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第61話 ダンジョンを作ろう!

当然だが“今の僕”は。


“ダンジョン程度”なら時間をかければ創造するくらいはできる。

何より前の世界での経験、そして獲得した幾つものスキル。


正直その気になれば新たな世界くらいなら創造できる権能を僕は既に持っている。



もちろんやらないよ?

面倒くさいし。


何より僕は『神様になる』なんてまったく興味ないしね。


だけど今回何故か僕に懐いてしまったダンジョンコア。

『セイ』と名付けた彼女、どうやらめちゃくちゃ優秀なんだよね。


僕の魔力になじんだ今。

彼女はまるで“某物語”のように僕とつながり、いつでも会話と言うかやり取りができる状況だ。


さらには僕の空間系の魔術。


それを組み合わせれば面白い事が出来ると僕は気づいていたんだ。


だから後は許可。

ちょうど僕に褒美を取らせたい陛下が目の前にいる


まさに究極のご都合主義だ。



ご都合主義、万歳。



※※※※※



「うぬう。ヒューマン族を鍛える『擬似体験型ダンジョン』か。…正直よくわからんが。それにはこの学園を自由にする許可が欲しい…そう言う事じゃな?」


「ええ。さすがに無許可で事を起こそうとは思いません。何よりここは学園。力無き生徒も多くいます。まずは安全第一。そして誰でもその力に応じた訓練のできる場所の構築。…授業に取り入れるのも面白いと思いませんか?」


僕の考えている事。

幾つかの魔術を組み合わせ、本人の安全を確保。


もちろんダンジョンの経験値も欲しいので。

擬似とはいえ殺しまくる予定だ。


くくく。


取り敢えず肉体から魔術で作った擬似生命体を作成。

死んだとしてもメチャクチャ疲れるといったくらいに調整をする。


まあ、生命力の半分くらい?


そして準備する特性ドリンク。

何もしなくても数週間で元に戻る程度にはするけど。


特性ドリンクを飲めばあーら不思議。

すぐに元通りになる『優れ物』を用意しよう。


『適正』価格でね。


ククク、アーハッハッハハハハ!

これ…金の匂いもぷんぷんする案件だ。


「…ライト様…何か悪いお顔をされていますけど?」

「っ!?はっ?!…ハハハ、や、やだなあ。そんなことないよ?」


いかんいかん。

つい妄想を暴走させてしまった。


コホン。


「えっとですね。僕の秘術と言うか魔術で、擬似精神体を作成します。…そうですね、『アバター』と名付けましょう」


「アバター?」


皆が目を丸くする。

まあこの世界では聞きなれない言葉。


ルイは分かっているみたいだけどね。


「まあ“擬似体験”です。もちろん経験値や、ダンジョンの中で獲得したお宝、実際に手に入れることが可能です。当然経験値については擬似ですので。…100%ではないですけどね。その調整は――ククッ…お値段次第?」


「っ!?えっ、凄い…」

「っ!?値段?…うう、どんどんライトが黒くなっていく…」


もちろん僕の開発したあれやこれも、宝箱に入れる予定だ。

何しろティアに猛烈に反対された武具の数々、ボクのインベントリの肥やしになっているからね。


「そして一番大事なことですが。このダンジョンの死亡は現実世界では『無茶苦茶疲労する』程度です。命の問題は発生しません」


「死ぬことはない?さらには実際に経験やお宝も得ることができる?!…ラ、ライト…そ、それはまるで、夢のような話ではないか!?」


うんうん。

良いですよ陛下。


その反応、まさに僕の目論見通り!


「ええ。きっとマイハルド王国は力を増すでしょう。何より死なずに高難易度のダンジョンに挑むことができる。そして――素晴らしいのはここの立地です」


「立地?…どういうことだ?」


「学園には各種結界、展開しています。つまり無許可の者は入ることができない。だから入るには『資格を購入してもらう』という言い訳をつけることが出来ます」


僕はにやりとし、陛下を見つめる。


「きっとこのダンジョン、メチャクチャ人気出ますよね?…入場料による収入と自国戦力の安全な向上。ああ、もちろん王国の兵士の皆さんは無料ですよ?…国庫、潤うと思いませんか?」


兵士たちの訓練、そして魔物の討伐。

まさに命懸けだ。


そして獲得できるお宝ははっきり言ってこの世界の常識を変えるほどの高性能。

それを死のリスクなく獲得できるチャンス。


「ちなみに…手に入るお宝…一部ですが紹介しますね」


そう言い僕は秘蔵の武器、魔力で変換するソードを取り出す。

魔力を流し、驚愕する陛下。


何故かティアはあきれ顔だけど?!

コホン。


「ラ、ライト?…こ、この武器…やばくないか?!」


おう?!

陛下?


言葉乱れてますよ?!


「さらには『国王の名による発表』で世界各地に通達、絶対の多くの人が押し寄せます。しかも無許可では絶対に入ることができない…」


思わずにやける僕の顔。

何故かキャルン姉さま、ドン引きだけど?


「そして幾つかの情報操作とサクラの運用。…新たな宿泊施設、建設も申請しますかね」


これもう『勝ち確』じゃんね。


僕の想いと言うか野望?

陛下はどうやらそれを理解した。


「っ!?…ライトよ」

「はい」

「好きにするといい。取り分の分配は…まあ、あとでよかろう。…貴族連中は抑えよう」


「はい!」


興奮冷めやらぬ陛下は、踵を返し学園長先生の部屋を後にした。



※※※※※



こうして新たなダンジョン事業、僕『ライト・ソガ・ガルデス侯爵』主導で行われることになった。


僕はまだ9歳。

でも『かつてない功績』と言う事で。


新たな家名――ガルデス・ソガ


ついに僕は父上を超え、侯爵にまで上り詰めた。


正直望んでいた事ではないけど。

外野を黙らせるにはちょうどいいのは事実だ。


ヤバイ。

マジでワクワクしてきた!!



※※※※※



解散し、寮に戻ってきた僕ら。

なぜか待ち受けるロキラス殿下と父上。


うん?


どうしてガルデス領にいるはずの父上がここに?


「父上?どうしたのですか?…いつ来られたのです?」

「お父様?!」


何故か僕にジト目を向ける父上。

そしていきなり膝をつく。


「…“ガルデス・ソガ侯爵”様。叙爵、おめでとうございます」


はあっ?!

な、なんで?


「ライト。聞いたぞ?…ここ数十年、誰も出来なかったダンジョンの踏破に要人の救出。…お前は学生なのになあ…しかも功績を認められ、あっという間に侯爵に叙爵。――お前隠す気ないだろ?」


あきれ顔で口にするロキラス殿下。

ていうか情報の流出、早すぎない?


っ!?

もしかして…


「あの。…もしかしてですけど…その情報の流出源って…」

「うむ。陛下だな。お前依頼受けたの火曜日だろ?もうその時点で陛下はこうなると決めていたぞ?」


やられた。

だから陛下、学園長先生の部屋で待機していたんだ。


慌てふためく僕。

そんな様子にロキラス殿下はため息交じりに口を開いた。


「…お前はどうも俺や父上を過剰に評価していたよな。…『真直ぐ』だとか『優しい』とか。…お前のその評価、正直嬉しくもある。だがな?」


「は、はい」


「そうはいっても陛下はこの大国マイハルドの王だ。当たり前だが(したた)かさはもっている。…お前、見誤っているぞ?もちろん騙そうだとかそういう下らぬ企みはないがな。陛下はお前を痛く気に入っている。――気を引き締めておくといい」


気付けば膝をつき、うなだれてしまう僕。

そんな僕に父上は大きくため息をつき、そっと僕の肩に手を置いた。


「…侯爵様?お気を確かに……くっ、くくっ、ぷっ、うは、うははははははは」


そしてなぜか堰を切ったように笑い始める父上。

もう僕は何が何だか…


「くくくっ。これで俺はお役御免だ。お前の起こす騒動のつけ、私は本当に苦痛だった。しかもお前は王都にいる。…これで俺は晴れて自由の身。ガルデス領に専念できるというもの。…ライト」


「……は、はい」


「ありがとう。…ぷっ、くくっ。…お前のそのような顔、初めて見たぞ?アーッハッハッハハハハハハ…」



※※※※※



えっと。

気持ちは分かりますけど…


父上、それ酷くないですか?!!


僕は一人、改めて『迂闊だった自分』に猛省していたんだ。


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