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閑話 とある侍女

私の名前はルクレティア、王妃様付きの侍女で主に肌のお手入れを任されております。

学園を卒業し、そのまま王城に上がりお務めしていたら今や25歳・・・

この国における結婚適齢期を過ぎて行こうとしている所でございます、どこかに素敵な出会いはないものでしょうか。

侍女としてもベテランの域に片足が入ろうとしていた今年、侍女長から

「ティア、1ヶ月限定だけど王妃様のお客様専属になってみない?」

とのお話をいただきました。

「貴女もそろそろひとり立ちしてもいいと思うのよ」

の言葉に、普段は厳しい侍女長に少しながらでも認められたのかなと嬉しく思い、ひとつ返事でやらせて頂く事にしました。

「はい、よろしくお願いします、お客様は?」

「ほら、一時期噂になった公爵様の婚約者よ、王宮舞踏会の婚約発表から来月結婚式を挙げる事になったのだけど、先代様達の離宮に一時的に泊まる事になって、結婚式までの1ヶ月磨き上げると王妃様が仰ったのよ」

「え、先代様の離宮に、私王妃様付きですが?」

「王太后様も王妃様もお気に入りみたいで、1ヶ月王城に通って磨き上げるより、離宮に居た方が通う時間も警備も不都合が無いからと言って、そうなったらしいわ」

「ええ!?まるで国賓待遇、いえ、国賓でも離宮に泊まるなど出来ませんよね、どんな方なんですか?」

有り得ない待遇の客専属にひとつ返事した事を早くも後悔し始めたティアは生唾を飲み込む。

「そんなに緊張しなくても大丈夫よ、彼女はリリアン・モブラック子爵令嬢、性格は穏やかで人当たりの良い、とても普通の良い娘です」

「い、良い娘ですか・・・」

でも、あの公爵様と婚約する程の胆力を持っている人を捕まえて普通ではないだろうと心の中で気を引き締める。

「まあ、つまり王太后様王妃様主導のお話しよ、良い勉強になると思うし、よろしくねティア」

「は、はい」



そして、公爵様の婚約者リリアン様が来ました

「初めまして、私はリリアン、モブラック子爵家長女のリリアン・モブラックです、突然の事で御迷惑をお掛けしますが1ヶ月よろしくお願いします」

普通だ!

何処にでも居る赤毛に、可愛らしいと言っても特別な程でもない容姿、小柄な体躯。

普通の貴族令嬢、リリアン様。


「ラファエル義母様は・・・」

普通に王太后様とお話して、

「エリザ義姉様ったら・・・」

普通に王妃様ともお話して、

「リリアンちゃんたら!」

普通に御二方に構い倒されている、そして気付く


普通じゃないわ、この子下位貴族の出身よね!?

なんで普通に王妃様達と世間話してるのよ、相手は近所のパン屋の女将じゃないのよ、王妃と先代王妃よ!

数年経っても未だ私は緊張するのに、なんなのこの子。

驚愕するティア

実は内心緊張しっ放しだが諦め大半の腹の括り方をして、今後家族付き合いを頑張ろうとしているリリアンの気苦労は伝わらない、本人は必死であることを。


そして磨き上げようとした時の事である

「ああっ、んっ」

声をあげるリリアン様

「ひ、、ぁ」

「や、ラファ、エル義母様、止めて・・・」

「あら、そう言えばエリザの事は愛称で呼ぶのに、わたくしの事は呼んでくれないのかしら、そうね、エル?

ラファ?うーん、ラフィー、そうラフィーと呼びなさい、そうしたら止めてあげる」

「ラ、ラフィーかあさ」

「ひんっ」

止まらない王妃様

「あら、呼んでくれないの?」

止まらない王太后様

「ほほほ、リリアンは本当に面白いわね」

高らかに笑う王妃様


何でしょう、この空間は・・・

呆然としている私と目が合うリリアン様、その目には涙を溜め、頬は上気し、息は絶え絶え

「た、、たすけてぇ・・・」

と言われて我に返ります

「王太后様、王妃様お止め下さい、やり過ぎです!」

何とかお止めして、声を掛けて磨き上げようとするも

「リリアン様、ここからはわたくし共が責任を持って磨かせて頂きます、どうか御安心を・・・」

「んっ」

んんっ!?

「・・・」

「リリアン様、今1度失礼致します」

「っ!」

声は我慢していますが、感じ・・・、いえ敏感になってますね。

「・・・、これは、、明日からにしましょうね・・・」

「、、、お願い、します」

とリリアン様はガックリ項垂れています、流石に同情しますわ


「あら、ほほほ、リリアンは敏感なのね」

「そうですわね、ほほほほ」

王太后様も王妃様もそんな性格だったの?と少し呆れていると、先輩侍女が

「王太后様、王妃様、これは先代様、国王様、ヴィルヘルム様に報告させて頂きます」

と言い

「ええーっ」

と、子供のように不満を表す御二方、何か信じられないものを見た気分になり、これまで見てきた御二人は何だったのだろうと混乱します・・・


「私の、専属デビューが・・・」

この後、常日頃厳しい侍女長にさえ慰められると言う更に信じられない出来事がある事をティアは知らない。


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