ストーカーおじさん
「という訳なんですよ。」
「ふーん、それにしてもすごいわねぇローガン君。C級の賞金首を生け捕りにするなんて。」
「いえいえ、相手が油断していたおかげです。」
「特別にEランクかDランクに昇級も検討し
ても良いかもしれないわね。」
「いいっ!?いえ、分不相応な昇級は怪我の元ですから、遠慮しておきます。」
事件の翌日、ガストンさんと共にギルドでエミリーさんに報告。
「謙虚ねぇ。でも地道に実力をつけるのが一番よね!」
「エミリー、そんな事より一人取り逃しているってのが気掛かりだ。さっきの2人の所属は分かったのか?」
「今確認中だけど、恐らくはこの街最大の犯罪組織の一員ね。」
「厄介だな…そこに目ぇつけられてるってのか、この坊主は。」
「そうね…寝泊まりする所が知られてしまっているみたいだからね。」
「その上で安全な所というと…」
「ギルド…かしらね。」
おやおや、なんだか雲行きが怪しくなってきましたよ。
こんな24時間誰かしら酒飲んでるような所で寝ろと?
「心配しなくても大丈夫よ、2階に眠れる部屋がいくつかあるわ。防音魔法も掛けてあるし、騒音で寝られないって事もないわ。」
それって逆に大丈夫なのかな?
「なんにしても、ギルドなら向こうも手を出しづらいし、安全性も高いと思うわよ。いざという時に一定の戦力が揃っているしね。」
多くは酔っ払いだろうけどね。
まぁそんなこんなで今夜はギルドに泊まる事になってしまった。
とりあえず日中は例によって薬草摘みにでも行くか、と思っていた所で昨日の地味君がギルドに入って来た。
何やら、もっと強くなります!とか言ってる。
昨日も何かあったんかね?
そんな中、視界の隅に黒い影。
ソフィが肩の上に登って片脚を上げて、「ヨッ」みたいにしたので、こちらも軽く肯いて合図する。
昨日は一応そこの地味君やらこちらの宿の周囲を見張っていてもらったんだけどもどうだったんだろ?
薬草摘みに行ったついでに色々聞いてみよう。
………
そう思っていたのが、遠い昔のようだ。
「どうかしたか?虚空を見つめても薬草は見つからんぞ?」
「ええ、分かってますよ。どうにかしてこの子蜘蛛と会話できないかなーと考えてたんです。」
「魔物と会話したいなぞ、お前も大概変わってるなぁ。」
「ですよねぇ…魔物と会話なんて出来るわけないですよね。でもある程度は通じ合っているんですよ。」
「だろうな、従魔だしな。会話の練習をするつもりなら付き合うぞ?」
「いえ、結構です。薬草も摘みましたし、帰りましょう。」
何故か薬草摘みにおっさんがついてきた。
こちらの油断を誘ってどこかで襲ってくるつもりか…
街に到着しても「じゃあ僕こっちなんで。」と言ってもついてくる。
しかも屋台で肉串を奢ってくれた。
太らせて食べるつもりか?
結局ギルドに着くまでぴったりついてきやがった。
依頼達成の処理をしてもらっている時、足を引き摺った男が入ってきた。
「ロニー、その足…」
「ああ、ちょっとしくじってな。」
怪しい。
ローガン君も筆者も、思うようにならない今日この頃




