↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】宣誓のその先へ  作者: ねこかもめ
【五話】勇躍と向後。
PR
45/269

(45)不穏な気配

 翌朝。疲れていた割には寝坊すること無く起床。

馬車での居眠りが効果的だったみたいだ。


 今日は専属のメイドさんが来る。

昨日メイドさんに訊いたところ、昼過ぎ頃という回答が帰ってきた。

なので、午前中は屋敷周辺を散策することにした。


「さすが王都、人が多いな」


どこを見ても人、人、人だ。


「馬車も多いね」


行商人、騎士、貴族。様々な人が王都を訪れる。

旧邸付近と比べると、ほぼ全域が人混みだ。


歩きながらいつものように、幼馴染とくだらない会話をしていたのだが──


「──っ⁈」

「どうしたの?」

「あ、いや。何でもない」


なんだか、誰かに見られている気がした。

楽しかった昨日と比べ、今日は不穏な感じがする。



 その後も、めぼしい店を見つけては中を見ては出て。

気に入ったものがあれば買ってみて。

それは楽しいのだが、店から出る度に例の視線を感じた。


今度もそうだ。


「──まただ」


急いで周囲を見渡す。


「またこの視線……」

「なんだ、気付いてた?」

「私を誰だと心得る?」

「天下無敵のアイ……っ!」


──見つけた。


怪しい人影だ。俺がそっちを見た途端、露骨に路地へ隠れた。

間違いない。さっきから俺達を見ていたのは奴だ!


一瞬だけ見えたその姿は、かなり異質だった。

周囲の人々の雰囲気とは逸脱していた。


そいつが逃げ込んだ路地へ。


「……?」

「居ない?」

「ああ」


まだ遠くへは行っていないはずだが……。

どこを見ても姿は見えない。

念の為アイシャが霊視をする。


「ダメ、居ないよ」

「何なんだ、あいつ……?」


それ以降、視線を感じることは無くなった。

今はとにかく屋敷に戻り、お姉ちゃんに報告だ。



 お姉ちゃんは新生リビングに居た。


「そう、そんな事が……。分かったわ。それとこっちからも一つ」


人影について話すと、あちらも何かあったようで、一枚の紙を見せてきた。


「これは?」

「さっきメイドさんが持ってきたの。ポストに入ってたんだって」


見ると、日付と時間と……座標?

とにかく、何かのリストが書かれている。

そして何より奇妙なのは、上の二項目以外は未来のものである事だ。


「何ですか、これ……?」


ダメもとで訊いてみる。


「分からないわ。ただ……ちょっとこれ見て」


お姉ちゃんが指さしたのは、上から二項目目の座標らしき文字列。

机の上に広げられた地図。それと座標を見比べる。


「えっ、これって……‼」

「ヴァルム地方……?」


俺もアイシャも、紙と地図を交互に観察する。

何度見ても、文字列はヴァルム地方の中央付近を指す座標に間違いない。


「日付を見てみて」


なんとなく言いたい事を察した俺は、恐る恐る指示に従う。


「……先週くらい、ですね」

「モルケライさんが言ってた。家畜が減り始めたのは一週間くらい前からだって……」

「じゃ、じゃあこれ……」


昨日の奴のような魔物の情報……?


「メイドさんを迎えたら、お姉ちゃんは王城に行ってくるわ」

「王城?」

「ええ。ちょっと気になったことがあるの。あそこなら資料があるかもしれないから」

「それなら俺達も……」

「いいの。あなた達はメイドさんに屋敷のことを色々教えてあげて。お部屋とかね。大丈夫、お姉ちゃんだってね、一人で調べ物くらい出来るのよ」


貴女が出来ないことをあまり知りませんが……。


「じゃ、お願いね」

「分かりました」

「は〜い」


準備してくると言って、お姉ちゃんは自室へ向かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。