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モブ、いざ。

「ふう、、ふう」

「リリー大丈夫か?散歩しなくても良いんじゃ・・・」

「大丈夫、ただジッとしてるのも落ち着かなくて」

エスコートしているヴィルヘルム様も流石に心配しています、お腹が重くて歩くのも大変です。

ただ今11の月終わり、臨月も近いとなるとお腹はパンパンです


パンパン過ぎませんかコレ・・・?


ちょっとアリシアさんに相談してみたいので呼んでみますか



「2人ね」

「は?」

「最低2人、エコーとかないからはっきりしないけど、その大きさは1人ではないわね」

「赤ちゃん、双子?」

「そうね、この張り具合だと1人だとしたら大き過ぎるわ、2人以上と考えるのが自然よ」

「そう、2人居るの」

えへへ、2人か、嬉しいな。

「嬉しそうねリリアン」

「ええ、兄弟はいた方が楽しくない?」

「そう、ね、確かにその通りだわ」

「すごい元気なのよ、ポコポコ蹴ってくるの、今もよ」

「そんなに?触っても良いかしら?」

「はい、どうぞ」

そっと私のお腹に手を当てるアリシアさん、その間も元気な赤ちゃん

「・・・」

「どう?元気でしょう」

「リリアンちょっとドレス脱いでくれる?」

「ええ、良いけど」

妊婦用のドレスは着るのも脱ぐのもすぐです、勿論コルセットもありません。

「失礼」

アリシアさんは一言そう言うと頭をお腹に近付けて聴診器を直接当てます

「アリシアさん?」

「静かに」

「・・・」

何でしょうか、位置を変えて真剣に耳を傾けています。



「ありがとう、もうドレス着て良いわよ」

数分診ていたアリシアさんは耳を離して言いますが、何か考え込んでいるような様子

「ええ、どうしたの?まさか何か」

「え?ああ、ごめんなさい大丈夫よ、何も異常無いわ、赤ちゃんも元気よ」

それでも何か歯切れの悪い様子

「アリ・・・」

トントントン、確かめようとした瞬間ノックが響き

「リリー、ちょっと良いか?」

ヴィルヘルム様がやって来ました

「はい、どうぞ」


結局この後は有耶無耶になって聞けずじまいになりました

、そしてこの日から数日、12の月に入った時の事。

臨月を迎えると離れに交代で滞在していた侍医も本邸に移り常に近くに居ます、合わせて産婆さんも寝室近くの部屋に居て、安心して日々を過ごして居られますね、ありがとうヴィルヘルム様。


この頃になるとヴィルヘルム様も落ち着かないのか

「リリー良いか、些細な事でも必ず言うんだぞ」

「ええ」

「大丈夫か、寒くないか?」

「大丈夫、ちょうど良いわ」

「何か口にするか?」

「もう寝るだけよ今日は」

「そ、そうか、、あ、リリ」

「ヴィー大丈夫、今は何とも無いから」

落ち着いて、ね?

何とかヴィルヘルム様を宥めすかし就寝


それは深夜、恐らく日付が変わったくらいの時間でしょうか、まだまだ暗い夜の時間。

ふと、目が覚める、横にはヴィルヘルム様が寝ていて、寝直す気分でも無かったので寝顔を見ていると



お腹に違和感が、っ!?痛いっ、

「ヴィー、ヴィー!」

ヴィルヘルム様を揺すり声を掛けると、すぐ飛び起きます

「どうした!?」

「お腹が、」

ここで察したのか、立ち上がり

「ま、待っていろ、すぐ侍医と産婆をっ」

慌てて部屋を出て行きました、横にあった椅子とか蹴っ飛ばしながら。

産婆さんは隣に居るからそんなに慌てなくても。



産婆さんがゆっくりとことこ歩いて来て、私を診る

「んんー、始まった、かね?」

後ろに居るヴィルヘルム様はオロオロ、侍女長アリアさんの目付きが変わったかと思うと

「さあ、ここからは女性の世界です、旦那様!さあさあ」

あっという間にヴィルヘルム様は追い出されて行きました


そこからはてんやわんやの大騒ぎです、公爵邸をひっくり返したかのような騒ぎ、当然全員起きて来ます。

何かごめんなさい、こんな時間に、と思っていた私の余裕も時間が経つにつれ無くなり。

気付けば明け方、アリシアさんも部屋に居て

「いつの間に来たの、眠くない?」

と、私も混乱していたのかどうでも良い事を質問する始末

「私の事はどうでも良いのよ、いいから自分の事だけ考えてなさい!」

あまり素直じゃない彼女は叱責するような口調だけど、とても優しい事をこの1年で知りました。


そこからは完全に時間の感覚が失われています、空が白んでいた明け方と思っていたら、あっという間に明るい空になり、お日様は高くなり、


「んっ、!っ、、!!」


おぎゃあっ!と産ぶ声が上がり

周りの侍女達から、きゃあ!と歓声が上がります

「まだだよ、気抜くんじゃない」

産婆さんの一声で一度弛緩した空気が引き締まります、私も1人産んでホッとしましたが、そう言えばアリシアさんは双子だって言っていたわね、などとぼんやり考えていました。

「さ、嬢ちゃんもう一回だよ」

「ふぅ、ふぅ、ん!、、!!」


そして


ぎゃあぁっ!と、元気な声が2つに増えました

キャアキャアと侍女達から再び歓声が上がり、産婆さんもホッとひと息吐いたのが聞こえました


「はあ、、はあっ、はあっ、ん、っ!」



「オギャーーッ!」

「「「えええっ!?」」」


3人目・・・



ああ、そう言えばララとルルが卒業までに3人いけるとか言ってたっけ、と呑気に思い出しグッタリ力尽きたリリアンだった。



誰も同時に3人とは言っていない。



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