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ギルドへ報告はしません



昨日は酷い夢を見た。

ふんどしマッチョに追いかけられて、最後は捕まって舌なめずりされるってゆう…


しかも意識は覚醒してるのに金縛りで動けない。

昨日は疲れたからな、まぶたが重く感じる。


「スゥ…スゥ…」

やっぱりこれも夢か?自分で自分の寝息を聞いてるってのも不思議な体験だな。


「うぅ…そんなに髪の毛を抜いたら、ローガンが若ハゲに…」

「誰がハゲやねん。」


思わず突っ込んでしまって気付いた。

ソフィに抱き枕にされておる…

道理で悪夢を見るわけだ。


この姿だけは幼い娘は、魔族の常なのか無意識で身体強化をしてやがる。

今も俺の体を万力の如く締め上げていて、鍛えてない一般人なら全身の骨がかき混ぜ過ぎた麻婆豆腐みたいになってしまう事だろう。


「ソフィ、朝だー。起きろー。」

「んぅー、いただきます。」

「イデデデ、頭を噛むんじゃないよ、頭を!」


甘さも何もあったもんじゃない。

全く…しょうがない、起きるまで待つか。



ソフィが起きたのはそれから1時間ほどしてからだった。

とりあえず身支度を整え、ソフィには蜘蛛形態に戻ってもらってチェックアウトをしにいく。


「おや、おはよう。昨日の寝心地はどうだった?」

「ああ、お値段の割にとても寝心地が良かったですよ。」

「飲み水もサービスで置いといたけど、どうだったね?」

「ああ、飲み水ですか…(解析の結果、睡眠薬が混入されていたので)飲まずにそのまま寝てしまいました。全く手を付けていないので、今ならお婆さんも飲めますよ。持ってきましょうか?」

「い、いや大丈夫。わしはさっき飲んだ所だからねぇ。」


このお婆さんもクロっぽいんだよなぁ…

でもこの人が黒幕って感じではないよね。

まぁ良いや、もうここには泊まらないし。

この婆さんがまた同じ事をするにしても、それは引っ掛かった奴が間抜けなだけだからね。


そんな事よりも、ギルドに行って最初にどんな行動をするか…


何食わぬ顔で依頼を受けに行くか、昨夜の話をちょっとするべきか。


まぁ自分から自分を間抜けって言う事もないだろう。

とりあえず何も無かったように振舞おう。

そう思ってギルドの戸を開けると…


「本当なんです!捕まっていた所を黒い騎士様に助けて貰ったんです!」


うわぁ…いたよ…間抜けが。


「あ!あなたもあそこで捕まってましたよね!?」


うわー、こっちに来てるぅ。

年齢12、3くらいの男子が寄ってきた。

ちょっと大人しそうな顔立ちの地味目な男子だ。

昨日はずっと泣き顔だったから一瞬分からなかった。


「あなたも皆さんに説明して下さい!誰も昨日の事を信じてくれないんです!」

地味な割に、今は興奮してるようだな。


「ローガン君、あなたもその場に居合わせたのですか?」

エミリーさんまで困った表情で話し掛けてくる。

いつの間に君付けで呼ぶように?いや、今はそんな場合じゃない。


「え、ええ…そうですね。お恥ずかしい話ですけど。」

「それを黒騎士様が助けて下さったのです!」

「名乗ってはいなかったはずですよ。と言うわけで、私は常時依頼の薬草摘みでもしてきましょうかね。」


とりあえず地味君を宥めながら逃走を図る。

この地獄を早く抜け出さないと…

うわぁ、目立ってる。

皆可哀想なものを見る目で見てるぅ。


「それで、誰に捕まっていたの?」

「ああ誰でしたかね覚えてないなそれじゃ私はこれで」

「シスターエルザです!町外れの教会のシスターエルザです!しかも彼女は何と、魔族だったんです!」


うおぉぉぉい!?そこまで言うかね!?

絶対大事になるよ!?

ほら、周りから「まさか…」とか「あのシスターが魔族?」とか聞こえて来るじゃないか。

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