モブ、ヒロインとお茶会。
本日は私主催のお茶会です、場所はラフィー義母様にお願いをして離宮の一室をお借りしました。
参加する方は、ラフィー義母様、ロッテ先生、私、アリシアさんの4人ですが、最初アリシアさんに提案した所
「なんで私のマナー確認の最初の場が王太后様と王子妃教育も出来る教師の居るお茶会なのよ!」
と文句を言われたので、仕方無く私と二人きりでお茶会をしてアリシアさんのマナーと所作を確認しました。
可もなく不可もなくでしたが、やはり高位貴族や王家の人間の所作に比べると見劣りしました、気になる点や手の位置、首の角度、指先から目線まで指摘、全部メモを取らせて今回のお茶会となります。
アリシアさんは少し身を引いた位置から、私達3人のお茶会を見学して貰います。
先ずは手本の提示、基本ですね。
ラフィー義母様、ロッテ先生にも今回のお茶会の主旨は事前に説明してあります。
私が主催となるのでしっかり務めようと思います、えいえいおー。
「と、いった感じなのだけど、参考になりましたかアリシアさん?」
「取り敢えず、リリアンさんが猫被る事は分かったわ・・・、貴女普段はあんななのに」
ロッテ先生の前で失敗など出来ませんので本気ですよ。
「どちらの私も私よ、ほほほ」
「あら、リリアンちゃんはアリシアさんの前では違うの?寂しいわ、わたくしの前では中々気を許してくれないのかしら」
流石に王太后の前で完全な素は出せませんよラフィー義母様・・・
「先代とは言え元王妃の前で気を張らない人など居ないでしょうラファエル」
呆れた様子のロッテ先生が言います、ですよね!
「で、どうでしたか?」
「王太后様、マイヤール夫人の所作、とても美しくて優雅だったわ、それにリリアンさんも」
参考にはなったようですね、到達点は見せたので後は反復練習して身に付けるのみよ。
勉強も平行して進めて行きますが、暗記系が多いので本人次第の部分が多いのですよね、分からない所は私が補足かつ雑学も混ぜていきます、単調な時間は眠気を誘い、集中力の妨げになります、適度に興味を広げて遊びを含み楽しい時間になるように。
苦痛の時間になっては大変ですから・・・
そうして色々工夫していくと見えてきます、ロッテ先生の苦労、手間、心遣い、人に教えるって本当に大変ですね。
「ねえ、リリアンさん」
「はい?何でしょう」
「貴女、教師向いてるのではなくて?」
「わたくしもそう思うわ、リリアンちゃん」
「そうですか?私としてはあまり向いてないと言うか、性に合わない、ですかね?」
「勿体無いわね、向いていると思うのだけど、やりたい事とは違うのなら仕方無いわね」
うーん、好きな事と向いている事が共通するなんて中々無いわよね、どんなに上手でもやりたくないならそれは向いていない事だと思うけど。
「リリアンさんは自由で居た方が1番力を発揮すると思います」
うん、ロッテ先生に私も賛成です、と言うより色々手を出して手広くやっているから何かひとつに絞るという事が出来ないと思います。
「あ、でも得意な事で好きな事はひとつあります」
「え、何?」
「鞭、」
「「止めなさい」」
ラフィー義母様とロッテ先生から同時に止められました、何故ですか・・・
「と言う事があってね」
「リリー楽しそうだな」
「ええ、人に何かを教えるのも色々と考える事があって面白いですね」
「・・・、リリー」
ん?ヴィルヘルム様の様子が、
「なんです、、ん・・・」
突然ぎゅっと抱き締めてキスして来ます
「ヴィー?どうしました?」
「二人の時間が突然無くなっても楽しそうだから」
「なあに、嫉妬してるの?」
「ああ・・・」
「アリシアさんは女性ですよ」
「君との時間を得ている事が羨ましい」
「ふふ、ヴィーって結構寂しがり屋さんですね」
「リリーがそうさせたんだ、君と出会うまでは1人で大丈夫だと思っていたのに」
「本当に可愛いひとですね」
愛しく思い、ヴィルヘルム様の頭を抱えるようにして抱き締めます。
抱き締めたまま銀の髪をサラサラと撫でていると
「・・・、リリー」
「ん、ふふ、息、くすぐったいです」
普段身長差があって遠いヴィルヘルム様の頭を堪能します、なでなで。
「もう良いだろうリリー、動けない」
「いやです、もう少しだけ、ね」
ヴィルヘルム様はそれを聞き入れて、黙って私の好きにさせてくれます。
「ふう、ありがとうヴィー」
「満足したのか?」
「ええ、可愛い旦那様を沢山愛でて満足よ」
「なら、次は俺の番だなリリー」
仕方の無い旦那様ですね・・・
ちょこんと膝の上に乗せられて、今度は私が撫で撫でされていると。
首筋に顔を埋めて私の匂いを嗅ぎ始めるヴィルヘルム様
「ちょっとヴィー、淑女の匂いを嗅ぐのは・・・」
「いい匂いだし、俺は好きなのだが」
「私、香水つけてないから控えて欲しいのですが」
「だから好きなのだ、俺も香水は好かん鼻が曲がる、甘くて柔らかいリリーの匂いだ」
そう言って首筋から顔を上げません、もう・・・
旦那様が好きだと言うなら許容したい所なのですが、女性としての何かがゴリゴリ削られていく気分です。
そうして、アリシアさんの指導については一応の道筋が出来上がり、ヴィルヘルム様とは変わりなく、いえ、更に仲睦まじく毎日を過ごしていました。




