ギルドの受付はトラブルだらけ
前話ではコピペミス申し訳ありませんでした
ご指摘してくださった方、本当にありがとうございます。
全く、どうしてこんなに予定外の事ばかり起こるのか…
私は憤りながらギルドの廊下を走る。
そのまま訓練場の扉を開け、中へ駆け込んで行く。
訓練場は冒険者が戦闘訓練を行ったり、昇級試験を行ったりする場所だ。
冒険者パーティが4組暴れられる位には広く、天井は吹き抜けになっているが、全体を覆うように防音、耐魔法、耐物理結界が張ってある。
とは言えそこまで上等なものではない。
あまり上等なものを揃えてしまうと、もし冒険者が壊した時に請求できなくなってしまう。
でも、今回は全部壊れてしまうだろう事を想像しながら訓練場の中心へ進んでいく。
「鬼ごっこは終わりだ。」
後ろから声を掛けられ、私はゆっくり振り返った。
先程の黒ずくめが訓練場の入口付近に立っていた。
さっきの男達を振り切って来たか…
「あら、さっきの冒険者さん達はどこに行ってしまったのかしら?」
「ああ、彼らならお疲れのようだったからな、救護室で休憩中さ。」
この早さ…全員殺されてしまったか…?
しかし、強制指揮の効果は継続中だ。
という事は気絶させられているという事?
それならば、指揮範囲にいる味方は操る事ができる。
しかし、いくら呼びかけても彼らが駆け付けてくる事はなかった。
「来ないぞ。」
「どうやらそのようね。」
全く、役に立たない人達。
私は深々とため息をついた。
──────────────────────
その頃
「グ、ウゥ…ググッ!」
救護室の部屋内では、多数の人間のうめき声が聞こえていた。
強制指揮によって統制、強化された人間は意識を失おうとも戦い続ける事ができる。
死ぬまで継続戦闘可能な意思なき軍団…それが最大の強みの筈が、今は全員床に転がってうめき声を上げるのみだ。
それもそのはず、全員スタンガンで麻痺している上に猿轡をされ、鋼糸でグルグル巻きにされて転がされている。
これでは戦闘どころか、駆け付ける事すらできない。
更に救護室の扉の外には張り紙が、
『重症者の緊急治療中!!開けるべからず!!』
──────────────────────
「お前の正体も検討はついている、恐らくは悪魔かウィッチか吸血鬼といった所だな。まぁ似たようなモノか。」
「貴様、何者だ?」
思わず素の状態で話してしまう。
「悪党に名乗る名など無い。」
「何と無礼な…我が名は魔王軍特s…」
「名乗りなどいらん、お前は悪女のエミリー、ただそれだけだ。」
「貴様…良いだろう、その余裕がいつまで保つかな?」
名前や肩書というのは重要だ、それだけで対策が立てられる場合もある。
ヒント無しでは1分も楽しめないかもしれないな。
「“サモンゲート”」
訓練場のあちこちに大きな黒い渦が出現した。
「さぁおいで、私の可愛いペット達。」
渦の中からそれぞれレッドドラゴン、シーサペント、グランドドラゴン、グリフォン、麒麟、ケルベロスが召喚された。
一匹一匹が、討伐するのにAランクパーティが3つ以上で挑むレベルの魔物達だ。
しかも全属性が揃っている、死角は無い。
「どうやらただの召喚魔法では無いな。」
「そうよ、これは召喚というよりはゲートに近いかしらね。これなら戦闘中でも召喚維持の為に魔力を垂れ流さなくて済むの。」
勿論それだけではない。
それぞれの魔物達は全て強力にカスタマイズしている。
魔王軍特殊戦略部隊、契約のバァルの力を過小評価するような奴は容赦しない。
「貴様はよりにもよって低俗なウィッチや蝙蝠風情と一緒にしてくれたな…八つ裂きにしてコイツらの餌にしてやる。」
「八つ裂きに出来たらな。」
「言ったな!」
それぞれの魔物が連携して襲いかかる。
ケルベロスが正面から先行し、シーサペントと麒麟は左右から、グランドドラゴンは地中、グリフォンは上から、そしてレッドドラゴンは後ろに回り込みながらから隙を伺う。
全方位全く逃げ場のない状況。
礼節を弁えていればここまではしなかったが、あれだけ舐めた態度をとられたのだ。
後悔する間もなく片をつけて、頭部だけ蘇生させて拷問してやる。
さてさて、どんなコースの拷問をしてやろうか…
これからのお楽しみに思いを馳せていた所で、辺りが妙に静かな事に気付く。
ペット達も動きを止めている…もう終わってしまったのか?
本当に口ほどにもない奴だったな。
ん…ペット達の体が薄く光っている?
次の瞬間、ペット達が轟音と共に全て爆散した。
「…へ?」




