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神魔変転 ~転生した絶対神はその力で全てを超える~  作者: Absolute ≪ZERO≫/夢神零
第4章 国境開放と神々の邂逅編
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第116話 神達は呆れる

大学が始まったので通学中にちょこちょこ進めます。

ノーザングランデのに着いた俺達は食堂で昼食をとる事になった。


乗ってきた馬車を繋ぎ場に停め、店内に入る。


イーゼルは国王としての服装ではなく、あくまで冒険者としての服装をしているので、店内にいた客達にイーゼルの事に気付いた者は誰も居なかった。



「ご注文はお決まりでしょうか?」



接客の女性がそう尋ねると、早速注文を始めた。



「えっと、私はオムライスにハンバーグにそれに~、食後に特大パフェ!」


「ルナ、どれだけ食べるのですか!あっ、私はパスタをお願いします」


「我はこの''牛丼'''と言うものを頼む。人間の料理というものが如何な物か、我、楽しみである」


「うーん、じゃあ僕はこのトンカツ定食をお願いするよ。ゼロはどうする?」


「俺は珈琲で」


「かしこまりました。少々お待ちください」



注文を受け取った接客の女性は駆け足で戻り、注文を伝えるとすぐに別の客の注文を承っていた。



「ゼロくん、珈琲だけで大丈夫?お腹すかない?」


「ああ、俺はあまり食事を取らないからな。逆にルナはそんなに注文して、全部食えるのか?」


「大丈夫だよ~」



注文した料理が届くと、各々食事を始めた。


ルナに関しては割とデカいオムライスとハンバーグを美味しそうに頬張っている。



「ふぉれ、ほっへほほいひい」


「飲み込んでから話なさい。でも確かに美味しいですわね」


「うむ、非常に美味である」


「ここは貴族も訪れるほど有名な食堂らしいね。これ程美味しいなら納得だよ」



4人が賛美している中、俺は珈琲を啜る。


うん、確かに美味いわ。


久しぶりに良い珈琲を飲んだな。


因みに俺が飲んでいる珈琲はブラックである。





時間が経ち、それぞれ食事を終える中、ルナは特大パフェを頬張っている。


普通にデカい。


その量をよく食えるなと思う。



「ふぅ~、美味しかったぁ」



ルナはお腹を擦りながら満足そうな表情をする。


勘定を終え、食堂を出ようとしたその時、店内にいた1人の男が突然叫んだ。



「あぁ?売り切れだと?巫山戯るなよ!俺はこれを食べる為に態々足を運んだんだぞ!」


「も、申し訳ありません・・・」



男は怒鳴りながら接客の女性に文句を垂れ流す。


口論はヒートアップし、ついに男は女性の胸倉を掴んで脅迫した。



「たかが平民の分際で貴族様に歯向かえると思うなよ!こんなボロ店、すぐにでも潰す事だって出来るんだからな、あぁ?」


「ほ、本当に申し訳ございません・・・で、ですが」


「あ?口答えすんじゃねぇ!」



男がその女性に手を上げようとしていたその時、イーゼルが男の手を掴んでこう一蹴した。



「たかが貴族の分際で、か弱い女性に手を出すなど言語道断だ!」



男は女性の胸倉から手を離し、イーゼルに詰め寄る。



「あぁ?冒険者の癖に生意気な事言ってんじゃねぇぞ!俺はこのノーザングランデの領主、伯爵家の息子だぞ?冒険者如き、父に頼めばすぐに潰せるんだからな!」


「え?領主?伯爵家の息子?」



イーゼルは素っ頓狂な声を上げ、困惑する。



「なあ、イーゼル。まさかとは思うが、コイツ知らないのか?」


「えー・・・平民は兎も角、流石に貴族には知られていないと困る、というかダメなんだけど」



俺達が困惑、というより呆れていると、男は俺達が怖気づいたと思い調子に乗り始めた。



「ああそうだ、土下座して許しを請うなら、特別に許してやらんでもない。俺は貴族だ。平民は貴族の靴を舐めてれば良いんだよ!ハッハッハッハッハッ!!」



イーゼルは呆れて物も言えなかった。


俺は溜息をつくと、ルナとカーシャに''アレ''を持って来るように頼む。


ルナとカーシャは状況を理解し、馬車に積んである''アレ''を取りにいった。


イーゼルも諦めたように溜息をつくと男と対峙してこう言った。



「君、貴族の癖に僕の事知らないんだ」


「あ?誰が貴様の事を?一々平民の顔なんざ覚えてられるかよ!ほら、早く土下座しろ!土下座!土下座!」



この光景を見ていた他の客は目を逸らし、関わらないようにしている。


コイツに関わるとロクな事にならないのを知っているようだ。


今日だけじゃなく、他の日も同じような事をしていたに違いない。



「ゼロく~ん!持ってきたよ~」


「ゼロ様~!持ってきましたわ~」



2人が''アレ''を手に持ち、駆け寄って来る。



「じゃあ、それを掲げてくれ」



俺の指示を受け2人は''アレ''、もとい''旗''を掲げた。


それを見た男は顔を真っ青にして絶句した。



「え?・・・そ、そ、それは・・・王家の紋章・・・」



2人が掲げているのはグランツ王国の王家の紋章が描かれた旗、王章旗だった。


本来は神聖アーク帝国の聖城に入城する時用に用意した物だったが、別に使用制限なんて物はないので、遠慮なく使わせて貰った。


そして、イーゼルは男にこう言い放った。



「知らないようなので、自己紹介を。僕はグランツ王国国王イーゼル=グランツだ」



男は冷や汗をだらだら流しながら身を竦める。そしてここで俺が駄目押しの一発を与える。



「あ、因みに俺はグランツ王国大閣、ゼロ=グランディオ伯爵位な」



国王と大閣(ナンバーツー)に喧嘩を売ってしまった男は先ほどの態度から一転、謙って謝罪した。



「も、も、も、申し訳ありません・・・こ、国王陛下とは知らず」


「あっ、そう言うの良いから。君の家には調査を入れる事にしたから覚悟しておいてね」



イーゼルは怪しい笑顔を浮かべると、男はその場にへたれ込んでしまった。


突然の王章旗掲揚と国王陛下登場に店内がざわめき始めた為、俺達は食堂を後にした。


後日、ノーザングランデの領主の数々の犯罪が明るみになり、息子共々断罪された。


なお不敬罪も含まれている事は言うまでもない。

イーゼルはあまり表舞台には出ないので、知らないのも無理はない?かも。

いやでも国王の顔ぐらい覚えとけよ。


《告知》

以前、新しい物語を投稿しようかなとかほざいていましたが、漸く構想が固まったのである第5章開始と同時に投稿しようかなと思います。まぁ第5章なんてまだまだ先なんで気長にお待ちください。

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