聖剣
【ここは異世界の天界、女神アルテと女神見習いセリーヌが召喚した
ムラオサを見る日だった】
「あれから2週間じゃな、今日も続きから見る事にしようポチっとな」
「アルテ様、王がムラオサと敵対する事は無いですよね?心配です」
【ムラオサの竪穴式住居を定点再生しながら2柱は喋り始める】
「それは心配いらんじゃろ、レッドドラゴンとムラオサ相手にするとか」
「そうですね。ゴブリンキングたち増えてますね、レンガは何個作る気なんでしょう?」
「地味な作業じゃな、早送りしよう」
「はいアルテ様」
【その頃、都では馬車と護衛の鎧を着た集団がターニャを迎えに行っていた
塩だけ欲しいムラオサへの薬草のお礼だ、馬車は困惑するターニャを乗せて街を出る、民衆は馬車に祈りを捧げている者まで居る、レッドドラゴンから街を守る切り札扱いのターニャ、そんな噂になっていた】
【先頭の騎士が拳を上げる、ここからはムラオサとレッドドラゴンを刺激しない様に、ターニャと数名でムラオサの竪穴式住居に向かう】
「私、塩だけでも持ちましょうか?」
「いえ、お構いなく我々がお供する意味が無くなってしまいます」
「はあ、そうですね」
【気が重いターニャを囲むように一行はムラオサの元に向かう
、一方気の楽な天界のアルテとセリーヌは詰まらなそうに早送り、
レンガ造りを見ていた】
「まだやっておるな、街でも作るのか?」
「どうなんでしょうね、城を見て自分もゴブリンの家みたいなのは
嫌になったのかもしれませんね」
「ゴブリンも良く働いておるな、ムラオサは前世のまま人を統べる能力に
優れている様じゃ、人じゃないけど」
【引きの動画で見ていたアルテとセリーヌはムラオサの肩に乗った小型化したドラゴンの会話を聞き逃していた】
「マル、立ち枯れって分かるか?」
「マルではないが立ち枯れの意味は分かるぞ、枯れてるのに
倒れていない木だろ?」
「そうそう、大きくなって一掴み取って来てくれるか?」
「よかろう、暇だから行ってくる」
【ドラゴンは飛び立つと強大化しながら上空を舞っている、一本拾い二本拾い家の傍に降りると木の山が出来た、ここからは天界の2柱も聞いている】
「まだ要るか?」
「十分だ、ありがとう」
「ムラオサよ、ゴブリン達もそろそろ腹が減るのではないか?」
「そうだな、狩りに行くか、ゴブリンに言ってくれ」
【レッドドラゴンはゴブリン語で狩りに行ってくる待っておれ、と伝えるとムラオサとドラゴンは飛んで行った、矢よりも早く飛ぶドラゴンはグリフォンの巣がある岩壁まで来るとムラオサのサンダーアローは逃げようとしていた2匹を仕留めドラゴンが空中キャッチ、あっと言う間に狩りは終わる】
「ムラオサとレッドドラゴンの狩り、凄いの一言ですねアルテ様」
「ああ、そのうち暴れる魔王も適うまい、ワラワの人選は成功なのじゃ」
「流石ですアルテ様」
【ゴブリン達は食事が貰えると聞いたものだから、集落から全員連れて来てムラオサたちを待っている】
「あれ?ゴブリン増えてますね」
「鳥がヒナに餌あげてるみたいな絵面だな、ちょっとグロいが」
「はい、全員が食べれるように、ちぎってあげてる姿が微笑ましいです!」
「セリーヌも見かけによらずワイルドじゃな、寄った画像は要らないからな」
「ドラゴンが餌あげてる姿見てたらお腹すきましたアルテ様」
「仕方ないのう、ほれ!」
【神殿のテーブルには二皿、水の入ったコップも2つ、またムラマサの国の料理である】
「これは何ですかアルテ様!スパイシーな感じの匂いですけど」
「これはムラマサの国の帯広と言う土地のカレーライスじゃ、美味いぞ」
「いただきます!むむ、、むむむ、、、美味し過ぎますよアルテ様!私は感動しています、こんなに美味しいものは初めてかもしれません!」
「じゃろ?10軒ぐらいあるのかな帯広に、ここより美味いカレーライスは
無いと言っても過言じゃない、すべてが完璧なのじゃ」
「ごちそうさまです」
「何じゃ?もう食べ終わったのか?早すぎるだろう」
「はい、噛むのも忘れてかき込んでたら無くなっちゃいました」
【皿まで舐めてるセリーヌを見てアルテは引いていた】
「もう一皿食べるか?セリーヌ」
「はい、お願いしますアルテ様」
【その頃地上では手と口を鮮血で真っ赤に染めたゴブリンとムラオサ
、ドラゴンは休憩していた】
「ターニャさん、この先ですね?」
「はい、家のようなものが見えてくると思いますよ」
「あ、ほら!あれです」
【ターニャが指さして方向には竪穴式住居と何かの集団がギリギリ見える】
「ムラオサ、人間が4人近づいてきたようだな、一人は昨日のエルフだ」
「来たか、これで塩っ気のある物が食えるな」
【隊長、キングゴブリンとゴブリンの集団100以上居ますよ、と一人が見付け4人は足が止まっていた、無理もない話だった】
「足が止まってるな、ゴブリンに怖気づいてるのかもしれん、
呼んで来てやろう」
【小さいままのレッドドラゴンが瞬間移動の様にターニャの前に移動した】
「わっ!!!」
「あ、ドラゴンさんですか、驚かさないでください!」
「あなた様が昨日のレッドドラゴンなのですか?私達は王のめいによりターニャ様のお供してまいりました騎士団先遣隊です」
「ふーん、まあ良い、付いてこい」
「ゴブリンが見えますが大丈夫なんですか?」
「ああ気にするな」
【そう言うと小さなドラゴンはパタパタと4人の前を飛んだ】
【200メートル、、、、100メートル、、50メートル、20メートル、血に染まったゴブリンの集団の真ん中にはムラオサ、4人にとっては耐え難い状況だった】
「おお!ターニャ塩持って来てくれたんだろ?」
「は、はいいぃ」
【ゴブリンキングは貢物の女だったのを思い出すと土下座した、他のゴブリン達も慌ててみんな土下座する、4人は少し気が楽になった】
「ムラオサ、王、いやここのオサが色々くれましたよ」
「おお!それは恐れ入る、その者たちはオサの使いか?」
「はい、長の使いの者たちです」
「ゴブリン達、もういいかな?反省している」
「はい、気が効かなくてすみません」
【ムラオサが頷くとドラゴンがゴブリン語で何か話した、ゴブリン達は顔を上げ一列に並び正座した、天界では無言でスクリーンを見つめる2柱】
「これが塩、こっちが胡椒、それから山椒、色々王、いやオサがくれました」
「魔王が居たら教えてくれと言ったのはこっちなのに、申し訳ないねえ」
「あのう、ムラオサ殿、ゴブリン達とはどういった関係なのですか?」
「ご近所さんていうのかな、この者たちは近くにムラがあってな」
「はあ?(何いてんだろう?相手は魔物だぞ)」
「まあ礼儀が成ってないから説教はしたけどね、今日は一緒にレンガを
作ってた」
「なるほど(さっぱり分からんな長居は無用だろう)」
「これは我がオサ?から預かってきました聖剣です、魔王討伐には
欠かせない物ですので使ってください」
【丈夫そうな革張りケースのフタを開けると向きを変えムラオサに見せた】
「おお!これは随分立派なものだな、いいのか借りても?」
「聖剣だな、忌々しい剣だ、斬られたことがある」
【レッドドラゴンは聖剣を見る目が険しかった、前世で斬られて1000年、
最近やっと復活できたのだった】
「最後にこれが当面の活動資金です、お使いください」
「これは?」
「金貨で500枚あります、更に必要なら王宮にお越しください」
【ターニャ含め4人はムラオサ、ドラゴン、ゴブリン達に手を振られ
帰って行った】
「今回も面白かったなセリーヌよ」
『はい、今回も美味しかったですアルテ様」
続く
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