第25話 分断
「さて、ここは右ですね。」
何もない場所から声がする。
「こっちだって!」
「分かってる。うるさい。」
ひそひそ話す。
「誰かいるのか!」
3課の隊員達は何もない場所から声がし戸惑う。
2人組で地下1階の警戒中だった。
1人が無線で応援を呼ぼうとする
「ダメだよん」
無線を取る手にナイフが刺さる。
何もなかったはずの場所に白髪の青年が現れる。
「静かにしてね。仲間は呼んじゃダメです!」
背後から口を塞ぎ頸動脈を掻っ切る。
叫ぶ間もなくダラリと床に落ちる。
「貴様ら………」
もう1人は、声が出なくなる。
口をパクパクさせ、自分の喉に大穴が空いていることに気付く。
大穴が空いており後ろに倒れる。
「行きますよ。2人とも」
「はーい」
つまらなさそうにナイフを回収し血を拭き取る。
再び3人はその場からいなくなる。
地下へ足を進める。
——「鷹見さん!」
地下4階で鷹見さんを見つける。
「神城か。霧島は?」
鷹見さんが珍しく焦っている。
「霧島は2階の訓練場で交戦中です!」
「相手は?」
「刀堂って名前の斬馬刀を持った男でした」
「グラディか、だとすると残りはこっちに向かってるな」
「狙いはひよりさんですか?」
「わからん。が、可能性はある。」
少し考えた後、
「神城。お前は後から来る風間と白宮を守ってくれ」
「了解です!鷹見さんは?」
「俺は下が気になる。下へ向かう」
難しい顔で話す。
Spesが気になる。何かあるのだろうか。
「頼んだぞ神城。」
鷹見さんは地下へ向かう。
ひよりさんが治療室から出てくる。
「私が狙われてるの…?」
いつもの元気がない
「わかりません。今は真さんも居ないし僕と風間さんで守ります!」
そう言い聞かせる。
——ふと思った
あいつは透明になれた。
あの状態で移動できるなら?
もし先ほどの会話を聞かれたら?
嫌な予感。警戒度をマックスに引き上げる。
ひよりさんには治療室から出ないように言ってある。
——何か…いる?
なんとなくそんな気がした。
目で見ると一部空気が揺れて、景色も少し歪んでる
何もないはずだが、俺は歪む景色に銃を構え、発砲する。
——キンッ!
何かに当たり、弾丸が地面落ちる。
「なぜ…分かったのでしょうか」
そこには司書の姿の男。その横に蛇喰、あの時の少年がいた。
「あ!神城くんだ!おーい♩」
蛇喰は猟奇的な目で手を振る。
「ニセモノ。まだ生きてた。」
少年はあの時と何も変わっていない
「お前達…ここで殺す」
1対3だと冷静に判断しつつ、無闇に距離は詰めない。
まずは風間さんを待つ。そして戦う。
俺の背後にはひよりさんがいる。1人で無茶はできない。
「困りましたね…あの男を追いかけて下に行くつもりが見つかってしまうとは」
やれやれと言わんばかりだ。
「仕方ありませんね。この男を殺し下へ行きますか」
ホルダーから本を取り出す。
「サンクト〜この子は僕にやらせてくださいよ〜」
蛇喰がサンクトの動きを止める
「はぁ。いいですよ。その代わり私とエゴは先に行きますからね」
本をホルダーにしまい先を急ぐ
「待て!」
言いつつ3人全てを相手には出来ない。
時間を稼ぐだけでも…
「神城くんの相手は僕ですよ〜」
目の前に白い髪が現れる。
ナイフを刺突してくる。
俺は能力は使わずに顔で躱す。
反撃する前に後ろに飛ばれる。
「あの時より成長してますね!」
ニコッと笑い挑発的な態度
「お前を殺す為だ!」
俺は後ろの2人を意識から切り離し、蛇喰に集中した。
「でもうちの2人行っちゃいましたよ?大丈夫ですか?」
「頼れる先輩がいるんだ。大丈夫だよ」
俺はそう言い能力を解放する。
——今度こそ、仇を討つ!
サンクトは再び透明になろうとする。
突如空気が震える。
「追いついた!待たんかい!」
竜巻が2人を包み込む。
「芸がないですね、エゴあなたは行きなさい。すぐ追いつきます」
「分かった。気をつけて。」
——ブンッ
エゴの前の空間が裂ける。
抜けた先は竜巻の外。
「最初も目眩しして、あれで逃げたんやな」
「ご名答です。さて私はサンクト。星宮星矢です。あなたは?」
地下で後光がさしてくるような雰囲気を感じる
「俺は公安1課、風間凌お前をぶっ殺す男や」
サンクトは腰のホルダーから再び本を取り出す
「あなたは神の導きに耐えられるかな」
本が輝き始める
——それぞれの思惑が、戦場でぶつかる




