第27話 神の裁き
腰のホルダーから本を取り出す。
「風間さん。神を信じますか?」
本を開きページをめくる。
「神様?仏様なら知っとるけどな」
「信仰は素晴らしい事です。信仰により貴方にも神のご加護が訪れる。」
本が徐々に光っていく。
——さっき上でも光っとったんはこいつか。
サンクトの光を警戒し、目を細める。
能力が分からないためまずはこちらから。
——ビュンッ!
風切り音と共に刃が飛ぶ。
当たる直前、謎の光に呑まれる。
「なんや?」
当たるはずが消えた?
同じように、次は3方向から飛ばす。
確実に当たる。
同じように謎の光により消える。
サンクトは本のページを1枚捲る。
「神に抗うものに裁きを」
——スンッ!
3つの光が音もなく風刃の形になり風間に向かう。
「まじか」
風刃を3個飛ばし相殺する。
「神は私を守ってくれているのです」
ページが戻る。
「信仰をする気になりましたか?」
両手を広げ司祭のようだ。
「どんな能力か知らんけどこれはどうや?」
竜巻がサンクトを包む。
鋭利な風が服を切る。
「このまま切り刻んだるわ」
竜巻を狭めていく。
「神の前には何もかも無力」
ページが2ページめくれる。
竜巻が光に包まれ消える。
「これもあかんか」
多分これも…
「神の裁きを」
光の竜巻が出現する。
鋭利な光が身体に傷を刻む。
「ちっ!やっぱりかいな」
脚に風を纏い高く飛翔する。
——ここや!
竜巻の薄い部分に飛び込む。
身体に傷がつく。
自分の技と同じなら突破できる。
竜巻を抜けると消えていく。
「俺の技パクってるって事か。」
着地して顔についた傷を拭く。
「全ては神のものです。なんて素晴らしい。」
天を仰ぎ祈りを捧げている。
光の玉が現れこちらに向かってくる。
動きが速い。
——カチッ!
とっさに腰から銃を抜き、放つ。
特別仕様の銃からは弾ではなく風刃が出る。
風刃が光の玉を撃ち落とす。
「遠距離はあかんか。なら」
風間が風を纏い、高速で近づく。
「この距離はどや」
「神に近づきすぎですよ」
ページが5枚捲れる。
サンクトの身体がブレ、2人に分かれる
俺の右ストレートはもう1人に受け止められる
「分身やと?」
「神には近づきすぎないように」
「神の裁きが降りますよ」
「1人でもウザいのに2人になったら余計やな」
光の弾が先ほどの2倍ほど現れる。
「そこも2倍なんかい」
——カチッカチッ
引き金を引き、風刃で相殺するが至る所からくる
(躱されへんな)
致命傷を避けるため当たるのを厳選する。
「グハッ!」
当たった箇所には、傷ではなく穴が空く。
脇腹、右足がそれぞれ三日月の様にえぐられる
「そろそろ信仰する気になりましたか?」
ページが元に戻り分身が消える。
「ありがとうな、そろそろ倒そう思てな」
法則はなんとなく分かった。
次で決めるで。
「神がいる限り私は倒せませんよ」
サンクトを包み込むように竜巻を作る。
ページが捲れる。
竜巻が光に包まれる。
「——今や!」
自分を突風で飛ばし接近する。
手に風の剣を作り斬り掛かる。
(こいつのページが捲れる時はコピーしてる時。コピーの間は光の玉しか出してへん。狙うのは…)
「もうコピーで分身は出せへんやろ!」
サンクトの本を切り裂く!
「何と!」
サンクトは焦り、身体を後ろに引く
「終わりや!」
——ニヤリ。
サンクトが笑う。
切り裂いたはずの本が凄まじい速さでページを捲っていた。
「フィフス」
——ドンッ
上から何かに押さえつけられ地面に伏す。
「な、なんやこれ…」
押さえつけられ、指すら動かせない。
「神は絶対です」
「神よ。私はこの者を殺すべきですか…」
膝をつき、天を仰ぐ
「分かりました。運がいいですね、風間凌」
「ゼロ」
次は浮かび上がる無重力のようだ。
地上3mほどまで上げられる。
「フィフス」
——ドンッ!
「ガバっ」
地面に落下し、目の前が暗くなる。
そして、完全に真っ暗になった。
「良い夢を」
サンクトは再び姿を消し先へ進む。




