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モモとムツキ
モモとの楽しい会話も束の間、寒天を食べ終わり彼女も帰る時間だ。
「僕が送るよ。その前にちょっと……。」
ムツキはモモの両手を取って、ぎゅっと握った。その瞬間、モモの胸にほわっと温もりが宿った感覚がした。
ムツキは彼女を見上げて、花が咲いたような微笑みを向けた。
「見守ってるから。」
「ありがとうございます。」
モモは、手ぬぐいでまた目尻を拭って笑った。
ほどなくして、モモを送ったムツキが部屋に戻ってきた。
「力を使うなら、少しでも対価を貰ったのに。」
ミツムネがノートパソコンを操作しながらムツキに声を掛けた。
「少し使っただけだから別に良いよ。これから参拝にきてくれるんでしょ?———それに、」
「兄さんも前、同じことしたじゃん。」
ミツムネは、んーっと伸びをしてソファに身を預けた。
「俺は今もそのときの対価を貰ってるよ。」
テーブルに残った空の小豆寒天の器へ視線を落とし、口元に綺麗な弧を描いた。




