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寝取られて壊れた俺、義妹が可愛すぎるから養うことにした ♦︎♦︎♦︎義妹に癒されながらブラック不動産で働くことになった  作者: 白井 緒望


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第84話 投影

 「葛城。次はリフォーム業者との打ち合わせな」


 「分かりましたぁ!」


 俺は時計をみた。

 14:30。


 まだ少し時間がある。


 「せんぱーいっ。あの人、きっと総会に来ますよね?」


 葛城がパイロンを抱えている。

 俺は半分引き受けた。


 「どうしてそう思うの?」


 「だって、絶対に本心では今のままじゃダメだって思ってますよ。復活したいって。先輩がヘルプしたし」


 「どうだろう。俺は半々だと思う。引きこもりっていっても、30代と50代じゃ違うんじゃないか?」


 葛城はパイロンを置くと、額を拭った。


 「でも、前に誰かが、人は何歳になってもチャレンジできるって言ってましたよ?」


 もし、俺があのまま引きこもっていて。

 そのまま何十年も経っていたら。

 

 きっと、違う。

 そんな前向きには考えられない。


 「たぶん、取り返しがつかないって気持ちに押しつぶされそうなんじゃないかな。それで『もうどうでもいいや』って」


 ぞわっ。

 

 背中に視線。

 たぶん、あの男が覗き穴から見てる。


 俺は葛城に耳打ちした。

 葛城は俺を一瞬睨んで、笑顔になった。


 「先輩っ。人っていつでもチャレンジできますよね! わたしそういうのすごいって思います」


 イテッ。

 こいつ、脇腹を殴りやがった。


 「ほーんと、先輩は想像力豊かなんですね。あっ、業者さんきましたよ」

 葛城は、手を振った。



 今日は工事前の打ち合わせだ。


 配管の件が未定なので詳細は詰められない。でも、業者側にも人工の手配があるらしく、リフォームの青写真だけでも欲しいと言われた。


 間取りの変更がどこまでできるのか。水回りの位置を変えられるのか。フローリングの張り替えができるのか等、確認していく。


 「キッチンの位置は変更できそう?」


 業者はキッチンの棚の中を覗いた。

 「これ、床を上げないとダメですねー」


 「いや、ここ天井低いし。上げたら175くらいしか残らないんだけど」


 「古い物件は水回りがねぇ」

 業者がコンベックスを当てながら言った。


 葛城は隣でメモをとっている。


 「葛城はどう? なにかアイディアとかある?」


 「わたし、鍵をしっかりしたのに換えて欲しいです。向かいの人怖いし」


 なるほど、鍵ね。

 管理会社に確認しないとな。


 「他には何かある?」

  

 「この納戸をクローゼットにして欲しいかも」


 「納戸よりも?」


 「はい。お洋服たくさんかけられるし」


 たしかに。

 何よりも工事に金がかからないのかがいい。


 「サンキュー。東横線だし、子なし共働き向けならありかも」

 


 打ち合わせは30分程で終わった。


 物件から出るとスマホが光った。

 三条君からだ。


 「山路さん。聞かれた件、面接はしてくれるみたいっすけど。さすがに50代職歴なしじゃ、期待はできないかもです」


 「そっか、手間かけたね」


 ポンッ。

 肩を叩かれた。


 「先輩っ。ドンマイです。軽く飲みにいっちゃいますか?」


 葛城は微笑んだ。

 俺もニマーっと微笑み返した。


 「葛城と? 世話が大変だし、やめとこかな」


 


 

 


 

 

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