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追い込み漁

「我々も好き好んで人を傷つけたくは無い。大人しく捕まってくれれば命をとったりはしません。」


司祭さんが投降を促してくる。


「ソフィ、このセリフは典型的な重要な箇所をボカシて提案してくるパターンのやつだ。」

「そうだね、ただし邪教徒を除くって言葉が抜けてる感じだね。」


そんなわけでソフィと背中合わせで周囲を見回す。

俺達を取り囲んでいるのは恐らく洗脳された聖女さん達。

杖やら剣やらそれぞれ色々な武器を持っている。

揃いの武器では無いって事は、洗脳される前から持ってた装備の可能性があるな。


「敵は単独でレッドボアを討伐できる強敵だ。気を引き締めてかかれ。」


幼い二人だからと油断してくれる感じではないな。いや、今のセリフからすると、俺は頭数に入ってないみたいだな。

それじゃこっちもアピールしておこうか


「“ミルキーフォグ”」


俺達を中心に、濃密な霧が発生。


「霧に紛れて逃走する気だ!逃がすな!」


司祭さんの激に答える様に、近接武器を持った聖女さん達が突っ込んで来た。


「ソフィ、宜しく。」

「はいよ。」


ソフィが四方八方に鉄球を投げつける。

相手から見れば深い霧の中から急に鉄球が飛び出してくるんだから怖いだろうな。

とはいえ流石は近接武器を持っている聖女さんは冷静に避けたり受け流したりしてる。

中にはまともに受け止めて武器が破壊された人や、避けそこなって気絶した人もいるみたい。

それでもソフィの二本の腕から繰り出される鉄球だけでは止めきれる人数ではない。


いよいよ接近され、四方から霧の中心に向かって一斉に武器が突き出された。

しかしそこに俺達はいない。


「真上だ!」


霧の範囲外の天井近くに、スパイダーストリングで張り付いている所を横から眺めている司祭さんに発見された。


「うち落とせ!」


こっちに目を向けた人が魔法を使おうとしたり、弓を構えたりしてる、でもこっちの方が僅かに早い。


「“ヒュージアイス”」


俺達を取り囲むように3つの大きな氷塊が出現。

そのまま真下に自由落下していく。

この魔法の面白い所は、氷塊が周囲に出てくるだけって所。

真下に敵がいる時しか使えない残念魔法だ。

ちなみに、地属性にも似たような魔法がある。


今回はミルキーフォグの発生している高さは2メートル弱って所。

だからみんな真上に現れた氷塊はよく見えているはずだ。

当然巨大な氷塊を避けようと動く。

しかし、上はよく見えても横は霧で殆ど見えない。

霧の中でぶつかったり押し合いへし合いしながら氷塊の真下以外を目掛けてもみ合いになっている。

そこへ、


「ほいっと。」


いち早く着地したソフィがスパイダーストリング製の投網を人数が集中した所に投げ込んでいく。


「大漁大漁。」


霧が晴れると釣果が明らかになる。

投網には多くの聖女さん達が引っ掛かって藻掻いていた。


「あまり動かない方が良いよ、余計取れなくなるから。」

「これで近接武器系の聖女さんはあらかた片付いたかな?」


辺りを見回してみると、今ので半分以上の聖女さんは無力化できたと思う。


「あとは大半が弓やら杖やらのお姉さん達だね。」


四方八方から攻撃魔法やら矢が飛んでくる。


「リアル弾幕娘って感じでワクワクするね。」

「当たったら本当に痛いけどね。」


火の玉を避け、風の刃を屈んで躱し、額目掛けて飛んできた矢を首を傾げて避け、一人に接近して拘束、口を塞いで転がしてやる。

ちょうどソフィも一人を無力化していた。


「それじゃ、丁寧に一人ずつやっていこう。」


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