよう」



突然振られて吃驚したイーゼルであったが、真面目な表情を保ちながら、今回の会談の目的を話し始めた。



「では始めに、我が国は貴国との準戦時体制の解消並びに平和友好条約の締結を望み「ええ、勿論良いですよ」・・・え?」



イーゼルが全てを言う前に、アルマが了承の意を示した。


ここまで真面目な表情を保っていたイーゼルも今回ばかりは「は?」と言う表情をしている。


それもその筈、抑々(そもそも)最初に関係を悪化させたのはこちら側であり、普通謝罪要求やら賠償請求やらこちら側が何かしら責任を取らせるのが一般的である。


だがアルマはそう言った帝国側の要求は一切無く、こちら側の提案を了解したのだ。



「えっと・・・提案しておいて何ですが、そんなに簡単に了承してしまって良かったのですか?」



イーゼルがそう尋ねると、アルマは高らかにこう宣言した。



「絶対神様が居らっしゃる国ですよ?当然じゃないですか!絶対神様が居なかったら滅ぼしてますよ!」



イーゼルはこの時、ゼロが味方で本当に良かったと再認識するのだった。



「そう言えば、聖女のライムだっけか?彼女にはどう説明するんだ?俺が居るから、じゃあ説明にならないし、抑々(そもそも)俺が絶対神である事を知っている人間はイーゼルだけだからな」


「絶対神様は自らの正体を明かさないのですか?」


「アルマだって最高神だと明かしてないだろ。必要になったら正体を明かすさ。あと俺の事を絶対神様と呼ぶのは禁止な。呼ばれただけでバレる」


「分かりました。ではゼロ様とお呼びしますね♡」



いや、皇帝が他国の首相に対して様付けで呼ぶのは違和感しかないのだが。



「まぁいい。取り敢えず署名しようか。アルマは一応条約の内容でも確認してくれ」



イーゼルは書面に記した条約の原文をアルマに渡した。


アルマはそれを一瞥し、「確認したから署名しよー!」と言うのでイーゼルはその早さに吃驚していたが、最高神だからと納得していた。


こうして、『グランツ王国と神聖アーク帝国との間の平和友好条約』が締結される運びとなった。

多分アルマはヒロインにはなりません。

なるならライムかな?

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