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ゴミ回収能力で最弱無双   作者: もみ
2章
10/14

9話

見てくれた方、ブックマーク、評価、コメントしてくれる方、ありがとうございます!

執筆の意欲が湧いてきます!

 猫屋敷が魔力を開放する数分前。


 ―魔王パーガトリー城―


 私は魔王パーガトリー。弟のガトワールに呼ばれ遥々この地球までやってきたわけだが、征服先の星で、この星の民に屈するなど情けない。すべての魔王の父、大魔王様はこの星を心底欲しがっていた。空気は澄み海水は他の星の中でも一番量が多く、食料も溢れている。私たち魔王が新しく住み着くための星としてはうってつけだろう。

 だが、この地球は少し時代の進歩が過ぎる。私たちの文明と同等まで戻さなくてはどうも住みにくい、故にもう手は打ってある。というよりはこの城、私を含め魔物の”存在”が文明を退化させるための一手だ。


 私の母星、惑星プリュートンは魔王同士派閥間の闘争により食料難に陥っている、このままでは10年後には他の魔物に食わすものも私たちが食べるものもなくなりプリュートンは壊滅するだろう。


 「そうならないためにこの地球を大魔王様に献上しなければいけないというのに」


 弟は数年前からこの地球に送り込んではいた。大魔王様が産み出した弟だ、失敗などするはずがないと思っていた。地球に存在する兵器程度では私たち魔王は傷などつかないからな。

 だというのにガトワールはなににやられてしまったというのだ。この地球に誕生した数日間でガトワールの身に何が起こったのだ。


「それにこの巨大な壁。」


 材質は木でできているようだが下位の魔物の攻撃程度ではなかなか傷がつかない。今度は私直々に壁の破壊を試みてみようか。


 その時私は衝撃を受けた。物理的にたたかれたというわけではない、強大な魔力波がここまで届いたのだ。私がいままで召喚した魔物の中でこれほど強力な魔力波を放てるやつなどいない。

 今のをこの地球の者が?


「……っ!なんだ今の魔力は。この地球にこれほどの魔力波を放つやつがいるのか」


 この巨大な壁といい、今の魔力波といい。この地球はなかなかに面白い。

 雑魚のみで十分と侮っていたが少し強い眷属も召喚せねばならないようだな。









「どうやら猫屋敷には魔法の才能があるみたいだね……」


 とても羨ましい、俺は1週間練習してやっと手先が器用になって水を沸騰させることができるようになったっていうのに。猫屋敷はたった1時間、しかも俺のつたない説明であの紫がかった黒い魔力をだしちゃうんだから嫉妬しちゃうよ。


「あの、猫屋敷さん。どうやったのか教えていただけますかねぇ」


 1時間で立場が逆になってしまったので手をゴマすりしてお願いしてみる。


「あたしも感覚派というか肌で感じるタイプなのでうまく説明できる自信ないけど。でもその前にそろそろ2時間がたつので壁からでてくる魔物を数えないと」

「あぁ、そうだったね。じゃあよろしく頼むよ」

「うん!」


 猫屋敷は元気に返事をすると右側の髪をかき上げ右目を露出させ城をじぃっと観察している。やはり綺麗な顔立ちをしていて髪で顔を隠している理由がわからないな。


「あの、そんな見つめないでください……」

「え、今城の方見てたのにわかるのか?」

「はい、鷹の眼には中心窩というものが2つあって視野がとても広いんです。このアビリティを発動した時もその中心窩がでてくるのか右目だけ視野も広くなるんですよ」


 そうだったのか、遠くのものも見れて横も見れるのか。他の人と喋ってるときに変顔したら面白そうだな。


 それから10分ほど経ったがあの壁から魔物が出てくる気配が一切ない。今までは2時間きっかりまたは1~2分前後で出てきたというのにいまだにでてこない。一応戻ってなにか変わったことはないかみんなに聞いてみよう。


「すまない猫屋敷、ここでまたあの城を見張っておいてくれ、俺はギルドまで行って情報を集める。あとこれは俺の電話番号だ、さっきみたいに魔物が出てきたらすぐここにかけてくれ」

「わ、わかった」


 無い知恵を絞って頑張って考えたのが魔物の討伐数を管理。本来この地球に存在していいものではないから生態系を考え少し残しておく必要もない。だから民間人にも被害が及ばぬよう徹底的に管理するのがもくてきだった。だがあの壁からいつも同じ時間に今の戦力で勝てる程度の魔物しか出てこない保証はどこにもないのだ。

 無い知恵を絞っても結局は有効な作戦は思い浮かばないようだ。情けない。


 俺の自負の感情があふれ出してきそうになった時、ギルドについた。そこにはさわやかな顔をしたアビリティ保持者たちが俺を待っていた。


「ようにいちゃんどこ行ってたんだ?にいちゃんの作戦通りここらの魔物は全部倒したぜ、ソナー能力ってのは便利なもんだな。見ろほら、こんなに魔物の部位がある」


 達磨の言葉を合図に各々が持っていた魔物の一部が入っているであろう袋を高らかに掲げ誇らしげに笑顔を浮かべている。


「それで俺らは次は何をすればいいんだ?そろそろ2時間経つしまた魔物の討伐か?」

「そのことについてだが、みんなに謝らなくてはいけないことがある。今鷹の眼のアビリティ保持者を連れて壁から出てくる魔物を観察していたが1匹も出てこなくなってしまった。2時間に1回出てくるといったがどうやら不規則のようだ。討伐数の管理はおそらく不可能だろう」

「そうかい、でも俺らアビリティを持ってるやつらは結局戦わなきゃいけねえんだろ?なら変わんねえよ」


 達磨がそういうと皆頷き戦うことを宣言してくれた。


「ありがとうみんな。お詫び、という訳ではないが俺は今日からここ、ギルドを中心に壁をつくる。いつまでもシェルター暮らしでは息が詰まるだろう。まずは小さい壁を作り徐々にその円を大きくしていくつもりだ。申し訳ないが一気に壁をすべて作ることはできないから1日5キロ、円周の1/8を1日ずつ作っていく予定だ。その間みんなにはシェルターの警備と魔物の討伐を継続してもらう」

「にいちゃんなかなかブラックだな。まあその分報酬はたんまりもらうぜ」

「あぁ、その点は大丈夫だ、あの女神トイフェル様がしっかりと約束してくれた」


 金銭面はすべてトイフェルに任せてあるから問題ないと皆にいうとトイフェルが現れ、みんなに聞こえないように「はぁ!ちょっと聞いてないんだけど!」と言ってきたので。


「女神トイフェル様、私たちのために手を煩わせてしまい申し訳ありません。少しでも女神さまの役に立てるように尽力いたします」


 と片膝をついて首を垂れる。すると皆も俺の真似をして片膝をつき「女神様ぁ!」「ありがたき幸せぇ」とか言い始めたのでトイフェルも今さらそんなの知りませんとは言えない状況になってしまった事を知り、安易に出てきてしまった事を後悔したようなひきつった顔で


「私も皆様の活躍を期待しています」


 と言ってどこかへ消えてしまった。

 ように見えるだろうが実はみんなから見えなくなっただけで俺の耳元で滅びの呪文を唱えていた。




「はぁ、魔物の一部を買い取るって聞いたときどこからお金出すのかと思ったら私頼りだったのね…」

「女神だからできると思って、できないのか?」

「できるわよ!ほらこうやってぴょいってやれば、ほらね言ったでしょ?」


 おぉホントにお金出しやがった。得意げな顔してるしほめればもっと出してくれるだろ。


「おぉー、すげーな女神ってのは!さすが女神トイフェル様だな!もっと出してくれよ!」

「ふふんいいわ…てよくない!錬金術で金作り出してるようなもんなのよ?違法よ違法。私たちの星でこれやったら死罪なんだからね?まあでも今回は許してあげる」


 今回は許してくれるのか。

 だがトイフェルの言う通り頼りっぱなしってのもよくない。自分でもお金を稼ぐ方法を考えないと。

 ギルドが既に存在していたらそこに俺が魔物の一部を買い取ってもらったりクエストを受ければ稼げるんだけどな。


 気づけばもう辺りも暗くなってきていた。とりあえず今日のところは猫屋敷を呼び戻して一旦帰ることにする。




 猫屋敷を呼び戻すために俺はまた海岸へとやってきた。さっきここに来た時には気づかなかったがゴミが多いな、海ってのは。そこかしこに散乱している。この海岸を端から端まで歩くだけで軽くレベルが4桁分上がりそうだな。移動するついでにステータスの確認でもするか。


【名前】    武蔵剣太                  詳細

【種族】    ヒューマン

【レベル】   834

【アビリティ】 ごみ収集マン  ヒノキマスター 動かざること山の如し 

        ムーブストーン  巨大化  筒ぬき  リトルスラスト   

        グランパス  ラッザ  イール  ボニート  プルプ  

        スクアーロ  ゼイゲル

        リュイソー  テレモート  ヴィントホーゼ

        ナチュラルディザスター  アヴァランチ フェルムクレイ

        レヴィアタン  ハンドレットアーマー  

        new(カンミナーレ  シュヴィンメン  ハオスハルト

        ベゼ  シュライエン  フードゥル  シュプリゲン


【称号】    ごみ溜めの英雄  変態紳士 銀のたたまご  雷鳴の(ルトネール・)騎士(シュヴァリエ)

【攻撃力】   4201

【防御力】   4911

【体力】    9399   

【素早さ】   13530

【魔力】    500 

【魔法】    プレスティ  イヴァポレイション  英雄の盾(ヘルト・ムールス)



【カンミナーレ】

 歩くスピードが4倍


【シュヴィンメン】

 泳げるようになる


【ハオスハルト】

 料理、洗濯がものすごいうまくなる


【ベゼ】

 接吻したものは虜なる


【シュライエン】

 獣のような咆哮をだせる


【フードゥル】

 腕に電気を帯びる。鉄に触るとかなりビリビリ来る。


【シュプリゲン】

 跳躍力3倍。


 またしてもつまらぬものを拾ってしまった。いやほんとに、なんでこんなアビリティが存在しているんだ?いくらランダムとはいえさすがにこれをもらった人が可愛そうだ。

 まずベゼは完全に封印確定だ。ハーレムを夢見ていたが操り人形のハーレムはいらない。

 それとシュヴィンメンの泳げるようになるってなに、絶対既に泳げる人が捨てたよね。

 いらないいらない言っていたイールも使いどころが1回くらいあったしこのシュプリゲンもいつか使う日が来るのだろうか、跳躍力か、敵の範囲攻撃を避けるとか、敵と距離をおくときとかに使うのかな?


 シュライエンとフードゥルは使えそうだけど、シュライエンはこれを発動させることで相手を怯ませることができるのかそれともただの獣の咆哮なんだろうか。

 フードゥルは初めての電撃系アビリティだが腕に帯びるだけで放出はできないっぽい。パンチしたら相手もビリビリくるということだろうか、それとも腕に電気を帯びて鉄に触ると静電気が発生して自分だけダメージをくらうのか。


 拾うアビリティがゴミ過ぎて、そして説明が曖昧過ぎて有能なのか無能なのかもわからない。

 シュライエンとフードゥルは実験が必要だな。


 称号も不思議なものがついているな。銀のたまごも気になるがその後の雷鳴の騎士のほうがすごく気になる。なんたって俺に初めてついたまともな称号だし、それにかっこいい。期待が膨らむな。


【銀のたまご】

 ぎんのたまご


雷鳴の(ルトネール・)騎士(シュヴァリエ)

 まさに雷鳴のごとき速さで動くことができるものの証。

 効果は特にないが名前がかっこいいので自慢できる。


 銀のたまごの説明欄には銀のたまごとしか書いておらず雷鳴の騎士に至っては名前がかっこいいだけのようだ。この称号考えたの誰だよ、俺の期待を返してくれ。


 称号、アビリティだけを見るといつも通りのほとんどごみアビリティしか拾えてないが、うれしい誤算もあった。

 俺が魔力を欲したことによりステータス画面に魔力というものが追加されており、俺はなんと500もあったのだ、魔力が少ないからあの程度のしょぼい魔法しか使えないというわけではないらしい。あとは俺の努力次第だ。


 ステイ―タスの確認が終わるころ丁度猫屋敷の元へたどり着いた。きっと猫屋敷自身はしっかりと茂みに隠れられていると思っているのだろうが明るい髪色が目立ち、頭の先が出ている。あとちゃんと城の方も見ていた。


「あ、剣太さん来てくれたんですね。私なんてもうすっかり忘れられているのかと……。」


 小1時間見ない間にすっかり元の卑屈さを取り戻してしまっていた。


「すまない猫屋敷、でも別れてからそんな時間は経ってないと思うが」

「いやその、一人というのが思いの他怖くて……」


 見れば猫屋敷さんは少し震えていた。

 そうか、強大な魔力を放つことはできたもののまだ完全にコントロール出来ているわけではないんだったな。

 俺は戦闘力のあるものがその場からいなくなってしまう事の恐怖を味わったことがあるというのに。


「すまない猫屋敷。もう君を一人にはしない」

「えぇっ!?そそ、そんな事急に言われても……」

「ん、一人のほうがいいのか?」

「いえ、そんなことは…、えと、不束者ですがよろしく、おねがぃします。」

「不束者?まあいい、任せておけ」


 よし、今度偵察に向かわせる時があれば攻撃能力のあるアビリティ保持者を同行させよう。


「じゃあ、帰ろうか」

「うん」



 俺は猫屋敷を家まで送った後、俺も自分の家に帰ろうと思ったのだがあることに気づく。ここはどこだ?ここまで来るのにトイフェルの瞬間移動を使ったからまったくここが何処なのか、皆目見当もつかない。


「トイフェル、俺を家まで送ってくれ……おーい、おーいトイフェルー!」

(ピンポーン、ただいま就寝中です)

「は?寝てんの?嘘だろおいここ何処だよ」


 こんな時こそg◯◯gle先生の出番だ、文明の利器最高。

 ファッ!?嘘だろ、ここから17キロも離れてるのかよっ…(震え声)

 タクシーなんて使ってたらいくら金があっても足りないし、近くにバス停もない。歩くしかないのか。


 存在する必要があるのか疑問に思っていたカンミナーレを発動する。歩くスピードが4倍ってのがなんなのか、足の回転が速くなるのかと思っていたがどうやら違うようだ。

 俺の1歩が1メートルだとすると1歩で4メートル進む。何言ってるかわからないだろうが俺も何が起こっているかわからない。多分はたから見たら1歩進むために足を前に出した状態で水平方向に移動しているように見えるだろう。俺はこれをバグ歩行と名付けた。もう二度と使わない。


 だが新たな発見があった、、戦闘で使えないアビリティは日常で使えばいいのだ。

 俺は踏み込みステータスにすべて任せ走り出す。20メートルの助走を終え、シュプリゲンを発動。

 素早さ13000超えのステータスから生み出されるスピードは、空を自由に飛ぶ鳥よりも早く車も難なく追い抜く。そこからアビリティのシュプリゲンで跳躍力3倍だ。跳躍するために踏み込んだ地面は大きくえぐられていた。そこからの記憶はない。いつの間にか家の前にいた。



 それから俺の毎日の移動方法はこれだ。地面をえぐってしまうのでシュプリゲンを使う場所は必ず公園の砂場を使っていた。

 ヒノキマスターで一部の壁を作った後はギルドに赴いて達磨たちから何か変わったことはないか聞いたり、討伐に参加したりした。


 猫屋敷と一緒に海上の城の観察を行いながら魔法の発動の仕方についても教えて貰った。

 猫屋敷いわく、魔力は常に大気中にあるためただの呼吸でも魔力を体内に取り込むことができる。そしてその魔力は血の流れと同じように体内に流れておりそれを感じ、体外に放出するイメージ。だそうだ。

 体外に放出といってもそんな経験ないから全くわからなかった。


 こんな感じの毎日を過ごし、壁を作り始めてから8日後、ついに外周40キロにも及ぶ壁を作ることに成功した。

 最後の壁を作るときには、シェルターの警備をしている者以外のアビリティ保持者全員が集まり、最後の壁の誕生を見守ってくれた。

 俺が最後の壁を作り上げた瞬間、大きな喝采と俺への称賛が壁中に響きわたっていた。


 俺が作った壁はただの壁ではない。ところどころに上へ行ける階段を作り、壁の上には対空射撃ができるように広いスペースが作られている。落下防止の柵も作ってある。そして8か所に部屋を作りアビリティ保持者の休憩所として使ってもらおうと考えている。

 そして北と南には門を構え住民の出入りが自由にできるようにしてある。万が一魔物が接近した時のために門番として二人アビリティ保持者を起き、何かあったらみんなの携帯にメッセージを送るという手はずだ。

 ひとまずこれで壁の中は安全だろう。あとは壁の外にも壁を建てる必要があるから俺に休んでる暇はない。


 というのにも関わらず俺はある理由でぶっ倒れてしまう。

 第一の壁の完成から2日経った頃、俺は区役所をギルドとして使ってもいいか許可をもらうためにこの街の偉い人に会いにいった。

 その途中で俺は、今までの様に自由に車道、歩道関係なくぶらついていたら曲がり角から現れた車に轢かれてしまったのだ。傷といった傷はステータスのおかげでほとんどなかったもののかすり傷程度の傷を負ってしまった。


 そういえば猫屋敷は魔力は血みたいなものと言っていたな、体外に放出するイメージかぁ。


 と考えているとかすり傷がどんどん広がっていき、いや正確には血が溢れてきたというべきか。

 そして俺は出血のし過ぎで貧血を起こし倒れてしまう。

 俺が最後に見た光景は真っ赤な血のような薔薇が俺を覆い隠すように開花していく様だった。

主人公ステータス確認しすぎじゃないですかねぇ?(´◉◞౪◟◉)

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