〔 自宅 〕嫉妬
かなみ
「はぁ〜、サッパリした〜♪♪♪ つぐみん、出たよ〜」
お風呂から出た私は、夕飯の準備をしてくれてるつぐみに声を掛けた。
つぐみ
「ん。かなみん、テーブルに準備してあるから食べなよ」
かなみ
「うん。つぐみんは食べないの?」
つぐみ
「食べるよ、かなみんをね」
かなみ
「あはははは! 次言ったら便器ブラシで、つぐみんの顔を磨いてあげるからね♪」
つぐみ
「冗談を本気にするなよ。冗談が通じない間は彼氏も出来ないぞ」
かなみ
「フーンだっ! 彼氏は居なくても友達は居るもんね〜」
つぐみ
「友達?? 誰だよ! 男じゃないだろーな」
かなみ
「つぐみん、目と声が恐いんだけど……」
つぐみ
「で、友達の事を愛は知ってるの?」
かなみ
「は? 壱可が知るわけ無いよ。今日の帰りに出来たばっかりだもん」
つぐみ
「(何ぃ〜っ!! 知らねぇのかよ! 愛……あの役立たずめ!! 『俺の代わりに害虫が付か無い様に、かなみを監視しとけ』って言ったのに!!)」
かなみ
「男子の友達って初めてだよ♪ つぐみんはお兄ちゃんだし、壱可は幼馴染みだしさ」
つぐみ
「選りに選って男かよ! かなみん、女子の友達は居ないのか?」
かなみ
「う〜ん、特別に親しい子は居ないかな〜。そこそこ親しい子は何人か居るけど、友達っていう程の仲じゃないし〜」
つぐみ
「男友達より女友達を作れよ。男友達なんてのは、壱可で間に合わせとけばいいんだからな」
かなみ
「壱可が友達とか嫌だよ。彼奴、電波だもん! 宇宙人と交信してるよ」
つぐみ
「電波野郎とか言い過ぎだぞ、かなみん。宇宙人と交信出来るなんて凄い特技じゃないか!
(かなみんの痛い妄想も健在か……)
其処ら辺の中二病的な奴等より断然マシだぞ。何せ、宇宙を夢見るコスモ男子はな、将来、日本に多大な貢献をする人物になる確率大だから! 今からでも確り仲良くしとけよ」
かなみ
「つぐみんが仲良くすればいいでしょ〜?」
つぐみ
「僕は高校が違うだろ。この際、愛と付き合っとけ。僕が許すからさ」
かなみ
「嫌だってば〜。宇宙人に売り渡されたくないもん! 今日だって壱可ってば、私を先生に売ったんだよ! 信じられないでしょ?」
つぐみ
「かなみんの事だから、授業中に早弁か居眠りでもしてたんだろ? 愛は悪くないと思うよ」
かなみ
「つぐみんは壱可の味方するんだね。なんかムカつく〜!」
つぐみ
「僕にとって愛は、お馴染みってだけじゃないからな。弟でもあり、友人でもあるんだ。庇うに決まってるだろ」
かなみ
「むう〜! つぐみんは私の味方でしょ? ちゃんと私の味方してくれないと駄目なんだからね!!」
つぐみ
「かなみん、怒るなよ。何時もは、かなみんの味方だって。機嫌直せよ」
かなみ
「フーンだ! 知らないっ!」
つぐみ
「──っ、かなみん!
(はあ〜、かなみんは気分屋だからな〜。まあ、機嫌を戻すのは簡単だけど。単純な妹で助かるよな)
実はさ、かなみん〝だけ〟にお土産を買って来てるんだ」
かなみ
「お土産〜?」
つぐみ
「気になるだろ? 僕の通ってる高校と寮の間にある〝とこなつ御殿〟って名前のスイーツ専門店があるんだ。其処で売ってる期間限定の『みるくれーぷりん』だよ。かなみん、ミルクレープとプリン好きだろ? 全種類買って来たんだぞ」
かなみ
「みるくれーぷりん?? 美味しいの?」
つぐみ
「そりゃ、美味しいよ! ミルク,いちご,ココア,抹茶,カスタードっと、五種類あるんだ。これで機嫌直してくれるだろ?」
かなみ
「……そーやって食べ物で釣るんだ? つぐみんのセコイ所も変わらないね」
つぐみ
「セコイって言うなよ。嬉しいくせに素直じゃないなぁ。そんな所も可愛いんだけどね」
かなみ
「フンだ。……お腹空いちゃった。つぐみんも一緒に食べようよ」




