第二十四話 勇者、魔王討伐へ向かう
◆ ◆ ◆
「――それでは勇者様のご無事を祈っております」
王と、民たちに見送られ勇者一行は魔王討伐の旅に出た。
「本物の勇者か……」
「まるで僕たちが勇者じゃないみたいだよね。その言い方」
「そうだよな」
昨夜言われたその言葉が妙に頭に残っている。
仕佐と咲夜は勇者として召喚された。その証にステータスの職業欄は勇者と明記されているし、仕佐と条夜は神官からステータスを偽造されているのだ。それなのにあの勇者はこれほどまでに歓迎された。
なぜ同じ勇者なのに違いがあるのか。
勇者一行が町の外へ行くと途端に城門の前は閑散とし出す。
「……どうせなら途中まで見に行かないか?」
「ちょっと気になるよね」
召喚されて日も経っていないはずなのにあれだけ戦えるのはなにか秘密があるのだろうか。それとも本物の勇者ゆえの特権だったりするのだろうか。それに、数少ないSランク冒険者が三人も同行しているのも気になるところ。
「私もやりあいたかったな~」
咲夜がそんな呑気なことを言うが咲夜なら……いや、咲夜でも勝てるか怪しいかも知れない。アレはそれほどまでに圧倒的で、強かった。
「やっぱ強いやつとやりあうのは醍醐味だもんな」
と、二人しか分からないような会話をしている横で影兎はただ門の奥を見つめていた。仕佐はその様子を気になりもしたが、恐らく見ているモノは同じだろうとわざわざ口には出さなかった。
(僕たちと違う属性……)
――門を出ると咲夜と影兎ともに仕佐達は勇者の後を遠くの方から見ていた。
普通勇者が旅立つのであれば、御者なり馬車で移動するものだろう。いや、そうだと相場は決まっている。だけど、勇者一行は歩いて門の外へ出て行ったのだ。こんなの見に行っても良いぞと言っているようなものだろう。ならばとその好意に甘え、見に来た次第だ。
とは言え、念のために一キロほど離れて見ているのだが。
「どこまで着いてくの?」
「俺が飽きるまで」
「一生終わんないじゃんそれ……人影さん達はいいの?」
訊いたのが咲夜だったのがいけなかった。
「私は全然いいよ~あわよくば戦いぶりを見れるかも知れないからね」
答えは火を見るよりも明らかだった。それに影兎は……訊くまでもなく。
と、勇者が魔物と接敵したようだ。
「お! 初心者の定番スライムじゃん!」
勇者は腰の剣を鞘ごと外すと慣れない手つきで抜剣する。そのままその場に鞘を落とすと両手で構えた。
「雰囲気ちがくね?」
実際に対峙した条夜だからその違和感と不自然さに真っ先に気がついた。
よろよろと剣を大きく振りかぶるとスライムに一打撃を与えた。
「あれほんとに俺が戦った勇者か?」
標準もさほど定まっていない剣先はスライムの身体に弾かれ尻餅をついてしまう。かくいうスライムはその攻撃に気がついているのかいないのか、まったく微動だにしていない。
ゆっくり立ち上がると剣を拾い上げ、再び振り下ろした。
「お、倒した。ん~やっぱおかしいよな」
「そんなにおかしいの?」
昨日の戦いを見ていない咲夜からみれば、弱いうえにへたくそで。というかなんなら条夜が手を抜いて戦ったんじゃないかと思えるほど圧倒的とは思えない。
スライムの核を拾うと再び勇者一行は歩き出した。
最近びっくりするほど全然書けてない……
仕事がちょっと忙しいのもあるかもしれんけど。年末だから仕方ないね
さてさて、今年ももう終わっちゃうね。投稿はまだ大晦日に控えてるからいろいろずらずら後書きに連ねると思うけど。今年は多分、マライ、死英、残された、ドラスラの4つを更新すると思われる。マライ以外の3つに関しては書けてるか怪しい節はある……
ほなほな、また――




