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東方人衛伝2~万象を網羅する者~  作者: 甘味処アリス
第二次人妖戦争〜幻想郷をかけた合戦〜
20/30

東方人衛伝第二シリーズ記念コラボ

ようやくの投稿です。

コラボにご協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。

「 ……と、こんな感じだな。」

「おーい、霊斗~いるか~?」

「呼ばれてるわよ?」

「……誰だよ、こんな時に……」

俺は文句をいい、不貞腐れながら扉を開ける。

「霊斗、久しぶりだな!元気だったか?」

「えーと……すいません、どちら様でしたっけ」

「俺だよ、覚えてないか?黒羽根(くろはね)竜平(りゅうへい)だ。まあ、仕方ないか……何しろ、15年も昔の話だからな。」

「黒羽根竜平……竜平!?久しぶりなんてもんじゃないだろ!……15年?千年も前のことじゃないか。何いってるんだ?まさか……」

俺は急いで博麗大結界の様子を見に行く。すると、そこには一人の人間(らしき者)が結界をねじ曲げていた。

「初めまして、霊王さん。僕は羽間(はざま)斗真(とうま)。以後お見知りおきを。」

「どうかしたか?霊斗。」

「竜平、離れてろ!」

斗真がスペルカードを、事態を知らずに来た竜平に向けて使おうとするが、俺が叫ぶと同時に、一人の超人と次元妖怪が現れ、超人が「物理<普遍規則>」とスペル宣言すると、斗真の使おうとした力が強制解除される。その直後、次元妖怪が「六式<氷結界>」と唱えると、斗真は凍結し、大きな氷塊が出来上がる。

「宣言無しのスペルは、反則じゃないか?さて……久しぶりだな~霊斗、竜平。覚えてるか?」

「もちろんだ。大丈(だいじょう)優一(ゆういち)神谷(かみや)(れい)。」

「俺のことは忘れてたのに……」

なんて、たわいもない会話をしていると、突然斗真の氷塊が割れる。

「お、復活したか。」

「ンフフ……この決着はこの先でつけましょう。あなたたちは勝てませんから、いくら戦力を増やしても構いません。」

そう言って、斗真は空間の歪みの先に入っていった。

さて、三人の紹介をしよう。


[世界の終世者]大丈優一。今まで何度も戦い、共闘してきた相手だ。強大な戦闘力を持ち、別世界(パラレルワールド)の現世と幻想郷を救った人物。奥さんと二人の子持ち。


[超人]神谷零。会うのはもう何度目かになる。この四人の中では最強で、身体能力によるごり押しで、俺がギリギリ勝つことができる。こいつが本気を出せば、誰も止めることができないと思う。4つの世界を渡ってきたという。それを証明するのは零の奥さんと、その圧倒的な強さのみ。奥さんと三人の子持ち。ちなみに零を除く優一、俺、竜平の三人の中で唯一俺だけが勝てる。


[魔法使い]黒羽根竜平。零と同じぐらい戦った相手。過去にヴァンパイアハンターと戦い、吸血鬼であることを棄てたマジシャン。今回は戦闘はせず、弟子みたいなのを連れてきた。奥さんがいて、優一のいた高校の先輩らしい。


「そういえば、何で二人は千年後の幻想郷に来たんだ?」

俺は、気になったので聞いてみる。

「千年後?どうゆうことだ?俺は、零と空間の歪みを調査してたら、ここにたどり着いたんだ。」

「零は?」

「暇だったから、優一の家に遊びに行ってたんだ。」

「へぇ……で、竜平は?」

「連れてきた奴がいたんだが、はぐれてしまったんだ。」

「「大臣~いますかー?」」

「お、噂をすれば……おーい、こっちだ~」

「あ、いましたね。」

「あれ?その女の子は誰だ?」

「竜平、連れて来た奴って、三人もいるのか?」

「いや、二人何だが……レミリアみたいな奴と、男だ。」

「大臣、そちらの方たちって、誰ですか?……って、壱さん、お久しぶりです。」

「いや、ここでは優一でいい。こいつは博霊霊斗。博霊霊夢の夫で、俺より強い。こっちは神谷零。この人も、俺より強い。二人とも戦闘の技術が高い。覚えておくといいだろう。」

「はぁ……僕は宮内良馬、宮内総理の息子です。」

「「誰?」」

「あ、知りませんか……」

社交辞令として紹介したんだろうけど、微塵も興味はない。

紅月(あかつき)麗美(れみ)です。良馬の彼女をやらせてもらってます。」

「ちょ、麗美ちゃん!」

「イチャイチャすんな。」

「あ、はい。すみません。」

「あっはっはっは。……ところで、人手はこれで足りるのか?」

「おいおい、忘れてる。」

「ああ、ごめんな。お前、名前は?」

「私?私は白澪(はくれい)零無(れいむ)。よろしく。」

「「「はくれいれいむ!?」」」

「博麗霊夢では、ないんだよな?」

「私なら、ここに居るわよ?」

「「「うわああ!」」」

「何よ、失礼ね……何かあったら博麗神社にいるから。」

「ああ。……さて、よろしくな。白零無。」

「白零無?」

「ああ。ややこしいだろ?」

「ありがとう。」

「何が?」

「何でもない……」

「そうか。」

「メンバーはこれで全員か?」

「霊斗、追加メンバー。」

「お、省。久しぶり。ありがとな。」

「いいよ。」

そう言って省は二人の人?を乱暴に空間の裂け目から出す。

「いてて……」

「久しぶりじゃないか!海斗、殺芽。」

「だから何で俺以外皆覚えてるんだ。」

竜平がツッコミをするが無視する。

「あれ……霊斗?ほんとに久しぶりだな。元気だったか?」

「まあまあだ。殺芽も元気そうで、何よりだ。」

「そうですね。誰か、戦ってくれません?」

「大丈夫かお前。気でも狂ったか?もうすぐだから待ってろ。さて、準備はいいか?」

竜平は怪我で、おりるらしいが。

優一が代表して、「ああ。」と答える。

「じゃあ、いくぞ?」

俺たちが入って行くが、斗真は後ろを向いている。

「いるのは気づいてますから。」

斗真が地面を曲げ、俺、優一、零、白零無以外は地面に挟まれ、動けなくなる。

「気づいてないとでも思ったんですか?それでこれとは、ハハハ、屑の極みですね。」

「確かに情けないな。」

俺たち白零無を除く三人は高速で走って戦闘に入る。

まず、零がスペル「弾幕<二式>8.8センチガトリング砲、弾壁<一式>80センチガトリング砲」

の2つのスペルで左右に二十基ずつ、合計四十基のガトリング砲から弾幕を放つが、全て弾道を曲げられたかのように弾かれる。

優一が「<神体>」

と宣言すると、優一の身体能力がはねあがり、優一の剣『泉』で、切りつける。

斗真はバタリと倒れるが、直ぐに復活する。

「チートと再生能力か。厄介だが……九尾妖狐<満月(みつき)>」

俺は愚痴りながらも、優一の泉のような、命を具現化した、神具のクナイと同じ効果を持つ剣『霊神剣』で、切りつける。さらに、弾幕にホーミング効果をつける『集』で、斬撃と弾幕の攻撃が斗真を襲う。

その瞬間、零が普遍規則のスペルを使って、弾かれることなく全ての攻撃が斗真を倒した。

◆◇◆◇◆

「霊斗、これ」

「ん?なんだこりゃ」

「会場へのパスポート」

「……なんの?」


斗真を倒して数日後、居間で意味のわからない会話をする男が二人。

縁側でお茶を飲む女が二人。

庭で鍛練する男女が一組。

合計六人の男女が、博麗神社でいつもの日々を過ごしていた。


「じゃーね。」

「え?ちょ、あああああああああああああああああ」

◆◇◆◇◆

「えー、皆さん、存分に楽しんでいってください。」

このだだっ広い広場での、省の説明のあと、歓声が聞こえる。

観客の中には知り合いも結構いるな。

ここにいる十人は、みな困惑……いや、三人を除いた七人は困惑していた。

その内二人は、狭間斗真、白咲殺芽である。

そして、七人の紹介が、幻想郷にあるはずもない、テレビで、今されていた。

博麗霊斗、神谷零、大丈優一、宮内良馬、紅月麗美、博麗海斗、白澪零無。

さらに、前回の異変に関係しなかった、三人目。逆八(さかは)大月(たつき)だ。逆八大月は碧い目と大きな蒼いリボンが特徴的な女の子だ。

まあ、めんどくさいから自己紹介は省略するが。


◆◇◆◇◆


「あんた、ウチと勝負や!」

「はぁ?何で。」

「あの……省はんやったかな?ソイツがあんたのこと最強ゆうたんや。てことで、最強の実力、見せてもらうで?蛍球<雪色サテライト>」

そう大月がスペルを宣言すると、5つの衛星が形成される。これはスーパーノヴァと似ている感じがする。

「ちっ、めんどくさいなぁ……。全能神技<スーパーノヴァ>」

俺は、スーパーノヴァの衛星同士をぶつけ、一つを残して相殺させる。

「まだまだやでぇ!幻符<夢の世界は目の前に>」

大月がそう言うと、いくつもの大月の幻が現れる。

「こんなもん、関係ないな。宇宙爆発(コスモインパクト)<ビックバン>」

「な!」

俺は爆発で全ての幻を打ち消す。

本物はギリギリで爆発をかわしている。

「しゃあない、これできめたるわ!<幻想光靡>」

そう言うと、大月は光と同化し、そのスピードで突撃してくる。

「悪いけどこれで終わりな?王武<黒ノ閃剣>」

俺は、ある程度大月の場所を見極めてかわし、黒竜王武で倒した。

「これで満足か?」

「ま、負けてしまったもんはしゃあないわ。次の標的でも探すわ。」

「おう、頑張れよ。」

俺がそう言うと、大月は苦笑いしながら片手を上げ、ヒラヒラとさせながら歩いていった。

「さて、優一と零は何処に居るかな~」



~同じ頃、大丈優一vs博霊海斗~

「海斗か。勝負始めるか?」

「勿論!魔槍<ロンギヌス-紅->」

「いきなりか!感情符 <double heart>」

海斗が真紅に染まる二又の槍を、優一が両手に感情でできた優しさと冷たさの、二種類の炎を纏う。

不意に、海斗が槍を突きだし、優一の腕に刺さる。

優一は苦痛に顔を歪めるが、冷たさの炎で槍を凍らせ、優しさの炎で自分の傷を治癒する。

「地渦<素敵な蟻地獄>」

海斗が続けざまに触れると力が抜ける蟻地獄を大量にスペルで作る。

……が、

「拒絶<コキュートス>」

優一がその全てを凍らせ、機能停止に陥る。

その直後、優一が自分の愛剣『泉』で海斗を切りつけるが、海斗は「渦符<縦向きの渦潮>」

とギリギリで唱え、渦潮で泉をガードする。

「四式<雷結界>」

「ぐああああ」

優一がすぐに雷結界を泉に纏わせると、海斗は渦潮を通して、感電する。

「く……覚醒<真紅の騎士>真偽<真実の狭間>」

海斗は真紅の鎧を装備し、戦闘力がかなり上がる。その状態で優一に短剣で切りつける。

優一は海斗のスペルに合わせて神体を使い、一瞬で長距離をバックする。

その後、多重弾幕を展開し、優一は海斗に一斉に発射し、海斗はその弾幕に巻き込まれ、倒れた。

「次は誰になるかな~」


~またまた同じ頃、零vs良馬&麗美~

「君たちは……あの時の少年の弟子だったかな?」

「ええ、そうです。優一さんの認めるその力、見せてください!」

「霊斗と戦えばいいのに……」

「「<魔装>」」

零に良馬と麗美が魔力をフル解放し、勝負を挑む。

「悪魔魔法 <レッド・アイ>」

麗美が零の動きを紅い目で睨み付けて制限する。

「科学魔法<エレキ・テル>」

「それが君たちの黄金パターンか?軌跡<流星の尾>」

零がスペルカードでマスタースパークの太いバージョンを、空中から雷を纏って突撃してくる良馬に向けて放つ。

良馬はそれによって墜落し、地面スレスレで体勢を立て直す頃には、零の罠に引っ掛かっていた。

「紅夜<黒竜>君たちにこいつを倒せるかな?」

零が何処からか取り出した刀が黒い龍に変身し、良馬を麗美の方向に弾き飛ばす。

「魔鳳剣術<悪魔の怒り>」

麗美が悪魔の力で、黒竜を切り裂く。

「あーあ。俺がスペルで縛られてたのに。追憶<三十五億三千三百四十四万千五百二十七年の記憶>」

二人は零の流した記憶による、脳の容量オーバーで、プツンと電源(ブレーカー)が落ちたように突然倒れた。

「さーて……二人を治してっと。優一達は何処にいるかな~」


~その頃、殺芽vs斗真~

「ふふふ、殺芽さん、改めまして、羽間斗真です。」

「茶番はいいんで、早く始めましょ?」

「フフフ……ハッハッハッ、いいですよ、貴方がクズであることを思い出させてあげましょう!」

注:キャラクターの仕様です。ご容赦ください。

「どっちが屑でしょうか……ねえ!奥義<紫死輝・地>」

捻曲ねんきょく歪渦宙いびつかちゅう>」

お互いのスペルによって、お互いの腕が吹き飛び、血が噴水の如く溢れ出す。

直ぐに腕が生えてくるが、それも含めて、グロテスク画像の領域だ。

「秘符<生命の衣・天>」

斗真は追撃を行おうとするが、殺芽の防御スペルを見ていい放つ。

「如何されました? まさか逃げるとか言いませんよね? その程度ではクズとして本当に見込み通りではありませんか、恥ずかしく無いんですか? 御自分の存在が! ククククク……ンフフ、ハハハハハハハハハハッ!!!!!」

注:キャラクターの仕様です。ご容赦ください。

「フレアァァァァァァストォォォォムゥゥゥ」

「「!!!」」

「え?」

二人は、別の三人の戦闘に巻き込まれ、遠くに吹き飛ばされた。


~時を少し巻き戻し、霊斗vs優一vs零~

「よぉし、もう容赦しねぇ」

「こっちのセリフだな、それは。俺も本気でいくぞ?」

「この短時間で何があったんだ!?」

「「優一、邪魔だ。」」

「いや、楽しそうだから俺も入る。」

「責任はとらないぞ?」

「右に同じ。」

「構わないさ。」

「じゃあ始めるぞ?絶望<恐怖の戦闘人形>」

俺は絶望に特化した方の第一形態に変身し、黒い羽が生え、片手が剣に変わるのを無視して一瞬で優一を蹴り飛ばし、その一瞬の間に素手で零を殴り飛ばす。

「プッ……あの強さ、チートかよ……」

優一が口に溜まった血を吐き出すと霊斗の方から、一筋の光が見える。

「絶望二型<破滅の殺戮機械(キラードロイド)>」

霊斗は二つ目の絶望の姿に変身すると、黒い羽が機械のようになり、剣だった片手はキャノン砲に変化する。

「エネルギーチャージ完了。最先端人体兵器<フレアァァァァァァストォォォォムゥゥゥ>」

何か二人巻き込んだけど、気にしない気にしない。

って零も優一も生きてるじゃん。巻き込まれた二人には悪いことをしたな。

ってそんなことより優一と零だ。

「偽自<人形複製計画>」

俺は戦闘人形になり、分身を優一達の方に送る。

二人ともすげぇビックリしてる。

とはいえ、咄嗟の反応でいい勝負をしてる。

あ、偽物死んだ。で、こっちに気づいた。

俺はいくつか分身を投入するが、全て零が分身で相殺する。

なるほど、零も分身が使えたか。

ま、いいや。

「蓬莱仙術<霊亀(れいき)召喚>」

「俺だってそれぐらい。紅夜<黒竜>」

ここまで被るか。二匹とも一瞬でお互いの装備に戻る。

「優一、零、全力出せ。希望<霊神王>」

俺は希望の感情を特化させる。すると、右にエメラルドのような緑、左にルビーのような赤の羽が生えてくる。

片手には最強の盾であるアイギスの盾が装備され、もう片方の手には霊神剣を持つ。

「終世符<圧参 終世者>」

優一は左の背中には藍色の片翼。右の背中には橙色の片翼が生えて、神体の時よりも身体能力が向上している。

「『暴君』千倍『猛虎出草』百倍『小身暴挙』二乗『共通代体』……あれ?」

「干渉は効かないぞ?」

「あ、お前らもか。」

零の身体能力、十億倍か、すごいな。

心配なのは優一か。ついてこれるか?

あ、そうだ。

「優一、驚くだろうが頑張れよ?」

「ん?どういうことだ?」

俺は零にだけ耳打ちで教える。

「ははっなるほどな。これで本気で楽しめるって訳だ。」

「え?何が?」

とりあえず、三人で別の世界に跳ぶ。

「そうだ、二人に教えよう。俺は全てを操る程度の能力、それを使うことができる。」

「本気じゃないと、ガチで怪我するわけだ。」

「ああ、なるほど。……しかし、なんで本気の喧嘩がこんなんになったんだか。」

「確かにな。省~」

「OK。じゃあ、スタートで始めるよ?3、2、1、スタート!!」

「光道<星槍>」

「昇炎<ドラグーン>」

「八式<無限結界>」

零はゴルフボールくらいの球体を連写、俺は全てを焼き尽くす炎、優一はまさかの完全防御結界でのガードを、開始と同時に発動する。

「一番戦況が読めてるのは優一か。」

「みたいだな。」

俺はゴルフボールを霊神剣の弾幕で相殺する。

霊神剣で優一の結界がきれると同時に切りつけるが、優一は泉でガードする。

零が背後から切りつけるが、俺はそれをしゃがんで回避し、そのまま逆立ちになって二人の剣を弾く。

「いまだ!幻想<霊時空>お前らはジ・エンドだ。」

俺は超密度の弾幕が飛び交う空間を開き、その全ての弾幕を零と優一に照準を合わせる。

「あれは無理そうだな……<真柱しんちゅう>、<矛盾>」

零は咄嗟の反応で大きな盾を出現させる。ちっ……見破られてたか。

「八式<無限結界>」

優一も一瞬遅れて超硬度結界を展開し、霊時空の弾幕の衝突による爆発がおこる。

「いやぁ……さすがに破れないか。」

煙が晴れると、そこには無傷の優一と、同じく無傷の零がいた。

「二人ともタフだなー」

「「お前が言うな!!」」

「………(否定できない)」

「次は俺が攻めるからな。終焉<星の終わり>、極星<終焉の隕石>」

零がスペル宣言すると、巨大な隕石や空間が壊れそうな程の爆発が襲う。

「うおおおおおおおおお」

「この状況で何をする気だ?」

零が勝ちを確信して、笑みを浮かべていた。

「優一、爆発は任せた。希望<霊神拳・終>」

俺は右手に全ての霊力を蓄え、それを隕石の所まで跳躍し、隕石を全力で殴る。すると、隕石はバラバラと、細かくなっていく。

「任された!終世スペル<finale world>」

優一がそう唱えると、この世界が崩壊していく。が、一瞬空が赤と青に変わったかと思うと、直ぐに元々いた世界に戻る。

「霊斗、大丈夫か!」

「悪ぃ、動けない。」

「霊斗はここで脱落か?じゃあ優一、二人で決勝戦だ。」

そう零が言ったところで、人が持っていない炎の剣が二人の間に割り込む。優一がバックステップでかわすと、突然鬼の形相をした者に殴り飛ばされ、都心部のようなエリアのビルを2つ程貫通し、3つめのビルに当たり、止まるがそのビルが折れ、優一はそのビルの下敷きになる。

「なんだァ?これが師匠と互角に戦ってた奴か?」

一方、零は炎の剣をいなしていくが、突然炎の剣に援護がかかり、動きが目に見えてよくなる。

直後、何か光の様な速く、力強いものが、零を上空に突き上げる。

零はその後の光景を見て、唖然とした。

零の知っている弾幕とそっくりな弾幕に襲われたからである。

しかし、その弾幕は何一つ着弾することはなかった。復活した霊斗が全て相殺したのだ。


~零視点~

「霊斗、大丈夫なのか?」

「ああ。回復したし、準備運動もバッチリだ。」

地面を見れば、そこには昔みた青年、室井宏大が横たわっていた。

ははぁ、炎の剣の正体はこいつか。と、俺は思った。大方、先程の弾幕の正体、尾都に術で姿を消してもらっていたのだろう。俺も咄嗟のことで気づかなかったし。

しかし、霊斗も成長したな。昔は弄ばれるだけだったが、今は違う。力と技術を駆使して、どんどん成長していく。

尾都と互角に戦える。それはもう、随分立派なことだ。


~霊斗視点~

俺は尾都の弾幕を撃ち落とし、尾都が弾幕を展開するより早く、尾都をかかとげりで墜落させる。「幻想<霊時空>」で、尾都を戦闘不能にする。

直ぐに優一と鬼神の正体、国下の所までいくと、会話が聞こえてくる。

「どうした少年、物足りないぞ?」

「くっ……まだまだだ!」

優一はボロボロになりながらも、立ち上がり、剣を構えようとする。

「優一、悪いがそこまでだ。」

「な!?」

俺は驚く優一の首筋に手刀を降り下ろし、失神させる。

「いやぁ……久しぶりだなぁ!国下。」

「お?少年か?そこまで久しぶりか?」

「いや、気にしないでくれ。」

俺はそう言って、ずっと昔に国下に貰った服に着替える。

「おお、少年。覚えてたか。」

「もちろん。いい年して裸とか、恥ずかしいだろ?希望<妖神尾王>」

俺はそう宣言すると、背中から今度は、白い羽が右側に、黒い羽が左側に生え、十本の太い尾が生える。さらに、手には霊神剣と対になる武器、妖王刃が装備される。

俺は妖王刃を鞘にしまい、素手で構える。

「ん?少年、剣はいいのか?」

「ああ、お前とは対等にやりたい。」

「その心意気……気に入った!」

国下は大きな声を出すとともに、殴りかかる。

俺はそれを冷静に見て、攻撃を捌いて足払いをかけ、地面に叩きつける。「これはどうだ!霊符<夢想霊砲>」

そのまま掌から夢想霊砲を放つ。

「まだまだ甘いぜ?マッサージチェアはマッサージチェアだ。」

だが、そのまま脇腹を蹴られ、ビルに衝突する。

「幻想<霊時空>」

俺はそこから霊時空を使い、国下を弾幕で攻撃する。が、国下が「一撃<鬼殺し>」と宣言すると、妖力を載せた正拳突きによって全ての弾幕がたちまち破壊される。

「鬼討<破顔>」

その直後、鬼殺しと同じ物が、流星群の様に降り注ぐ。

「希望<妖王拳&霊神拳・群>」

俺も同じように撃ち、相殺する。

「少年、力は残っているのか?」

「ああ、ちょっとあれば直ぐに復活するし。」

「そうか、なら再開だ!」

そう言って、国下は目の前に迫り、2拍手する。

「二礼<天討二拍手>」

それは、音の爆弾と言うのに相応しい衝撃を放つ猫だましだった。

地面は削れ、国下を中心にクレーターが出来ている。

「くっ……」

俺も、その衝撃でさらに遠くへ吹き飛ばされる。

不意に、国下が目前まで迫り、腹をおもいっきり殴られる。

上から握りこぶしが落ちてくる。

俺は腕をクロスさせ、ガードをするが、衝撃で足首まで地面に埋まり、動けなくなる。

そのまま俺は両腕を掴まれ、腹げりを諸に喰らう。

痛覚が遮断されているとはいえ、内臓を蹴られ、吐き気が込み上げてくる。

「よし少年、これで終わりだ。一撃<鬼殺し>」

国下は腕を放し、先程の正拳によって、足首はひきちぎれ、再度ビルに激突する。俺はギリギリの意識のなか、倒れていることしか出来なかった。

観客は、驚いていることだろう。目前では幻想郷を今まで千年間に渡って守ってきた者が、赤子の様に簡単に倒されているのだから。

会場はシーンと静まり返っている。それが何よりの証拠だ。

「少年、今までと一緒か?」

そう言って立ち去ろうとする国下は、突如謎の竜巻に巻き込まれる。だが、直ぐに着地してこちらを向く。

「ただ盛り上げれば良かったのに、会場の熱気冷まして、挙げ句俺の精神(プライド)ズタボロにして、逃げられると思ってんの?」

全快し、竜巻の中にいる俺は、笑顔でそう言った。

あくまでにこやかに、それでいて脅すようにそう言った。

国下はそれを零と重ね合わせて、恐怖を覚えたのか一目散に逃げ出した。

「逃がすわけないじゃん」

俺は指先から、レーザービームを放つ。

国下は当たった瞬間、体を貫かれ、顔を歪める。

俺は歌いながら、空間を指でなぞる。すると、なぞった先の部分が切れていく。

「俺は全てを操れる♪

醜い悪魔の心でも

お前の愛しい心でも

いつか亡くなる命でも

決して亡くならん命でも

俺は何でも操れる♪

まずは片腕、次は二本目

その後両足いただこう。

次は腹かな?それとも角かな?

何でもいいからいただこう。

怒りはおさまらないからね♪」

歌い終える頃には、国下はだるまになっていた。




~戦闘後、宴会場にて~

「いやぁ……すまなかった」

「まあ、いいよ。俺も悪いところはあったし。」

俺は、省の用意した室内宴会場で、国下や尾都に、謝罪をしていた。

「はいはい、しんみりした空気はそこまでにして、ご飯でも食べましょ?」

霊夢がそう言って、ご飯を運んでくる。神姫さんも一緒だ。

「酒の肴に、マジックでもどうだい?」

いつのまにかいた竜平がそう言って、ステージに立ち、<クローバーだけ>のトランプを用意する。

「えーーっと……白零無さん、この中から一枚引いて、皆さんに見せてください。」

カードは……クローバーの1。

「次に優一くん、引いてみてくれ。おっと、番号は言わないでくれよ?皆に見せるだけだ。」

「ああ。」

優一はそう言って、無言でカードを引き、皆に見せる。

クローバーの8だな。

「次に、俺が二人の引いたカードの数を足した数のカードを見ずに引きます。」

そう言って竜平が引いたのは、クローバーの9。

「白零無さんが引いたのは1。優一くんが引いたのは8。俺が引いたのは9。合っていますか?」

「ブラボー!!」

「すげえ!」

観客が驚きと評価の声が上がる。

「なるほど、確かに凄いな。」

「霊王様ァ!!」

突然宴会場の扉がバンッと開き、里の人が俺のことを呼びながら飛び込んでくる。

「ん?どした?」

「助けてください!里が妖怪に襲われて!!」

「ああ、わかった。」

~人里~

「うわっキモッ」


「ぎゃあああああああああああ」

「助けてーーーー」

「このッ変態妖怪めッ」


人里にいたのは、巨大な触手妖怪だった。

人を食ったり、

性的な意味で食ったり、

人里は悲惨な状況だった。

しかも、群れを引き連れているのか、傘下らしき妖怪も多く、同じ様な状況だ。

「何だあれ……母体か?」

触手の中にうっすらとだが、背中から触手を生やした裸の女がうつむいている。時々顔を上げては、人間を食っている。

俺が触手を観察していると、不意に女の母親が俺に声をかけ、悲願してくる。

「霊王様!どうか…どうか娘を助けてください……」

「俺がそんな奴じゃないの知ってるだろ?それに、ありゃあ無理だ。体と触手が依存しあって、時々共鳴してる。

精神まで蝕まれているか、もしくは女自体が妖怪になったかの、どっちかだ。」

「どうか、どうか……」

「お前さんの娘が死ぬかもしれないが……良くても、これから動けなくなるぞ?」

「……」

俺は、難しい選択をさせてしまったと思う。

女の母親は少し悩んでいたが、それでも、お願いしますと頼んでくる。

「わかった。後悔するなよ?」

俺はそう言って、触手の中に突っ込む。

触手が俺を攻撃してくるが、俺はそれを潜り抜けていく。

突然、右側から触手が襲いかかる。

かなり速い。けど、

「この程度なら……!」

俺はクナイを投げつけて、触手を断ち切る。

すると、今度は左側から来る。

「やべっ」

「ずるいですよ、霊斗さんばっかり。」

殺芽によってそれはガードされる。

「殺芽、どうしてここに?」

「戦闘の匂いがしたので。」

「恐ろしいわ!!……ってそんなことしてる場合じゃないな。」

捻曲ねんきょく歪渦宙いびつかちゅう>」

「斗真!」

全ての触手が斗真のスペルによって大部分を断ち切られる。

やがて、女の背骨が外れ、それを軸に大きな蛇妖怪が出来上がる。

「ちょっと妖怪の気を引いてて?零無(れいむ)無極(むごく)>」

「白零無まで!?幻想<霊時空>」

「ビシャアアアアア」

十秒くらい経つと、妖怪の実体が消えていく。

それを見て、斗真は「ちっ」と舌打ちをした。

「さあ、戻ろう。」

俺は女を回復しながらそう言った。

~宴会場~

戻ると、皆べろんべろんに酔っていたり、夫婦でイチャイチャしていたり、床で直接寝ている人までいた。

「何があった……」

「私のお酒のせいですかねぇ」

殺芽がそう言って皆とは違うお酒を一口飲むと、そのまま寝てしまった。

「なんだこれ……神殺し?優一の時のあれか。」

俺が毛布を持ってきて、寝ている皆に掛けていると、いつのまにか起きていた優一の奥さん、真理さんが俺に話し掛けてきた。

「すみません、霊斗さん。やらせてしまって。」

そう言いながらも仲良く寝ている優一の子供二人や、零と広大の子供を真理さんは眺めている。

「霊斗さんは、子供はいらっしゃらないんですか?」

真理さんがそう言った瞬間、俺の変化を見て、「あ、大丈夫です。」

と声をかけるが、俺は答える。

「殆ど死んでしまったよ。今生きているのは二番目の子供だけだ。」

「そうですか……」

「俺は霊夢を生き返らせることができたが、そんな簡単なことじゃない。それなりに覚悟を持って、家族を大切にするんだ。」

俺はそう伝えると、神殺しをコップ一杯分飲み、自分の布団で寝た。


~翌日~

「皆、第二回戦だ。俺にダメージを与えられたら、プレゼントをやろう。」

皆が、全力でスペルを使うが、結局、零以外誰もダメージを与えることは無かった。

「じゃ、プレゼント。」

俺はそう言って、酒を零達一家に渡す。

「これは?」

「俺が今まで飲んだ中で一番旨い酒『金剛』だ。」

「そうか、ありがとう。よし、皆でこれ飲むぞ!」

「イェーイ!!」

皆が盛り上がるなか、俺は優一とその息子、仁君を呼び止める。

「優一、仁君借りるぞ?」

「わかった。」

「よし、仁君、特訓だ。」

「え?あ、うん。」


~闘技場~

「スペル、霊力、妖力なしだ。構え!それでは、始め!」

仁君が戸惑いながらも俺の方に走ってきて、上から振りかぶる。

「隙がありすぎる!」

俺はそう言って、竹刀で腹を叩く。

「うぐ……」

「次!」

俺は仁君の隙だらけの動きを突いて、修正していく。二時間後には、打ち合える所まで上達していた。

「よし、これで終わりだ。悪かったね。付き合わせて」

「ううん、強くなれたもん!」

「そうかい。それは何より。」

俺は仁君を連れて、宴会場に戻った。



その後、宴会は次の夜まで終わらなかったが、殆ど俺が酒に酔えることは無かった。

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