転生
【ここは異世界の天界、女神アルテは女神見習いセリーヌと一緒に神殿から
地上の惨状を見て慌てていた】
「こ、ここ、これはどういう事じゃ!何が起きている!民草が大勢死んでる
ではないか!」
「アルテ様、魔王が瘴気をばら撒いているようです、瘴気から生まれた魔物
が都市や村を襲っています」
「ぐぬぬ、魔王め!許さんぞ!!ところで勇者は送られてないのか?」
「それが、、、残念な結果に、、、」
「こうしてはおれん!この女神アルテ様が直々に召喚してやろう!」
「流石ですアルテ様!」
【こうして召喚の儀式が始まったのである、ただこの召喚、ややこしい事が始まるきっかけになる事はアルテもセリーヌも気が付いていないのであった】
「やっぱり地球がよかろう、善人でカリスマ性があって、体は作り直すが
人並外れた体力の持主、動物にも好かれるような男がいいな」
「ちょうど臨終を迎える者がおります、条件にピッタリです、
ですがアルテ様、今からで間に合うのでしょうか?」
「いいところに気が付いたなセリーヌよ、褒めてつかわす、10年前に
転生させればどうじゃ?」
「なるほど、まだ魔物が溢れる前に転生させるんですね、流石です」
【この召喚に選ばれた老衰で息を引き取ろうとしている老人が居た
親族や仲間に見守られ「竪穴式住居」の中で】
「ムラオサ!海のムラオサも駆け付けてくれますたぞ!」
「山のオサよ、お前にはずいぶん世話になったな、わしももう長くない
、待っててくれるか?これからも山のムラと海のムラは永遠に仲間だ、子供や孫の事は心配するな」
「おお、最期にお前さんの顔が見れて思い残すことも無いな、ワレの人生は最高に幸せだった」 カクン
「おやじ!」「オサー!」「じいじ行っちゃやだ!」
【こうして一人の男の一回目の人生は幕を閉じた、二回目の人生は女神アルテに呼ばれて異世界に行く事になるのだが、、】
ーーー天界、アルテ神殿ーーー
「体は何才ぐらいがいいだろう?16才ぐらいか?」
「あんまり若いと舐められる場合もあるでしょう、20才ぐらいがいいのでは?アルテ様」
「そうじゃなあ、間取って18でどうじゃ?15歳で成人だからな、体力的にもちょうど良かろう」
「魔法がやっぱりいいか、Lv10火魔法、Lv10土魔法、Lv10雷魔法、上級ヒールも付けるかLv10 回復魔法、それからLv10身体強化、収納魔法も付けるか、こんなもんかな」
「超加速もLv10で欲しい所ですね」
「なるほど、それも大事だな、つけるよLv10超加速」
「そろそろ来る頃ですね」
「ワクワクするもんだな」
「与えれる上限のLv10から進化するのも本人次第、おっ!来たようじゃぞ」
【白い霧が立ち込め、消えた瞬間18才のムラオサが現れた、鹿の毛皮姿で裸足、辺りを見回してからアルテを見る】
「ワラワは女神アルテ、ここは天界じゃ、ムラオサは死んだが新たな人生を
与えようと18歳の体で再び生を与える事になった」
(なんじゃ、この者の格好は?コスプレでもしておったのか?)
【女神アルテは地球に詳しかった、あくまでも「現代の」だが】
「ワレは何故ここに居る、新たな人生?」
「これからお主にはやって貰いたい事がある、これからお主が行く世界では
極悪非道な魔王によって民が大勢殺される、助けてやってはくれないか?」
「まおう?獣か?獣なら狩ってやろう、狩りは得意だ」
(この者は魔王も知らないのか?地球人なのに)
「ステータスオープンと唱えてみよ」
「すていたすおうぷん」
(これでこやつも納得するだろう)
【ウインドウには盛りだくさんの情報が表示されているが、ムラオサが生きて
いた時代に文字は無い】
「ほう、凄いなこれは」
「お主も理解したようじゃな、一月分のお金と少しの食糧と短剣だ、
健闘を祈る」
【ムラオサが異世界の地を踏んで2週間が経過した時だった、女神アルテと女神見習いセリーヌはムラオサが異世界に慣れた頃だろうと覗いてみる事にした、神殿内のソファーに二人は座り壁の大きなスクリーンで覗いてみた】
「どれどれムラオサは元気にやってるかな?ポチッとな」
「彼は何をしてるのでしょう?あれはゴブリンの家ですか?」
「状況が良く分からないな、山の中なのは分かるが、ちょっと引いた映像を
見せて」
「引いていくと家のようなものは一軒だけですね、ゴブリン集落では
なさそうです」
「ますます解からないな、転生当日から見せるのじゃ」
「予定通り、街のそばの草原ですね、手違いはありません」
【食い入るように映像を見つめる女神と女神見習いの二柱】
「歩き始めたな、ん?街とは逆に歩いてないか?」
「そうですね、街ではなく山に向かってる様です、あり得ないですね」
「早送りにするのじゃ」「はい」
「ストーーップ!普通の速度で」「はい」
「こんにちは、マオウってどの辺に行けば居ますか?あー逃げないで!
決して怪しい物ではありません!話を聞いてくれ!」
「ムラオサはゴブリンに話しかけてるな、人だと思ってるのか?アイツはゴブリンを知らない?どうなっておる!」
「凄いスピードで追いかけるからゴブリンも泣きそうな顔してますね、大規模集落にでも戻られたらまずいですよ、あっでも現在は無事なのか、、」
「ゴブリン集落まで付いて行ってしまったではないか!」
「いっぱい居ますね、たくさんのゴブリンに覆い被られてますが、ここからどうやって生還したんでしょう」
「痛いじゃないか!オサを出せ!!無礼者!」
「ゴブリンが飛ばされておるな、一匹ずつビンタしてるのか?」
「アルテ様、後ろの方から来たのは槍を持ったゴブリンキングじゃないですか?」
「うむ、間違いないゴブリンキングじゃ」
「あんたがここのムラのオサか?教育が成ってないぞ!」
「まだ話しかけておるな、本当にゴブリンを知らないのか?おや?
ゴブリンキングが槍を差し出して土下座しておるぞ」
「そこまでしなくてもいい、あんた達はワレの言葉が分からんか?」
「ゴブリンキングは槍あげるから勘弁してくれって雰囲気ですね」
「ムラオサは槍を貰ったな、ゴブリンを生かして去る気じゃあるまいな?」
「そのようですね、立ち去るムラオサにゴブリンたちが手を振ってますから」
続く
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