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魔王はまだ討伐しないようなので異世界ライフを楽しみます  作者: 転香 李夢琉
番外編3 みんなの日常

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第1回人狼ゲーム



「――人狼ゲームって知ってる?」


 なんの前触れもなく咲夜がスマホを見せながらそう言ってきた。


「知ってるけどあんまやったことないな」


「俺も知ってっけどやったことはねぇな」


 なにやら咲夜は目を輝かせながらニッコニコで「よしやろう!」と言いはじめた。

 することもなく暇だったので、というか暇なのでわざわざ同じ部屋に集まっている節もある。あと、スマホでするみたいだがバッテリーとか大丈夫なのかと要らぬ心配を仕佐は思ってしまう。


「ルールは簡単。村に隠れてる狼を見つけ出して昼に処刑して狼が居なくなったら村人陣営の勝ち、狼は夜に村人を食べれて最終的に村人と数が同じになったら勝ち」


 今回入れる役職は以下の通りだ。

 人狼一人。人狼は夜に人狼、大狼以外を喰らうことができる。占い、霊媒共に人狼とでる。人狼陣営。

 大狼一人。占い師に占われても村人とでる。人狼と協力して喰らうことができる。霊媒で人狼とでる。人狼陣営。

 狂人一人。特別な力がないため仲間の人狼が分からない。占い、霊媒に村人とでる。人狼陣営。

 占い師一人。毎晩一人占える。占い、霊媒共に村人とでる。村人陣営。

 霊媒師一人。昼に処刑された人の役職が分かる。占い、霊媒共に村人とでる。村人陣営。

 村人二人。なんの力もない一般人。仲間と協力して狼を処刑する。村人陣営。


「じゃあ最初はチュートリアルってことで適当にやってみよっか」


 咲夜が設定を完了すると時計回りにスマホを回し始めた。一週ぐるっとみんな役職を確認し終えるとタイマーが表示され昼の会議が始まった。


「私村人ねー! 他村人の人いる?」


 パッと五人の手が上がった。手を挙げなかったのは美玲だ。咲夜はふむふむと言わんばかりの表情で役職を問う。


「私は霊媒師です」


 なるほどと咲夜は頷く。


(みーちゃんの性格的に嘘はつけなさそうだからこれは信じても良いかな?)


「あ、えっと僕も霊媒師です」


 驚くことを言ってくる。村人で手を挙げてその後に役職を言ってくるのはよくある手段だ。二人も霊媒師が出てきた以上、どちらかは人狼サイドもしくは両方がその可能性がある。


「えっ、猟魔も霊媒師なんですか?」


「そうですよ。僕は霊媒師なので偽物は美玲ですね」


 さっそく美玲と猟魔が口論をしあっている。この口論は基本的に無駄だ。どちらかがボロを出すか折れない限り何にもならない。


「じゃあ一旦霊媒師は置いといて、占い師は居る?」


 少しの間を開けて仕佐が手を挙げた。


「えっと、占い師だったんだけど……」


「なるほどね。ちなみに、このアプリでは“お告げ”っていうルールがあってそれを入れてるんだけど誰が白だったか言える?」


 お告げルールとは、最初の役職を確認するフェーズで()()()()()()()()人を一人ランダムで知ることができる。つまり、人狼サイド以外の人を知ることができる。


「えっ、あ~……誰だったっけ……」


 驚いたように狼狽える仕佐。

 恐らく仕佐は嘘をついている可能性が高い。しかし、単純にその仕様に気が付かず連打して飛ばしてしまった可能性もなくは無い。


「多分、見てない。かな?」


 正しい判断ではある。もし人狼初心者だった場合、勢いに任せて仲間の人狼を指名し白確で守ったりする。でも適当に選ぶこともできた。しかししなかったということは、単純にそこまで頭が回らなかったか白確を出したくなかったかたらか。


「なるほどねぇ。ちなみに他、占い師は居る?」


 誰も出なかった。


(正直、誰よりもえっちゃんが怖いんだよね。どんな動きで来るか想像が)


 咲夜は友達が多いのでいろいろな人としたことがあるが、影兎としようとした場合最低でも二、三人はメンバーが欲しい。しかし人見知りなため上手くいかず、結局影兎と一緒にできたのはオンラインでの数回のみなのだ。


「条夜とか蒼磨はどうなの?」


「俺は村人。今んとこ仕佐が怪しいってことくらいしか分からん」


「俺もそうだな、雷鳴の挙動がちぃっとおかしかった以外分かんねぇな。村人だからつまんねぇわ」


 二人して仕佐が怪しいと睨む。こういう二人の意見が重なることはよくある。しかし、それを怪しいと思うのも当然だ。


「お二人が人狼だったりはしないのですか?」


 と、ここでタイマーが鳴ってしまった。残念ながら議論タイムは終了だ。ここから誰を処刑、もしくは誰も処刑しないかのどちらかを選べる。基本的には処刑した方が良い。


「っと時間だね。私がいっせーのって言うから処刑する人に指差してね」


 それぞれ返事をすると咲夜は合図を出す。


「行くよ? いっせーの――ええっと仕佐に四票で蒼磨に一票、私に一票か。じゃあ仕佐が処刑だね」


 ちなみに仕佐が疑ってきていた二人の内蒼磨を指し、咲夜を指したのは意外にも影兎だった。


「ええっ僕かぁ」


「何か遺言はある?」


 アプリの処刑ボタンに指を掛けながらまるで脅しのように訊く。


「う~ん。人狼ゲームっておもしろいね、あとは任せたよ」


 それだけ言うと咲夜によって処刑された。スマホの画面には「仕佐が処刑されました。処刑をしたにも関わらず恐ろしい夜がやって来ました」と表記された。

 ここからは夜のフェーズだ。占い師は一人占い、霊媒師は昼間に処刑された人の役職が見れ、人狼と大狼は一人襲撃できる。仕佐を除けた六人がそれぞれ夜の行動を終えるとログが上がってきた。


「お、蒼磨が襲撃に遭いましただって」


「まじかよ」


 二日目がやって来た。残ったのは自称村人の咲夜、自称村人の影兎、自称村人の条夜、自称霊媒師の猟魔、自称霊媒師の美玲だ。


「とりあえず霊媒師に昼間の処刑の結果を聞こうかな。じゃあみーちゃん!」


「仕佐さんは村人でした」


「ふむ。じゃあ猟魔」


「何を言っているんですか? 雷鳴くんは人狼でしたよ」


 ここで意見が食い違ってしまった。しかし、ここで咲夜はニヤリと口角を上げながらあることを口走る。


「いやぁ残念だったね猟魔。これが私じゃ無かったらその発言に翻弄されてたよ~」


「どういうことですか?」


「いやね、実は私占い師なんだよね。お告げでみーちゃんが白って出てるんだよ。ちなみに、私が占ったのは猟魔なんだけど……村人って出たんだよね。この意味、分かるかな?」


 勝ち誇ったようにニヤニヤとしている。

 咲夜の中での持論はこうだ。それは一日目の処刑の際に最後に放った仕佐の言葉「あとは任せたよ」これは恐らく人狼()()()に向けて放った言葉だ。そして猟魔の霊媒結果、これは一人人狼が吊れたと勘違いさせる為の物でもう一人いる霊媒師を処刑しようと企んでいる。そして、村人と出た猟魔の本当の役職は大狼、そう考えた。


「なるほど。でも、実は咲夜さんが人狼で本物の占い師を処刑に持っていったという線もあるのではないですか?」


「へへぇ~猟魔って意外と頭が回るんだね。確かにその線もあるね、でもどちみち私は今夜殺されると思うから。私は猟魔を処刑しても良いと思うな」


「占い師って言った以上咲夜は殺されるもんな。というか影兎、お前はどうなんだ?」


 これまでずっと発していない影兎を訝しんで問いかける。


「……占い師が死んでしまう以上、怪しい霊媒師を処刑するのはアリだと、思う。ただ三日目からは手探りになるだろうけど」


「お、時間だね。じゃあ指差そっか」


 結果猟魔が処刑されることになった。


「遺言ある?」


「そうですね……僕を吊ったこと後悔してくれると嬉しいですかね」


 それだけ言い残すと処刑された。

 そして処刑したにもかかわらず夜がやって来た。咲夜、影兎、条夜、美玲の順で夜の行動を終えると三日目がやってきた。


「あらら、やっぱり私が死んじゃった」


 残りは三人だ。


「残りは俺らか。霊媒結果頼む」


「あ、はい。猟魔は人狼でした」


「じゃあ確定だな。俺から見ればもう一人の人狼は影兎だと思ってる」


「私は二人とも怪しいです」


「僕目線はみーちゃんさんが確実に白」


 もし美玲が人狼の場合、咲夜が狂人で本当の占い師が存在しない、もしくは未だ出てきていないと言うことになってしまう。そして猟魔が仲間の人狼ならば、霊媒師も居ないというとんでもない矛盾が起きてしまうので美玲が人狼の線はまず確実にあり得ない。

 影兎視点、美玲は確実に白なので消去法で条夜だ。

 条夜視点、美玲が白なのは確実なので影兎が人狼。

 美玲視点、二人の情報がなさ過ぎるためどちらか分からない。相方である猟魔を処刑する際もなんのためらいなく応じたため余計に混乱している。


「どうするかな~。一旦俺を信じて影兎を指してくれないか?」


「僕を信じてよ」


 お互いが一歩も譲らずの攻防だ。どちらを信じるかで勝敗が決まる。


「あと30秒くらい残ってるけどもう投票する?」


 決まりそうな流れになっていたため咲夜が声を掛けた。美玲もそれに頷くと一斉に指を指す。


「せーの!」


 票が多かったのは影兎だった。咲夜が処刑ボタンを押すと勝敗が表示された。


「勝利したのは……村人陣営! ナイスだよみーちゃん!」


 美玲は安心したようにため息を付く。


「ちなみに人狼は猟魔とえっちゃんだね。狂人が……え、仕佐だったんだ!」


「狂人って結構おもしろいね」


「で、みーちゃんが霊媒師で私が占い師だね」


 最後の盤面はとても惜しかった。あそこでもし美玲が条夜を選んでいれば勝ったのは人狼だった。ほとんど運だろう。


「てかなんで俺を選んでくれたんだ?」


「本当になんとなくなんですけど、条夜さんが安全なような気がしたんです。あとこころなしか影兎さんが怖く感じました」


「なるほどなー」


 感想もこのぐらいにと咲夜がにこやかに訊いてくる。


「おもしろかったでしょ? もう一回やろー」


 そうして再び人狼ゲームが始まった。

 第2回人狼ゲームへと続く。

バレンタインからの人狼ゲームとか言う謎の組み合わせ

やっぱみんな揃ってる方がいろいろ出来て楽しいよね!


第2回は多分次の番外編の時になるかと。(もう出来てるけど)

ほなほな、次の投稿は来月で新章開幕や!! そしてストックが全然なくてやばい……最悪月1投稿になる可能性も微レ存

ま、まだねストックはあるから。次の投稿は3/14だぞ。ホワイトデーはないぞ

それじゃあまた――

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