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神教国入り

「巡礼者の方ですか?」

「いや…はい、そうです。」


観光より巡礼の旅で来たことにした方がこの国の場合は普通だよね。

なんてったって神教国って言うくらいだからね。


「お二人とも魔法の契約を?」

「そうですね、僕はちょっとだけしか扱えませんが。」

「そうですか、それなら首都の大聖堂で一心にお祈りをすると良いでしょう。使用できる魔法が増える事があるそうですよ。」


どうせお祈り(+多額の寄付)とか、謎のパワーストーンとか買わされるパターンだろ。

ここがあの魔法契約の総本山なんだろうかね?

まぁ今の話を聞く限り間違いなさそうだよなー


俺達はゼブー神教国とうちの国の国境沿いの街に到着していた。

町並みが全体的に白色で、何となく清潔感のあるような街だな。


今回は2人とも新米冒険者風味の出で立ち、とはいえ結局ギルドで登録してこなかったからあくまでも風味レベル。

ここでは新米冒険者を装って行動していく事にした。

ここで悩んだのがソフィの武器だったんだよね。

素手だと威力がありすぎる。

剣とか棒とかでも力が入りすぎてとんでもない威力になっちゃう。

ならば弓とかスリングショットはどうかと思ったんだけど、そっちはノーコン過ぎて却下。

そんな訳で最終的に辿り着いたのがヨーヨー。

実際には鉄球にソフィの蜘蛛糸をくっつけただけのシンプルな武装で、ヨーヨーというよりはお祭りで売ってる水ヨーヨーの水風船が鉄球になってるような感じ。

ソフィも気に入ったみたいだし、これならか弱い人でも威力出るし、どこもおかしくないよね?

そんなわけで、ソフィは腰の左右に鉄球を1個ずつつけている。

こっちは超初心者の魔法使いが持ってるような杖。

これでどこからどう見ても新米ホヤホヤの冒険者の完成だ。

そんな感じで冒険者ギルドへ。


前回の冒険者ギルド証は完全なパチモンであったことが分かったので、現状俺達はギルドに登録されていない訳なんだけど、未登録者でも簡単な常時依頼で日銭を稼ぐくらいの事はできるようになっている。

その代わり、期限付きや護衛などの責任の伴う依頼は受ける事ができない。


と言う訳で薬草拾いの依頼でもこなそうかなぁと思いながら掲示板の常時依頼を眺めている訳なんだけど…誰も突っかかって来ないな。

こんな初心者二人組なんて鴨ネギなんじゃないの?

と思いながらも、できるだけ目線をキョロキョロさせながら薬草拾いの依頼でもやろうか、とソフィに声をかけながら受付を済ませてしまう。


出口に向かいながらも期待に胸を膨らますも、誰も来ない。

ああ、ここにガストンさんがいれば…

やはり神教国なだけあって、この国の人は優しいのかもしれないな。

「お、見るからに弱そうなのがいるぜ?ちょっと小遣い稼ぎでもするかぁ?」

「バカ、少女の武器を見てみろ。」

「なんだありゃ?鉄球か?」

「あれでどんな戦い方をするか想像できるか?本当の初心者はあんなよく分からん武器を持ったりしねぇ。そしてあの男のガキ…さっきからキョロキョロしてるようで、しっかり全ての依頼書をチェックしてやがる。」

「初心者を装ってやがるのか?」

「さっきから目を通してる依頼書は全部Bランク以上…あいつらは恐らく初心者狩りを血祭りにあげるのが趣味の性悪だ。絶対に突っかかるんじゃねぇ。」

「そうゆう事かよ…危ねえ危ねえ。」

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