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モブ、王子を見る。

本日はダンスの特別練習日、現在2期生で3期生になればデビュタントという事で学園でも当然その辺りの支援には力を入れています。

具体的にはマナーとダンスになります、マナーは再確認だけなので問題にはなりません、貴族の令息令嬢ですから入学前に修めてますからね。

ダンスが曲者でして、クラスの方達でパートナーをシャッフルして色々な人と沢山踊ります

忘れがちですが、王子とヒロインちゃん、カラフル軍団も同じクラスなので踊ります。

うわー、接点持ちたくないと思っていたら王子とヒロインちゃんは互いとしか踊りません、婚約者そっちのけです

これはこれでうわーですね?

そして、マリエル様行きます

「アーサー様・・・、ダンスを同じ方と続けて踊るのは誤解を与えかねません」

それに対して王子

「練習会だ、何の問題がある」

と一蹴、聞く耳なし!

マリエル様は「そうですか失礼致しました」と即退いて行きます。

これもクラスのダンス練習会の中でやり取りしております、もうここまで来ると触れるな危険で微妙に皆距離を取りますね、露骨に離れては角が立つ、かと言って近付きたくない絶妙な距離感、周囲のクラスの皆様冷静ですわ。

カラフル軍団は正気に戻ったので、とても紳士的で流石高位貴族の方達ですね踊りやすかったです

私はこれまでダンスのパートナーはお父様、お兄様、ヴィルヘルム様のみなので多くの方と踊れるのはとても良い経験になります、そんな中ライラの婚約者である赤髪君ことロイ様とも踊りましたが、ダンスの最中

「ライラから聞いた、世話になった様だ、ありがとう」

「私は何もしていません、ライラとはお友達なので、ただお話しただけですわ」

実際の友人になったタイミングはかなり前後していますが、まあこの方が話が早いです。

「そうか、でもありがとう、ライラとこれからもよろしく頼むよ」

と、穏やかに言ってきます

「言われずとも、お友達ですから」

「ありがとう、ところでリリアン嬢、貴女はかなりダンスが上手だな?」

「え、私は基本を押さえているだけなのでそれ程でも・・・」

超絶技巧ダンスとか、難曲とか、アレンジされたりするとどうにもなりません、型通りのダンスしか踊れませんから私。

「その基本がしっかりしていて安心してリード出来る、こう言ってはなんだが爵位とマナー、ダンス、教育はほぼ比例すると言っていい、なのに君は、・・・そうだな高位の、いやダンスの上手い者と踊り慣れていないか?」

一瞬ドキっとします、ライラ言ってませんわよね!

「そのような事は御座いませんが、お褒め頂きありがとうございます」

しれっと言い、曲が終わるとサッと逃げます

ヴィルヘルム様と割と頻繁に踊っているなんて言えませんからね。

デビュタントに向けてダンスで失敗する訳にはいきませんから練習会もしっかりこなします。

やはりヒーロー方はまともになると優秀さが際立ちます、観察眼も鋭く、物腰や知識、高位貴族は格が違うのですね


少し疲れたので休憩していると

「「リリ」」

ララとルルが近くに来ました

「ララとルルも休憩?」

「「ええ」」

「・・・、ね、疑問なのだけど、ダンスは1回なら礼儀、2回なら好意を、3回なら本命だと思っていたのだけど、練習のダンスはどう受け取ればいいのかしらね」

練習ならセーフなのかしら?

「練習なら特に何もない」

「ダンスの教師と3回踊って、それを言われたらキリがない

確かにそうですね、王子とヒロインちゃんというだけで少し過敏な反応になってしまいましたか。

「「でも」」

「でも?」

「普段の印象」

「婚約者はそっちのけ」

「複数人の目」

「「周囲はどう受け取るでしょう」」

「あー、なるほど確かにこの状況を「ダンス教師と続けて踊った」と一緒にするのには無理がありますわね」

「「そういう事」」

「マリエル様の行動も最低限に、でも周囲には婚約者としての義理は果たしたと示している、これは今後の事も決まっているのですかね・・・」

「公爵家のみなのか」

「王家もなのか」

「でも、もう色々と十分に揃った気もします、少し前までは成人の15歳までは様子見するのかと思っていましたけれど、マリエル様の名誉も考えるとこれらの対応は前倒しになりそうな気もしますわね、マリエル様にとってズルズル引き伸ばされても利点がひとつもありません」

「現状を見るとそうかも知れませんが、事前の取り決めに「成人までは」と何か条件付けがあったのではありませんの?」

ライラも休憩がてら私達の会話に加わります。

「ライラ、ロイ様とはもう良いのですか」

「ええ、あまり構い過ぎても息が詰まりますからね」

ライラは本当に覚醒と言うかなんというか・・・

「そう、王子の事は心当たりでもあるの?」

「心当たりと言うよりは、王家と公爵家との婚約ですもの詳細に条件は詰めてあるのではなくて?」

「「大いに有りうる」」

「確かに」

となると、やはりエンディングと私達の発表の日は重なるのね、やだわぁ・・・

王子とヒロインちゃん、程々にして欲しいです

いえ、男爵令嬢が出来る事など限られています、彼女1人で事を起こした所で周囲て耳を貸すものは極小数でしょうし、実質は全て王子次第ですかね、はあ。

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