1/31
プロローグ
ひどく雨が降り続いている。
眠ろうとベッドに入ってどのくらい経っただろうか。はじめは気にならなかった、雨粒がばたばたと打ちつける音がやけに大きく聞こえ、ますます眠れそうにない。接触冷感の敷きパットが生ぬるく感じてきて、イライラしながら掛けているタオルケットを蹴り飛ばした。目は暗闇にすっかり慣れ、エアコンの小さなランプさえ明るく感じるようになってしまっている。
こういうときは、昔あった嫌なことをいつも思い出してしまう。今はもうどうしようもないことばかりが頭の中をぐるぐる駆け巡る。
明日も仕事なのに———、ナナミは頭が冴えてしまって眠れない自分に苛立ちを感じながら、鼻で深呼吸をして何度目かの寝返りを打った。




