モブ、修行?
始まりはライラの言葉から始まりました
「ねえリリアン、あなた嫁入りの準備は大丈夫なの?」
「え?準備って?」
「流石にドレスとか装飾品関連は進めているわよね?」
「ええ、まあ」
「嫁入りだもの相手の家の事とか、夫人教育と言う訳では無いけどそういうのは無いのかしら?」
「あ、それだけど、実際に家に入ってからで良いと言われてるのよね、私も事前に出来る事はやっておきたくて、以前お話ししたのだけど」
「事前に出来る事はもう無い、領地に関してはリリーに話を聞いてもらう事があるかも知れないが、基本的には俺の仕事だし、それは家に入ってからの話だ、ゆっくり学園生活を過ごして居ればいいさ」
「と、言われてね、必要なら言ってくださるだろうし、疲れを溜めて心配掛けたこともあってゆっくり過ごす事にしたのよ」
何度も同じ事を繰り返す訳にもいかないし
「あら、良い心掛けじゃない、でも「事前に出来る事はもう無い」と言われたの?」
「え、ええ・・・」
「ねえ、リリアンが嫁ぐ家はかなり大変そうな気がするのだけど、そんなに余裕があるものなの?
ひとつ疑問なのだけど、実は事前の事は終わっているのではなくて?」
貴女何時から相手の家に出入りしているのよ、と聞かれて
「初めて訪問したのはお披露目の後からで、そこから時が経てば経つほど招かれる頻度は増えたかしら?」
「という事は8年、もうすぐ9年になる訳だけど、何も無かったの?相手の家を知る事」
そう言われると・・・
「うーん、家と言っても当だ・・・、あっ」
そもそも家を知ると言っても王家なのよね、そしてヴィルヘルム様は当代興った家な訳で私が知るべき事と言ったら王家の歴史になるのかしら?
公爵邸そのものなら、もう我が家のような感覚に近いのだけど、装飾品に間取りから対応人数、庭園の作りに花の時期、離れも同様に知ってる、使用人のみんなは5歳から頻繁に招かれた事から既に第2の家族の様な感覚ね、公爵邸に関して多分知らない事は殆ど無いわね!
「あら?そもそも事前に知るべき事が殆ど無いのかしら、領地の事なんて流石に嫁ぐ前には必要無いわよね」
「まあそうね、精々特産品や何が盛んか、土地柄などかしら?」
そうよね、流石に領地運営の話は無いから、となると本当に何も無いのね・・・
「改めて考えると何も無いわ、寧ろ嫁入りしてからが本番ね」
「社交は大変そうね、だから今はゆっくりしてて良いと言われたのかしらね」
そうかも知れません、お勉強はロッテ先生の時に必死に頑張りましたから、その分の余裕が今現れている形ね。
何事も無駄になる事はないわね、ありがとうございますロッテ先生!
「ライラとララ、ルルはどうなの?」
「私は元々が政略ですからね、相手方での夫人教育は終わってますわ」
「ロイ様の家でという事は、ロイ様のお母様に?」
「ええ、とても良くしてくれてね、良い関係を築けております」
「お義父様とはどうなの?」
「お義母様もそうですけど、娘が欲しかったと本当の娘の様に」
「ロイ様・・・」
思わず額に手を当ててしまいます、ロイ様の周囲の人達はライラの味方しか居なかったじゃない、ヒロインちゃんの時は何か考えていたのかしら。
「ふふ、「もし」が有るならば、どうするつもりだったのかしらね」
本当にね!
「「私達は4人でお勉強終わってる」」
「それも凄い話よね」
「4人とはどういう事なの?」
ライラが不思議に思っていますね
「ララとルルの婚約者は双子なのよ」
「双子の婚約者が双子!?」
ビックリしてますね、まあ冗談のような話ですからね
「ララが婿を」「ルルが嫁入り」
「そして相手は兄が嫁を娶り、弟が婿入りよ」
「それ、ふざけてますの?」
「「ふざけてないわ」」
「冗談のような話だけどとても仲がいいのよ、見分けもしっかりついているし」
「「お互いがお互いの家を知るのに4人で受ければ一石四鳥」」
「・・・」
ライラ絶句してます、大丈夫ですかね?
「リリアンも大概ですが、ララエルさん、ルルエルさんも相当ですわね・・・」
「ララとルルは兎も角、私が大概ってどういう事」
「普通5歳で歳上にアプローチなんて、大人への憧れと相場は決まっていますのよ、年齢差を考えても政略以外の何ものでもないのにそれが恋愛結婚だなんて」
「幸せじゃない、いい事だわ」
「社交で苦労しそうだけどね」
「「リリは大変」」
まあ、政略でさえ見かけに左右されたヴィルヘルム様に、恋愛結婚で嫁が出来た事で私を足掛かりに・・・、という輩は居るでしょうね。
強面のヴィルヘルム様より、そこらのモブっ子スタンダードな私が横に居たら格好の的よね、その点を指摘しているララ、ルル、ライラだけど
「でも、多分それも無いわね」
「あら、随分確信めいた発言だけど何かあるの?
リリアンは正直取っ付きやすい印象の方が強いわよ、特にあの方が横に並ぶとなると余計に話し掛けやすいのでは」
「少し前に男性に絡まれたのよ、その時に・・・」
と、チンピラ騎士の1件を掻い摘んで話す。
「剣を?」
「「あの顔で?」」
「失礼ですわよ、あんなにかわいいのに・・・
でも、剣の柄に手が掛かっていたのには流石に肝を冷やしたけど」
「いえ、気にする所はそこじゃないわ、いえ、ああもう、指摘する事が多過ぎて話にならないわね!でも分かったわ」
「「虎の巣で寝てる猫」」
「誰も虎の子に手を出したりしないわ」
「私、子じゃないんだけど」
妻よ!
「この際何でもいいわよ、虎の嫁?獅子の嫁?」
「自分で言うのも何だけど、わかり易い撒き餌だと思うの」
多分、この事はルーク義兄様は織り込み済みね!
「ねえ、この事リリアンが手を回す範疇を軽く超えてるわよね、つまり・・・」
「兄弟による睨みが凄い効いていると思うわ、あの二人本当に仲良いのよ」
「「兄弟・・・」」
ええ、ヴィルヘルム様と兄弟です、はい。
ヴィルヘルム様が私に対して過保護なのか、ルーク義兄様がヴィルヘルム様に対して過保護なのか、どっちなのでしょうね?
私の表情が筒抜けなのも一因なのかしら、いえ私に限らずあの一家の前では全部筒抜けになりそうな気もするのだけど、気にするだけ無駄ね。
言わない事は必要ないと判断されている事だし、私は私なりにやるしかないわね。




