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東京ダンジョン学園  作者: 叢咲ほのを
第十章 光と影 -Heroes-
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第153話 コンビネーション良いじゃん

 さて、俺にはおなじみ、紫村たちにとっては初体験となる、ヒュージスライムとの戦いだ。

 階層主の部屋に入ると、上空からスポットライトのように照らされている部屋の中央に、ヒュージスライムがその姿を現す。

 通常のスライムと違うその体の大きさに、紫村たちは息をのんだ。


「こないだ紫村がもたもたしててスライムが合体してた時あっただろ?あの合体が進むとここまでデカくなるんだ。それで、事前に説明した通り、ヒュージスライムの弱点は体内にある核だ。紫村と赤石はヒュージスライムの気を引いて、その隙をついて千堂が銛で核を攻撃な。危なくなったら助けに入るけど、まあお前らなら大丈夫だろ?俺は後ろで見てるからな」


「うん。僕たちの普段の修行の成果をそこで見ててよ!」


 紫村がそう言って前に進む。赤石と千堂がそれに続いた。


 ところで今日は紫村たちとパーティーを組んだことで、俺は紫村の『雷魔法』スキルと、千堂の『気配察知』スキルをコピーさせてもらうことができた。

 後日一人でこのスキルを試してみたい。フフフ、今日はお前たちのためにレベリングしてやると言いつつ、俺もちゃっかり得をさせてもらっているんだぜ。

 俺がステータスを表示させて、新たに取得したスキルを見ながらニヤニヤしていると、三人対ヒュージスライムの戦いが始まった。

 おっと、ちゃんと見守ってやらないとな。

 俺はステータス表示を消すと、視線を三人へと戻す。


 最初に攻撃を仕掛けたのは赤石だ。メイスでヒュージスライムをぶん殴ると、ほぼ水分でできているその体表が飛び散る。

 実際にダメージとして溜まっていないだろうが、飛び散った分の体積が減っているはずだ。それを繰り返すだけでも倒せるだろうが、核までたどり着くには相当の体力が要るだろう。


 次に紫村が、雷魔法を木刀にまとわせた攻撃をする。

 木刀の刃先がバチバチと放電する攻撃をくらわした。

 だがヒュージスライムの動きは変わることなく、そのまま紫村の方へ移動してくるため、すぐに紫村はバックステップで距離を取った。

 ヒュージスライムはほぼ水分でできているため電気が通りやすいはずだが、体全体に拡散してしまうのか、それとも核自体が電気に耐性があるのか、ダメージを与えることができないようだ。

 紫村もそれに気づき、次からは普通に木刀での攻撃に切り替える。


 そんな感じで二人がヒュージスライムの左右から交互に攻撃すると、ヒュージスライムはどちらに反撃していいか迷って行ったり来たりしている。


 そしてその隙を付いて、千堂が初めて攻撃を仕掛けた。

 だが千堂の銛での一突きは核に届かなかったようで、千堂はすぐに銛を引き戻す。

 するとヒュージスライムは千堂に標的を変え、ずんずんと迫っていった。

 千堂の銛は相手に接近されると非常に反撃しづらい武器だ。

 危ないと思った瞬間、俺は一歩前に踏み出しかけた。

 だがすぐに赤石が側面からサポートの一撃をくらわす。

 ブルンと体全体を揺らしたヒュージスライムは、今度は赤石へと標的を変えた。

 さすがだな。俺の出番はなさそうだ。


 そんな感じで三人が連携を行い、ヒュージスライムを取り囲んで交互に攻撃を仕掛けていった。


 うん、コンビネーション良いじゃん。息が合っている。

 俺は腕を組んで三人の善戦を見守っていた。そして……


「やった!」


 何度目かのトライの結果、遂に千堂の銛がヒュージスライムの核を貫いた。

 その瞬間ヒュージスライムの大きな体は崩れ去り、その場所にはマジックジェムが残された。

 俺は拍手をして三人の健闘を讃えながら、マジックジェムを回収した


「さすがだな。やっぱり俺の助けなんて必要なかったな!」


 だが、三人の表情は優れない。

 息を切らしながら紫村が答える。


「思った以上に苦戦してしまった。雷魔法も効果がなかったし、強敵だったよ」


 そうか?俺の目からは余裕そうに見えたが。

 そして赤石も同じく息を切らせながら言った。


「はぁ、はぁ……木刀と違って、メイスを何度も振り回すのは堪えるな。もう少し長引いていたら握力がなくなってしまうところだった……」


 余裕で振り回しているように見えたが、意外と大変だったようだ。

 そしてそんな二人に千堂が謝罪する。


「すまない。俺がもっと早く核を突いていたら良かったんだが」


「いや、僕も観察してたんだけど、核は意外と奥にあって、あれを突くのはマモルじゃなくても難しいと思うよ」


「ああ」


 紫村のフォローに赤石も頷く。

 お互いに思いやって、良いパーティーじゃないか。

 まあ今回は3人の戦闘スタイルに対して相性が悪かったかもしれないな。

 そんな感じで簡単な反省会を終え、俺たちはヒュージスライムを倒して出現した階段を降りて行った。


 そこは第二階層。見た目は第一階層と同じ、洞窟階層だ。だがここからは出現モンスターが変わる。

 俺は三人に気を引き締めるような言葉を伝える。


「それじゃ第二階層の探索を進めるぞ。ここからはもうスライムは出ない。この階層には爬虫類タイプなどの多様なモンスターが出現する。そしてスライムのように簡単には倒せない。油断しないようにな」


「うん」「ああ」「おう」


 三人は俺の言葉に返事をすると、初めての第二階層を歩き出した。

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